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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

SNS社会を舞台にした、優しい嘘から始まるミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』

2021年11月29日 01時31分35秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:95/253
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ミュージカル
ヒューマンドラマ
社交不安障害
嘘から始まる物語

【元になった出来事や原作・過去作など】
・舞台
 『ディア・エヴァン・ハンセン』(2015)

【あらすじ】
エヴァン・ハンセン(ベン・プラット)は社交不安障害があり、
学校に友達もなく、
家族にも心を開けずにいた。

ある日彼は、
その障害のセラピーの一環で、
自分宛てに書いた“Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)”から始まる手紙を、
同級生のコナー(コルトン・ライアン)に持ち去られてしまう。
それは、誰にも見られたくないエヴァンの「心の声」が書かれた手紙。

後日、校長から呼び出されたエヴァンは、
コナーが自ら命を絶った事を知らされる。
悲しみに暮れるコナーの両親は、
彼が持っていた〈手紙〉を見つけ、
息子とエヴァンが親友だったと思い込む。
彼らをこれ以上苦しめたくないエヴァンは、
思わず話を合わせてしまう。
そして、促されるままに語った“ありもしないコナーとの思い出”は、
両親に留まらず周囲の心を打ち勇気を与え、
SNSを通じて世界中に広がっていく。

思いがけず人気者になったエヴァンは戸惑いながらも充実した学校生活を送るが、
〈思いやりでついた嘘〉は彼の人生を大きく動かし、
やがて事態は思いもよらぬ方向に進む—。

【感想】
ちょっと期待値を上げすぎたかなという印象(笑)
楽曲を『ラ・ラ・ランド』や
『グレイテスト・ショーマン』を手がけた人がやるってんでね。

確かにミュージカルではあるんだけど、
一般的に想像されるような、
そこらへんの通行人を巻き込んでの群舞ってのはない。
基本はソロ、たまにデュエットで、
セリフにリズムを乗せたものが多いかな。
いわゆる、「ザ・歌」みたいなのとか大合唱的なものは、
メインテーマの“You Will Be Found”ぐらい。

ストーリーはよかった。
SNS社会を舞台に、
自殺した同級生の両親のために、
「彼とは親友でした!」と嘘をつき、
証拠まで捏造したものの、
あることがきっかけで思いもよらぬ展開になっていくというもの。
特に、エヴァンの名スピーチの拡散と共に、
メインテーマが流れる演出は多くの人にとっては感動的に映るかもしれない。

が、しかし。

結局は嘘だからさ。
「よくもまあこんなペラペラとそれっぽいこと言えるな」と、
僕はやや白々しい目で見てしまった(笑)
エヴァン自身も社交不安障害で、
人とうまくコミュニケーションが取れない人なので、
そこで感じる孤独などを通して、
自殺したコナーに対する深い同情があったかもしれない。
そして、「人はひとりじゃない」ということも、
女手ひとつで育ててくれた母親や、
密かに想いを寄せるゾーイ(ケイトリン・デバー)の存在から感じていたのかもしれない。
でも、すべては嘘だから、ほぼ共感できなかったなあ。

そもそもコナーの両親がね、
エヴァンの話をろくに聞かずに、
自分たちの都合のいいように捉えて
話をどんどん進めてしまうのもどうかと思った。
コナー自身もまた嫌なところがある人物でね。
そんな人と親友ですなんて嘘、
つきたくもないかな(笑)

題材や話の展開は面白かったけど、
個人的にはキャラクターにあまり引き込まれなかったなー。

なお、主人公のエヴァンを演じたベン・プラットは、
オリジナルの舞台版でもエヴァン役を演じてます。

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』| 11月26日公開

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』| 11月26日公開

 

ファンじゃなくてもあまりのエモさに感極まって涙!まさに光と音の思い出アルバムだった『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』

2021年11月26日 21時49分53秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:5/252
   ストーリー:☆☆☆☆☆(ライブなので)
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★×20
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【要素】
ライブ
ジャニーズ


【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
2018年11月から2019年12月まで1年以上にわたり、
計50公演、1ツアーとして日本史上最大の累計237万5千人の動員を記録した、
嵐20周年のツアー「ARASHI Anniversary Tour 5×20」。

このツアー中、
あるBIG PROJECTが着々と進行していた。
それは、「映画を撮影するため」に1日限りで開催するという、
過去に例を見ない「シューティング・ライブ」だった。

2019年12月23日、東京ドームで壮大な撮影を敢行。
『ピカ☆ンチ』(2002)で嵐初主演映画を監督した堤幸彦を始め、
これまで嵐に関わり、
彼らを知り尽くした映画トライブのスタッフが集結し、
嵐が5人だから見られた風景、
52000人の観客が5人といっしょに見た風景を
125台のカメラで余すことなく記録した。

東京ドームの圧倒的な一体感と臨場感をそのままに、
2000年から2020年までのコンサートで累計約8200万人を動員した
ジャニーズ事務所を代表するアーティスト・嵐"初"のライブ映画として、
その名曲とパフォーマンスを体感できる全篇ライブ・フィルムが誕生した。

【感想】
うおおお、、、メチャクチャ面白かった。。。
いや、これすごいよ、本当にすごい!!
嵐、やべぇわ。。。
あくまでもライブなので、
他の映画と同じようには扱いづらいけど、
ものすごく興奮したし、感動した。

そもそも自分は特に嵐のファンっていうわけではない。
ただ、ジャニーズのグループの中では年が近い方で、
身近な存在ではあったかな。
気づいたらすでにいたってことではなく、
デビューしたまさにそのときを見ていたから。
グループ名は漢字だし、
上裸で透明なレインコートみたいなの着てたし、
最初は「どうしたもんだろう」って思ったけど(笑)

世代ってこともあってか、
2008年ぐらいまではちょくちょく彼らの歌を聴いてた。
その後はほぼ聴かなくなってしまったけど、
それでも流れると不思議と聴いたことあるんだよね。
ドラマやCMのテーマソングだったり、
誰かがカラオケに入れてたりってことが多かったからかも。

そんな彼らの20年の軌跡をたどったライブがこれ。
『感謝カンゲキ雨嵐』からぶち上げスタートし、
その後も名曲続き。
僕が昔よく聴いていた歌もふんだんに盛り込まれたセトリに、
まさに感謝カンゲキ雨嵐。

どの歌もよかったんだけど、
個人的には2曲推したい。
ひとつは、翔クンのピアノの伴奏で歌われる『アオゾラペダル』。
観客との合唱に感極まって涙出た。

そしてもうひとつ。
これがもうとびっきりにヤバくて、
この映画の中で、
いや、今年観た映画の中で最大の推し歌。
1999年から2019年までの彼らのCDジャケットが映し出され、
“すべての始まり”へと繋がる演出が素晴らしかった。
彼らの物語が始まったあの歌、、、ティキソウソウ。
『A・RA・SHI』!!
それも、当時のミュージックビデオと、
それと同じ構成で撮影された2019年版の映像を並べて、
その前で嵐の5人が歌う踊る!
エモい、、、エモすぎる。。。

そこから懐かしの名曲ラッシュに入るんだけど、
各メンバーの昔の映像もいっしょに映し出されるという感慨深さ!!
20年という長い時の流れに加えて、
日本人なら知らない人が少ないんじゃないかってぐらいの認知度、
さらに自分はド世代。
その3つの要素が合わさることで、
まさに思い出アルバムとか結婚式のムービーとか
そういう感じに見えて悶絶したよ。。。
嵐だからこそ活きる演出だよね。
嵐にしかできない。
もし他にできるグループがあるとすれば、、、
もうないけどSMAPかなあ。

もともと歌を多く知ってたり、
世代だったりってことも大きいけど、
本当にいいコンテンツ。
実際のライブだとひとつの視点からしか観れないけど、
125台のカメラによって縦横無尽に映し出される映像の数々は、
生以上に生だよ。
東京ドームが5つの光で満たされた最高のひととき。

アニバーサリーってこともあって、
有名な曲が多い構成だから、
嵐ファンじゃなくても楽しめると思う!

ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”

2021.11.3 Dolby Cinema 2021.11.26 in THEATERS さあ、映画館で夢のつづきを始めよう。あの日あの時...

 

これはただのホラー映画じゃない。生まれ変わったらジェームズ・ワン監督になりたいぐらい秀逸な作品だった『マリグナント 狂暴な悪夢』

2021年11月25日 00時34分47秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:10/251
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【要素】
ホラー
サスペンス
アクション
スプラッター

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
間近で恐ろしい殺人を目撃する悪夢体験に苛まれるマディソン(アナベル・ウォーリス)。
その連続殺人が現実世界でも起きていく。

彼女の秘められた過去につながる"狂暴な悪夢"の正体=ガブリエルとは!?

【感想】
これは、、、すごい。。。
今、最もヒット作を連発できる監督なんじゃないかな、
ジェームズ・ワンは。。。
『ソウ』シリーズや『死霊館』シリーズなど、
ホラー映画の傑作を生み出しただけじゃない。
『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)では、
『ワイスピ』シリーズの最高興収を叩き出し、
『アクアマン』(2018)では、
DCエクステンデッド・ユニバースの中での最高興収を実現した。
さらに、『モータルコンバット』(2021)の監督まで。。。
ホラーに加えて、
超絶アクション映画も手掛けてしまう、
うらやましいぐらいの才能に溢れた人物だ。

そんな彼が新しく世に送り出したのが、
ホラー映画の常識を覆す本作。
僕はホラー映画がずっと苦手で、
最近になって少しずつ観れるようになってきたんだけど、
その状態でこの映画は今年観た中で
トップ10に入るほど面白かったのだ。

ホラー系は内容書くとネタバレになっちゃうので言えないんだけど。。。
僕がこの映画にハマったのは、
ただのホラーじゃなかったから。
サスペンスの要素もあり、
アクションの要素もある。
怖さに加えて、
スリルとかっこよさもあったのよ!!

ホラーが苦手な身からしたら、
前半は普通に怖かった。
早速ひとりで観に来たことを後悔したぐらいには。。。
でも、後半の怒涛の展開がヤバすぎて!!
特に警察署内でのシーンなんかもう、、、
僕はここでこの映画を好きになりました。
むしろ、ここを一番評価したいぐらい。

とにかく設定がすごいのなんのって。
よくああいう展開にできるなと。
ホラー映画をここまでエンターテインメントに昇華させることができる
ジェームズ・ワン監督は天才だよ。

これは本当にオススメしたい。
まあ、確かに見た目はちょっとグロテスクだけど。。。
それをカバーするだけの勢いと型破りな世界観がある。
とにかく、何も調べずに観て欲しい。
タイトルの意味も映画を観ればわかる。

もう一度言うけど、
これはただのホラーじゃないッッッ……!!

映画『マリグナント 狂暴な悪夢』| 大ヒット上映中!

映画『マリグナント 狂暴な悪夢』公式サイト。『死霊館』『ソウ』シリーズ、ジェームズ・ワン監督最新作!『マリグナント 狂暴な悪夢』11月12日...

映画『マリグナント 狂暴な悪夢』| 大ヒット上映中!

 

『世にも奇妙な物語』が好きならハマりそうな『聖地X』

2021年11月23日 23時47分24秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:169/250
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ミステリー
サスペンス
世にも奇妙な物語

【元になった出来事や原作・過去作など】
・舞台
 イキウメ『聖地X』(2015)

【あらすじ】
小説家志望の輝夫(岡田将生)は、
父親が遺した別荘のある韓国に渡り、
悠々自適の引きこもりライフを満喫中。
そこへ、結婚生活に愛想をつかした妹の要(川口春奈)が転がり込んでくる。

ところが、韓国の商店街で日本に残してきた夫の滋(薬丸翔)を見かける要。
その後を追ってたどり着いたのは、
巨大な木と不気味な井戸を擁する和食店。

無人のはずの店内から姿を現したのは、
パスポートはおろか、
着の身着のままの記憶さえもあやふやな滋だった。
輝夫と要は別荘で滋を捉えるが、
東京にいる上司の星野(真木よう子)に連絡すると、
滋はいつも通り会社に出勤しているという。
では、輝夫と要が捕まえた滋のような男は一体誰なのか?

さらに、妻の京子(山田真歩)が謎の記憶喪失に襲われた和食店の店長・忠(渋川清彦)は、
「この店はやっぱり呪われているかもしれません」と言い出す始末。
日本人オーナー江口(緒形直人)いわく、
店の建っている土地では、
過去にも同じように奇妙な事件があったことがわかってくる。

負の連鎖を断ち切るため、
強力なムーダン(祈祷師)がお祓いを試みるも、
封印された“気”の前には太刀打ちできない。
この地に宿るのは神か、
それとも悪魔か?

彼らはここで繰り返されてきた数々の惨劇から逃れ、
増幅し続ける呪いから解放されることはできるのか!?

【感想】
全編オール韓国ロケだけど、中身は邦画。
予告はメッチャホラー感出てて、
観ようかどうしようか迷ったけど、結果観てよかった。

やや怖い雰囲気はあるものの、
ホラーというよりミステリーやサスペンスっぽい感じかなー。
いや、そのどれにも当てはまらなそうな感じもするけど。。。
何にせよ、『世にも奇妙な物語』にありそうなエピソードなので、
ホラーが苦手な人でも安心して観れると思う。

この手の映画はいろいろ書くとネタバレになっちゃうので難しいな。。。
東京にいるはずの要の夫が、
なぜか韓国にもふらりといて、
「お前は誰だ!」って真相を追っていく映画。

世間の評価は低いんだけど、
個人的には楽しめた。
その韓国にいる要の夫とされている人物の正体と、
そういう存在があるっていう物語の設定、
そしてその人物を「どうにかする」秘策がうまいなって思った。
もともとは舞台で上演された話らしいけど、
風景がいろいろ変わる映画の方が、
人物の立ち位置を把握しやすい気もする。

ただ、これはちょっと予告詐欺感もあるんだよね。。。
古井戸って日本人にとっては『リング』のせいで、
ホラーの代名詞みたいな認識だと思うんだよ。
そこを意味ありげにするから、
怖いと思っちゃったけど、、、
中身は全然違うから。
「映画の予告はいかにミスリードを誘うか」みたいなことは
『ポンポさん』でも言ってるけど、
これはホラーを期待していた人はがっかりするかもしれない(笑)

あと、要を演じた薬丸翔(ヤックンの息子さん)の演技もよかった!

映画『聖地 X』

映画『聖地X』11月19日(金)劇場・配信/同時公開! 主演・岡田将生。世界にはまだ、行ってはならない場所がある。想像を絶する悪夢がはじまる...

映画『聖地 X』 -

 

死生観に悩む高校生たちが体験する、ひと夏の世にも奇妙な感動エピソード『サマーゴースト』

2021年11月21日 21時54分34秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:58/249
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【要素】
アニメ
ヒューマンドラマ
死生観
感動
幽霊

【元になった出来事や原作・過去作など】
・小説
 乙一『サマーゴースト』(2021)

・漫画
 井ノ巳吉『サマーゴースト』(2021)

【あらすじ】
「サマーゴーストって知ってる?」
ネットを通じて知り合った高校生、友也・あおい・涼。
都市伝説として囁かれる
“通称:サマーゴースト”は若い女性の幽霊で、
花火をすると姿を現すという。

自身が望む人生へ踏み出せない"友也"。
居場所を見つけられない"あおい"。
輝く未来が突然閉ざされた"涼"。

彼らにはそれぞれ、
サマーゴーストに会わなくてはならない理由があった。
生と死が交錯する夏の夜、
各々の想いが向かう先は――。

【感想】
短編アニメーションということで、
40分という短い尺の映画でした。
しかしながら、その短い中で重要な要素をうまく詰め込んだストーリー展開と
感情移入しやすいキャラクター設定が素晴らしく、
涙を誘う構成に脱帽。

特によかったのが、
3人それぞれが幽霊に会いたい理由。
それはそのまま「幽霊が見える条件」に繋がっているんだけど、
これがとても腹落ちしやすい内容で、
彼らのあらゆる言動の動機がはっきりしているのが好きだったなー。
尺が長いと「あれ、この人たち何でこんなことしてるんだっけ?」
と感じてしまうこともあるから、
これは短尺ゆえのメリットかと。

ラストの終わり方も、
これまでにあるっちゃあるんだけど、
今回の話の内容に見事マッチする手法で、
そこが涙ポイントだった。

絵はラフタッチの印象が強く、
ここは好みが分かれるかもしれない(僕は濃い目が好きだけどw)。

あと、キャラクターの顔がどことなく『エヴァ』っぽく見えた。
友也は碇シンジ、涼は渚カヲル、幽霊はアスカ(笑)

40分ですぐ終わるし、
料金も通常より安い(大人1人1300円)ので、
これはオススメできる。

「サマーゴースト」公式サイト

光溢れる世界を描き出す気鋭のイラストレーター loundraw(ラウンドロー) 初監督映画作品「サマーゴースト」2021年11月12日(金)...

「サマーゴースト」公式サイト

 

スーパーヒーロー役者勢ぞろいの笑いとスピード感に満ちた騙し合いアクション映画『レッド・ノーティス』

2021年11月20日 23時38分54秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:34/248
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:☆☆☆☆☆(ネトフリ配信のみ)

【要素】
アクション
強盗
脱獄
格闘
カーチェイス
騙し合い

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
世界の最重要指名手配犯を逮捕するために、
インターポール(国際刑事警察機構)から発令される特別な国際手配書、
レッド・ノーティス。

これに該当する犯罪者を追跡するFBIのトップ捜査官ジョン・ハートリー(ドウェイン・ジョンソン)は、
クレオパトラの秘宝とされる“3つの卵”を巡り、
世界一の大泥棒ビショップ(ガル・ガドット)と、
世界最高の詐欺師ノーラン・ブース(ライアン・レイノルズ)と出会う。

ある理由から、
彼らは手を組んでその卵を狙おうとするのだが、
予測不能な事態が巻き起こっていく……。

【感想】
本当は劇場公開されるはずだったのに、
結局はNetflix独占配信のみになってしまった映画。

ただ、これはもうキャストが好きすぎる、、、!
なんせ、みんなスーパーヒーロー映画に出てる(これから出る)から。
ガル・ガドットは、DCの『ワンダーウーマン』(2017)。
ライアン・レイノルズはマーベルの『デッドプール』(2016)が最近は有名だけど、
かつてはDCの『グリーン・ランタン』(2011)にも。

そして、ドウェイン・ジョンソンもDCの『ブラックアダム』(2022年公開予定)に。
3人ともDCにゆかりがあるんだよねえ。

さらに、ガル・ガドットとドウェイン・ジョンソンは
『ワイルド・スピード MEGA MAX』(2011)と
『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013)で共演もしてる。
まさに、みんなまるっと僕が大好きな映画シリーズで
圧倒的な存在感を出しているっていう。

そんな3人が共演するってんだから、
内容そっちのけでまずは観るよ。
キャストだけで判断したの、
この映画が初めてかも。
そして、普通に面白かった。。。

内容はオーソドックスすぎるぐらいのハリウッドのアクション映画。
要素としては、強盗×騙し合いって感じなんだけど、
笑いとスピード感に満ちたエンターテイメントに仕上がってる。

『オーシャンズ』シリーズや『ミッション:インポッシブル』シリーズ、
『ワイルド・スピード』シリーズなど、
スリルとテンポのよさに定評のある映画の要素をふんだんに盛り込んでるのがウリかな。
まあ、悪く捉えればワンパターンだとか、あるあるだとか、
そんなふうに言えなくもないけどね。
実際、本当に都合のよい脚本で、
ほぼ苦労がなくトントン拍子で事が運んでしまうから(笑)

とはいえ、そういう事実があっても、
それを凌駕する迫力とキャラクターの濃さ、
うまい具合の騙し合いによってカバーできちゃってるのが、
個人的な好感度高いポイント。

あと、神は細部に宿るというか、
細かいところがメチャクチャおかしいんだよ、これ。
いわゆるアメリカンジョークみたいな、
ウィットに富んだものではない。
やや下ネタも交えつつ、
日本人でも笑っちゃうようなギャグもあって、
そこがツボだった。
メイン3人の掛け合いは注目されたし。

オチを知ってしまうと「なーんだ」ってなっちゃうんだけど、
ネトフリで気軽に観られるし、
加入してる人は観てみるとよいかと!
Netflixのオープニング記録を樹立したようだからね!

Watch Red Notice | Netflix Official Site

An FBI profiler pursuing the world's most wanted art thief become...

 

マーベルの異色作!『X-MEN』シリーズ初の青春ホラー映画『ニュー・ミュータント』

2021年11月20日 17時09分29秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:73/247
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★★
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:☆☆☆☆☆(配信のみ)

【要素】
マーベル
青春ホラー
アクション
スーパーヒーロー
X-MEN

【元になった出来事や原作・過去作など】
・漫画
 『X-MEN』シリーズ(1963~)

・映画
 『X-MEN』シリーズ(2000~)

【あらすじ】
ある雪の降る夜、突如現れた"巨大な何か"に襲われ、
居住区を奪われたダニー(ブルー・ハント)。
目が覚めると、ベッドの上だった。

そこは、未熟さゆえに特殊能力を制御できない
ミュータントたちを治療するための隔離施設。
医師のレイエス(アリシー・ブラガ)の指導の下、
若きミュータントたちが常に監視されながら暮らしていた。

オオカミに変身するレイン(メイジー・ウィリアムズ)。
高速移動できるサム(チャーリー・ヒートン)。
全身が発火するロベルト(ヘンリー・ザーガ)。
剣を召喚し、亜空間を行き来できるイリアナ(アニャ・テイラー=ジョイ)。
それらの能力のせいで、
愛する者を失ったり、
虐待を受けるなど、
ダニーも含め、
みんな辛い過去を背負っていた。

やがて、施設内には正体不明の謎のモンスターが現れるようになる。
恐怖で錯乱する中、さらなる危機が彼らを襲う――。

【感想】
『X-MEN』シリーズ第13作目。
本来は劇場公開される予定だったけど、
製作した20世紀FOXの買収やコロナの影響もあって、
なんと4回も延期された可哀想な映画。
さらに悲しいことに、
日本では未公開となり配信およびソフトのみ。。。

『X-MEN』シリーズ最新作ではあるけど、
スピンオフの位置づけであり、
過去の話とは繋がっておらず、
過去のキャラクターも登場しない。
まさにゼロベースの作品である。

『X-MEN』といえば、
スーパーヒーロー映画の代表作みたいなもので、
同じマーベルでもMCUよりも歴史は古い。
2000年に公開されたヒュー・ジャックマンの
『X-MEN』がもともとの始まりかな。

特殊能力を駆使して
ド派手なバトルを繰り広げる過去作とは打って変わり、
今回は青春ホラー映画。
ホラーつっても、
全然怖くないけど。
なので、物語の前半は動きがあんまりなくてちょっと退屈するかも。
後半から、突如現れた謎のモンスターを倒すために、
それぞれが特殊能力を駆使して戦うようになって、
ようやく『X-MEN』らしい展開になってくる。

でも、なんか惜しいんだよなあ。
場所は隔離施設だけど、
ちょっと学園モノっぽい感じがあるのは好きだった。
で、その日常生活の中で少しずつ明かされる能力っていう見せ方もよかった。
ただ、キャラクターは5人いるものの、
その過去はほとんど語られないままなんだよね。
で、最後はその特殊能力で敵をボコスカやるというお決まりのパターンで終わり。
もちろん、それはそれでかっこいいから個人的には好きなんだけど、
せっかくの青春ホラーなら、
もっとキャラクター背景を描いて、
いつもとは違う形で世界観を広げてくれてもよかったかなって気もする。
まあ、総じてこれまでとは違ったテイストが新鮮だったので、
僕はよかったと思うけど。

20世紀FOX最後の『X-MEN』だったけど、
ディズニー傘下に入った今、
この設定を引き継いだ作品は、、、
作られなそう(泣)

それにしても、『X-MEN』は一番日本の漫画やアニメっぽい作品かもしれない。
いわゆる"能力者バトル"がウリだから。
むしろ、歴史的には『X-MEN』の方が先なので、
日本がその影響を受けているのだろうか。

https://www.20thcenturystudios.jp/movies/the-new-mutants

シリーズ集大成!生田斗真の顔芸映画『土竜の唄 FINAL』

2021年11月19日 23時20分56秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:240/246
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★☆☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★☆☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【要素】
コメディ
アクション
ヤクザ
下ネタ

【元になった出来事や原作・過去作など】
・漫画
 高橋のぼる『土竜の唄』(2005~)

・映画
 『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』(2014)
 『土竜の唄 香港狂騒曲』(2016)

【あらすじ】
警察学校創立以来、最低の成績で卒業。
始末書枚数、ぶっちぎりのワーストワン。
ちょっぴりスケベだがまっすぐで熱すぎる警察官・菊川玲二(生田斗真)が、
ある日突然、潜入捜査官“モグラ”に任命!
日本最凶のヤクザの組織に潜り、
トップの轟周宝(岩城滉一)を挙げることを命じられる。

潜るところまで潜った玲二の最後の任務は、
過去最大の取引額6000億円の麻薬密輸阻止!
最大のヤマ場の舞台は、
“海上の楽園”こと超豪華客船!!
そして現れた、
最強にして最凶のラスボスである轟周宝の長男、
烈雄(鈴木亮平)!!

謎のフェロモン美女・沙門(滝沢カレン)にハメられ、
恋人・純奈(仲里依紗)との愛の修羅場も訪れ、
モグラ史上最悪の危機が襲う中、
果たして玲二は轟周宝をブタ箱に入れ、
“キング・オブ・土竜”となることができるのか!?
そして、魂の兄弟、
不死蝶・パピヨン(堤真一)との関係は!?

【感想】
漫画は未読。
映画は過去2作品観たので、流れで今回も(笑)
初日なのに席ガラガラだったけど。。。

さて、このシリーズは、
潜入捜査官としてヤクザの世界に足を踏み入れた菊川玲二のすったもんだを描いた作品。
とにかく毎回やかましくて、
生田斗真の顔芸と災難を楽しむ映画。
全シリーズ通して、
冒頭は彼の素っ裸から始まることからもわかる通り、
意外としょーもない下ネタが多い(笑)

ただ、ファンの方には申し訳ないけど、
シリーズ全部個人的にはハマらなかったんだよなー。
多分、笑いのツボが違うんだと思う。
コメディで笑いのツボが違うと、
もはや致命傷だと思うんだけど、
ギャグが大げさというか、
わざとらしすぎて逆に寒いとさえ感じちゃうのよ。
あとはシーンの繋がりやキャラクター設定もイマイチなじめず。。。
監督の三池崇史も脚本の宮藤官九郎も、
他の作品は好きなのもあるけど、
このシリーズだけはなぜか入り込めなかった。
小学生のときだったら笑えたかもしれないけど(笑)

いろいろ考えてみたのだけど、
あまりハマれない最大の要因は、
かっこよく描きたいのか、
おかしく描きたいのか、
どっちつかずなところがあるからかなと。
基本はコメディなんだけど、
最後だけやたらかっこよく描いてて、
でもそれまでの流れを踏まえると、
全然説得力がなく(笑)

さらに、今回の作品は、
過去作の映像もかなり使われているので、
シリーズ通して観てないと余計にわかりづらいかも。
過去作のキャラクターも出てくるものの、
無理矢理詰め込んだ感は否めない。

そんな中でこの映画でよかったなと思ったのが2つ。
ひとつは、鈴木亮平の存在。
『孤狼の血 LEVEL2』に引き続き、
またヤクザの役。
この全然怖くない世界観の中で、
バランスよく怖さがあるっていうのがさすがだなと。

もうひとつは、終盤にあった某CMのパロディ。
薄々気づくんよ、流れからして。
「あれ、もしかしてアレを言ってしまうのでは、、、?」
と思ってたら、、、キターーーって。
ここだけ唯一笑った!(笑)

今作はシリーズラストの集大成っていう感じで、
うまくまとめたなという点では感慨深さがある。
とはいえ、過去作を観てないんだったら、
無理に観る必要はないかもなってぐらいの面白さでした、個人的には。

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年間消費量は約100億個!ドーナツ大国アメリカで難民から大富豪となった男の光と闇を描いた『ドーナツキング』

2021年11月17日 23時04分59秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:83/245
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ドキュメンタリー
ビジネス
ドーナツ
カンボジア内戦
カリフォルニア

【元になった出来事や原作・過去作など】
・人物(実業家/ドーナツチェーンの元オーナー)
 テッド・ノイ(1942~)

【あらすじ】
1975年、カンボジア内戦から逃れ、
難民となり、
家族と共にアメリカのカリフォルニア州に渡ったテッド・ノイ。
ある日、彼は近所から漂う甘い香りに惹かれ、
ドーナツ店に入る。
一口でドーナツに夢中になった彼は、
ドーナツチェーンのウィンチェルで修業し、
やがて自分の店を構える。

家族総出で休まず働く中、
店は妻クリスティの気さくな接客が評判を呼び、
すぐに繁盛した。
テッドは自分の店で同胞のカンボジア人たちを雇い、
彼らにドーナツ製造のノウハウを教え、
自活の手助けをした。

系列店は拡大し、
総資産2,000万ドル(日本円で約22億円)もの莫大なお金を手にした彼を、
みんなが"ドーナツ王"と呼んだ。
成功を手にしたテッドだったが、
小さなつまづきから人生が思わぬ方向へと転換する。

【感想】
アメリカのドーナツ事情が知れる
とても興味深いドキュメンタリーだった。
すべての始まりとなった
テッド・ノイという伝説的な人物がすごい。

アメリカってドーナツ大国で、
年間消費量は約100億個、
1人当たりだと約31個らしいのよ!
食べすぎだろって(笑)
で、アメリカ全土では25,000店以上もドーナツショップがあって、
そのうち5,000店舗がカリフォルニアにあるらしく。
その中の95%がカンボジア人が経営してるそう。

その出発点となったのが、
さっき書いたテッド・ノイ。
彼はカンボジア内戦の影響で、
カリフォルニアに移住してきた。
そこでドーナツの魅力に惹かれて、
ウィンチェルというドーナツチェーンで修業。
働き者だった彼はすぐに店長となり、
やがてそれとは別に自分の店も持つ。

その店が繁盛したきっかけとなったのが、
梱包する箱。
経費削減にと、
白い箱をピンク色にしたらそれが大ウケし、
瞬く間に人気店になって。
まあ、これは偶然の産物でしかないけど(笑)
あとは、妻のおかげだね。
当時はアジア人が珍しかったらしいけど、
妻のフレンドリーな接客も商売繁盛の要因だったみたい。

テッドが偉いのは、
後から移住してくる同じカンボジアの難民たちにも、
ドーナツ店のノウハウを伝えたこと。
同じ難民としてほっとけなかったんだろうね。
そして、カンボジア人のドーナツ店がどんどん増えていった。
しかも彼が商売上手なのは、
その人たちが店を出すときに、
自分の店をそのまま賃貸に出したこと。
これで1985年当時、
月に10万ドルは入ってきたようだ。

皮肉にも、ウェインチェルはその勢いに押され、
店舗数がどんどん縮小。
テッドを修行させたことは、
敵を育てたようなもの(笑)

テッドの資産は2,000万ドルを超え、
まさにアメリカンドリームを体現。
しかし、ラスベガスでギャンブルにハマったことで生活は一転。
お金がなくなり、
妻からも見放される事態に。
結局、お店は全部手放して、
それぞれ独立していき、
テッドはカンボジアへ帰郷。

ただ、彼を憎む人は誰もいない。
彼がいなければ、
ここまでカンボジア人がドーナツ店で成功することはなかった。
まさに生ける伝説、"ドーナツ王"なのよ。

現在もカリフォルニアには、
多くのカンボジア人が経営するドーナツ店がある。
移民2世たちは、
ドーナツ店で成功した親のおかげで、
いい教育を受けている。
大学でマーケティングを学び、
それを店舗経営に生かす2世たちもいるほど。

かつてはモノがない時代だったので、
働けば働いた分だけお金を稼げた。
しかし、今の時代はそうはいかず、
工夫が必要。
SNSを使った集客や"映え"るメニューの開発など、
現代に合う形でヒットを出している店もある。
DKドーナツのクロナッツ(ドーナツとクロワッサンを合わせたもの)もその例だ。

これらの事実を知れただけで、
有意義なドキュメンタリーだった。
今よりも何かと下に見られがちなアジア人という立場で、
アメリカ人が大好きなドーナツでのし上がったのはすごい。
まあ、昔の方が「作れば売れる」時代だから、
今よりも人海戦術が通用する時代だったってのはあるかもしれないけど。

ちなみに、和菓子とドーナツを掛け合わせたら、
アメリカで流行ったりしないのかな(笑)

11月12日(金)公開!『ドーナツキング』公式サイト

11月12日(金)公開!『ドーナツキング』公式サイト。無一文でカンボジアからアメリカに渡り、”ドーナツ王”となった男のスイートでビターな人生...

11月12日(金)公開!『ドーナツキング』公式サイト

 

マーベルとスター・ウォーズのキャストによる"SF×サトラレ"だった『カオス・ウォーキング』

2021年11月16日 23時43分17秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:187/244
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【要素】
SF
アクション
サトラレ

【元になった出来事や原作・過去作など】
・小説
 パトリック・ネス『心のナイフ』(2008)

【あらすじ】
西暦2257年、〈ニュー・ワールド〉。
そこは、汚染した地球を旅立った人類がたどり着いた〈新天地〉のはずだった。
だが、男たちは頭の中の考えや心の中の想いが、
〈ノイズ〉としてさらけ出されるようになり、
女は死に絶えてしまう。

この星で生まれ、
最も若い青年であるトッド(トム・ホランド)は、
一度も女性を見たことがない。
あるとき、地球からやって来た宇宙船が墜落し、
トッドはたった1人の生存者となったヴァイオラ(デイジー・リドリー)と出会い、
ひと目で恋におちる。
ヴァイオラを捕えて利用しようとする
首長のプレンティス(マッツ・ミケルセン)から、
彼女を守ると決意するトッド。

2人の逃避行の先々で、
この星の驚愕の秘密が明らかになっていく──。

【感想】
ハリウッドで時々見かける"あのパターン"の映画かなって印象。
つまり、キャストは豪華なのに、
映画として(個人的には)そんなに面白くないっていう(笑)

キャストはね、本当にすごい。
『スパイダーマン』で、主人公ピーター・パーカーを演じたトム・ホランド。
『スター・ウォーズ』で、主人公レイを演じたデイジー・リドリー。
『ドクター・ストレンジ』のカエシリウス役や、
『007/カジノ・ロワイヤル』でル・シッフルを演じたマッツ・ミケルセン。

しかし、肝心のお話が。。。
簡単に言ってしまえば、SF版『サトラレ』と言ったところか。
今の若い子は『サトラレ』って映画を知らないかもしれないけど、
心の中で思っていることが外に聞こえちゃう架空の病気になった人の話。
2001年に安藤政信で映画化、
2002年にはオダギリジョーでテレビドラマ化されていた。

この映画では、ニューワールドという惑星において、
"ノイズ"という形でその症状というか影響が出てしまう設定。
しかも、ノイズは『サトラレ』のそれよりもパワーアップした形になっていて、
思っていることが声だけでなく、
イメージとしても他者に伝わってしまうのだ。
だから嘘はつけないし、
ちょっとエッチなことを考えようものなら、
そのイメージが具現化されて外に出るため、
妄想相手にも見られちゃう。
まったくもって誰も得しない(笑)
そして、なぜか男性のみなのよ、
その影響を受けるのが。

設定だけを見れば、
割と面白そうな感じなんだけど。。。
これが『サトラレ』のように、
自分の思考が外に出てしまうことによって思い悩むヒューマンドラマ系なら、
まだよかったかもしれない。
けれど、その設定があまり活かされない
普通のSFアクションになっちゃったから、
微妙だなって感じたんだよなー。

結局、ニューワールドに不時着したヴァイオラを守るための逃避行がメインなのよ。
逃げて、隠れて、最後ちょっと戦って。
そこで、ノイズの果たす役割があまりにも少なくてね。。。
むしろ、言っちゃいけないことがどんどん他者に伝わるから、
もはや邪魔でしかないっていう。
まあ、その思考の具現化を使って、
残像みたいなのを作るシーンはあったけど、
どうせならもっとそれを駆使したバトルも入れて欲しかった(笑)

この惑星の何がノイズを生じさせるのか。
なんで男性だけにしか表れないのか。
トッドは今まで一度も女性を見たことがないのに、
なぜヴァイオラを好きになれるのか。
それに加えて、先住民のスパクルの出番の少なさ。
いろいろツッコミどころが気になってしまうぐらいには、
あまり作品に引き込まれず(笑)

総じて、中途半端なまま終わってしまったかなあ。。。
特に、メインの3人は過去に出ていた映画が超大作すぎるがゆえに、
どうしてもそれと比べてしまうよね。。。

ただ、『スター・ウォーズ』でずっと黒髪だったデイジー・リドリーの
初めてのブロンド姿を拝めたのは新鮮だった。

映画『カオス・ウォーキング』公式サイト

絶賛公開中 『ボーン・アイデンティティー』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ダグ・リーマン監督最新作! 豪華スタッフ・キャストが放つ新感覚...

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予想もつかない展開の中で、黒人が虐げられてきた歴史を紐解いた『アンテベラム』

2021年11月16日 00時07分47秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:151/243
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
スリラー
人種差別
黒人奴隷
南北戦争

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
奴隷制度を信奉する南軍の旗が掲げられたアメリカ南部のプランテーション。
ここに囚われの身となったエデン(ジャネール・モネイ)は、
過酷な労働を強いられていた。
脱走を試みた者は監視役に殺され、
焼却炉で処分される。
自由に言葉を発することも禁じられたエデンは、
屈辱と恐怖の日々を耐え忍び、
脱出のチャンスをうかがっていた。
やがてある悲劇をきっかけに、
エデンは奴隷仲間の男性イーライ(トンガイ・キリサ)と共に脱走計画を実行する。

そこから150年後の現代。
リベラル派として知られるベストセラー作家のヴェロニカ(ジャネール・モネイ)は、
心優しい夫、幼い娘と幸せに暮らしていた。
ある日、エリザベス(ジェナ・マローン)と名乗る女性のオンライン取材をこなした彼女は、
講演会のために単身ニューオーリンズを訪れる。
力強いスピーチで拍手喝采を浴びたヴェロニカは、
現地で合流した親友らと高級レストランでのディナーに繰り出す。
しかしその行く手には、
公私共に順風満帆なヴェロニカを奈落の底へと突き落とす恐ろしい罠が待ち受けていた……。

まったく異なる境遇を生きるエデンとヴェロニカ。
果たして、彼女たちを脅かす得体の知れないものの正体とは何なのか。
そして、ヴェロニカとエデンが生き延びるために
解き明かさなくてはならないものとは……?

【感想】
『ゲット・アウト』、『アス』のプロデューサーが放つパラドックス・スリラー。
本当に最後の最後まで「???」で。
オチを知ってようやく全貌がわかる。

そもそも、タイトルの"アンテベラム"とは、
ラテン語で「戦前」を意味する言葉で、
特にアメリカでは「南北戦争以前」を指すそう。
その言葉通り、
エデンが暮らす時代はまさにそのときで、
彼女はプランテーション(大規模農園)で奴隷として扱われていた。
奴隷は厳しい管理下に置かれ、
自由に話すことすら許されない。
なお、映画では描かれていないけど、
実際には脱走させないために両足を切り落としたり、
労働力増加のために黒人女性をレイプして子供を産ませたりと、
惨たらしい実態があったそう。

一方で、ヴェロニカは社会的地位もあるベストセラー作家。
エデンのいた時代とは大きく異なり、
黒人女性でも発言力を持ち、
世の中に影響を与えることができる現代を華々しく生きる存在だ。
「時代は変わったな~」と思っていた矢先、
差別ではないけれど、
少し失礼な扱いを受けるシーンがある。
それを見て、
「いまだに黒人が下に見られてしまう土壌があるのではないか」と思うのだ。

なぜこういうことが起きるのか。
それを紐解いていくと、
南北戦争時代における黒人の奴隷制度があったからではないかと、
この映画を観て感じる。
当時もリンカーン大統領によって奴隷解放宣言はなされたものの、
黒人への差別は今日まで続いている。
「差別はよくない」と至るところで教えられるはずなのに、
150年経っても消えやしないのだ。
その思想が遺伝子に刻み込まれているんじゃないかと思うぐらい。
この映画は、黒人が虐げられた歴史に再び光を当て、
現代までそれが残っているというメッセージを伝えている。

ヒューマンドラマっぽいけど、
映画としてはあくまでもスリラー。
それは、エデンとヴェロニカの関係性がポイント。
この2人がどうリンクしていくのかっていうのを、
あれこれ頭の中で予想しながら観るのが楽しい。
そこは『ゲット・アウト』と『アス』の流れを汲んでるね。

予告はちょっとホラーっぽさ出してるけど、
全然怖くない。
最後のオチまで知って、
ようやく面白さがわかる映画。
でもなあ、ネタバレできないので主語を書けないのだけど、
何の目的があってこうしたのかが、
作中では一切語られずにモヤモヤする。
アンチの嫌がらせなのかな。

それにしても、ハリウッド映画は黒人差別を描いた作品が多いけど、
アジア人だってだいぶバカにされてきた歴史があるんじゃないかって思うのよ。
映画で見かけないのはなんでだろうか。

『アンテベラム』公式サイト

『ゲット・アウト』『アス』のプロデューサーが放つパラドックス・スリラー

『アンテベラム』公式サイト

 

真実を追うドキュメンタリーディレクターが真実を隠そうとする矛盾を描いた『由宇子の天秤』

2021年11月14日 23時27分49秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:119/242
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ヒューマンドラマ
ドキュメンタリー制作
性犯罪

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件を追う
ドキュメンタリーディレクターの由宇子(瀧内公美)は、
テレビ局の方針と対立を繰り返しながらも、
事件の真相に迫りつつあった。

そんなとき、学習塾を経営する父(光石研)から思いもよらぬ
"衝撃の事実"を聞かされる。
大切なものを守りたい、
しかし、それは同時に自分の「正義」を揺るがすことになる―。

果たして「"正しさ"とは何なのか?」。
常に真実を明らかにしたいという信念に突き動かされてきた由宇子は、
究極の選択を迫られる…。

ドキュメンタリーディレクターとしての自分と、
一人の人間としての自分。
その狭間で激しく揺れ動き、
迷い苦しみながらもドキュメンタリーを世に送り出すべく突き進む由宇子。
彼女を最後に待ち受けていたものとは―?

【感想】
なかなかにダークな雰囲気が漂うヒューマンドラマ。
真実を追い求める立場にある人が、
自ら真実を隠そうとする設定がおもろかった。

あらすじにもある通り、
この映画を観て思うのが、
"正しさ"とは何なのかということ。
ドキュメンタリーディレクターとして働く由宇子は、
当然仕事では真実を追い求める立場だ。
女子高生のいじめ自殺事件は、
その背景に亡くなった被害者が学校の教師と関係を持ってしまった事実がある。

由宇子は生徒側と教師側、
両方からの取材を元に、
真実をありのままに伝えようと奔走する。
彼女が言った
「どちらの味方にもつけないけれど、光を当てることはできる」という、
あくまでも中立を守ろうとする姿勢は、
ドキュメンタリー制作者としてのプロ意識を感じるところだ。

ただ、テレビ局側はより話題性を持たせたいのか、
編集の仕方に口を挟むのだが、
それは真実を捻じ曲げることになりかねない。
だから常々、由宇子はテレビ局と対立していた。

ところが、由宇子は父親からある事実を聞かされることで、
自身の「真実の追求」という姿勢に揺らぎが生じる。
他人のことに関しては、
あれだけ真実に対してストイックになれたのに、
いざ自分の身に降りかかると、
そうも言ってられない。

もし、父親の告げた内容が公になったら、
自分も父親も、
経営する学習塾も、
そこに通う生徒も、
由宇子の作る番組も、
それに関わったスタッフも、
みんなが不幸になってしまう。
真実を公表することによって失うものがあまりにも大きすぎるのだ。

ここはものすごく人間臭いところ。
他人に対しては、どれだけ偉そうなこと、
調子のいいことを言えても、
いざ自分が同じ立場になると、
途端に静かになってしまう人はけっこういる。
別に悪いことではない。
人間誰しも自分が一番かわいいから。
そんなことを嫌でも考えさせられる映画。

その流れの中で、
本作では"4つの衝撃"が待ち受けている。
いや、数は人によって違うかもしれないけど(笑)
暗く重く静かに進んで行く中で、
次々と発覚する事実から受ける衝撃は、
この映画の見どころかと。

あと、キャストの演技も素晴らしい。
特に、瀧内公美と光石研は、
いろんなドラマや映画で拝見しているけれど、
コメディな役もシリアスな役も幅広く演じられて、
好きな役者さん方です。

映画『由宇子の天秤』オフィシャルサイト

映画『由宇子の天秤』オフィシャルサイト

 

脅威の4時間34分!ボストン市役所の仕事と街の人々を映したドキュメンタリー『ボストン市庁舎』

2021年11月14日 22時19分16秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:130/241
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:☆☆☆☆☆(作品としてのBGMなし)
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ドキュメンタリー
市役所
公務員
行政

【元になった出来事や原作・過去作など】
・ランドマーク
 ボストン市庁舎

【あらすじ】
多様な人種・文化が共存する大都市ボストンを率いるのは、
アイルランド移民のルーツを持つ労働者階級出身の
マーティン・ウォルシュ市長(2021年3月23日よりアメリカ合衆国労働長官に就任)。

2018~19年当時のアメリカを覆う分断化の中、
「ここではアメリカ合衆国の問題を解決できません。
 しかし、ひとつの都市が変われば、その衝撃が国を変えてゆくのです。」
と語る市長と市職員たちの挑戦を通して
「市民のための市役所」の可能性が見えてくる。

それはコロナ禍で激変する日本社会に暮らす私たちにもますます切実な問題だ。
私たちが知る<お役所仕事>という言葉からは想像もできない、
ひとつひとつが驚きとユーモアと問題提起に満ちた場面の数々。
ボストン市庁舎を通して
「人々が共に幸せに暮らしていくために、なぜ行政が必要なのか」
を紐解きながら、
いつの間にかアメリカ民主主義の根幹が見えてくるドキュメンタリー。

【感想】
まず、長い(笑)
4時間半以上って、
今まで観た映像作品の中で一番長い。

ただ、内容はとても興味深かった!
ボストン市庁舎での仕事の舞台裏を淡々と映していくのだけど、
「こんなこともするの?!」という驚きの数々。
いや、日本の区役所とかももしかしたらやってるかもしれないけど、
基本引っ越したときぐらいにしか利用しないからな。。。

とにかく、業務が多岐に渡りすぎてる。
警察、消防、保健衛生、
高齢者支援、出生、結婚、死亡記録など、
数百種類ものサービスを提供しているのだ。

でも、いわゆるたらい回しやシステマチックな対応とは程遠い、
人情に満ちたやり取りに心温まることも多い。
同性婚の誓いの言葉を取り仕切ったり、
駐車違反の取り締まりをしたかと思えば、
のっぴきならぬ事情を鑑みて、
違反切符を免除したりと。

他にも以下のような対応を行っていた。
・再開発に伴う立ち退きの防止策の案出し
・新しく立つ分譲物件の構造チェック
・ラテン系人種の就職支援
・有色人種の格差是正
・学校の定員を増やすべく、校舎新設の検討
・大麻ショップを開きたいアジア人オーナーと近隣住民の意見交換の場の取り仕切り
・街中に設置された監視カメラをウォッチして、交通量のチェック
・ラテン系女性の賃金を白人男性と同等にするためのシンポジウムの開催
・鳩を狩りにきた鷹の様子がおかしいという住民の対応
などなど。

もうね、「市民が快適に暮らすためのあらゆる業務」を請け負う
“何でも屋さん”みたいな印象。
日本だったら、「それどこに問い合わせればいいの?」みたいなのが、
まるっと市庁舎へ。
「何があったら311に連絡を。僕にも繋がるから」
という市長の漢気溢れる対応。

このドキュメンタリーを観て気づくのは、
様々な格差是正のための話し合いの場が設けられていたこと。
初めて知ったんだけど、
ボストンって2014年は貧富の差第1位だったらしい。
アメリカの中でなのか、
マサチューセッツ州の中でかは忘れてしまったけど。
しかも、白人の純資産の中央値が24.7万ドルに対して、
黒人が8ドルとか。

ボストンって移民も多いらしく、
そういう人種的な格差、
性別的な格差もあり、
日本とは比べものにならないほどの多様性がそこにはあった。
というか、基本単一民族の日本がどこまで多様性を叫んでも、
海外と比べてしまったら、
だいぶ事情が違うよなとも思ったけど。

そんな中で、
「市長の仕事は市民に扉を開いてやることだ」と言い、
市をよくすることで、
ゆくゆくは国そのもをよくしようと、
市民からの要望には目を通し、
様々なイベントに顔を出す市長の働きぶりがすごい。

ボストン市庁舎の仕事の舞台裏に興味があるなら観てもいいかも。
ただ、4時間半以上あるのと、
基本的にシーンが変わっても、
今ここにいるのは誰で、
何の話をしているのかの説明がないから、
ややわかりづらい部分はある(笑)

映画『ボストン市庁舎』オフィシャルサイト

映画『ボストン市庁舎』オフィシャルサイト

 

満身創痍すぎる2人のラブストーリー『恋する寄生虫』

2021年11月13日 20時11分55秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:224/240
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★☆☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【要素】
ラブストーリー
寄生虫
潔癖症
視線恐怖症

【元になった出来事や原作・過去作など】
・小説
 三秋縋『恋する寄生虫』(2016)

【あらすじ】
極度の潔癖症で人と関わることができずに生きてきた
青年・高坂賢吾(林遣都)。
ある日、見知らぬ男から視線恐怖症で
不登校の高校生・佐薙ひじり(小松菜奈)と友達になって面倒をみてほしい、
という奇妙な依頼を受ける。

露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だったが、
それが自分の弱さを隠すためだと気づき、
共感を抱くようになる。
世界の終わりを願っていたはずの孤独な2人はやがて惹かれ合い、
恋に落ちていくが———。

【感想】
原作は読んでないけれど、
設定が面白いラブストーリーだった。
極度の潔癖症の男の子と、
視線恐怖症の女の子。
いずれもまともな社会生活は送りづらい。
その中で、どうやって2人は仲を深めていくのか、
興味深い内容。

2人は常に精神的に満身創痍状態。
高坂は自分以外のすべてが汚く見えて、
我慢の限界を超えると吐いちゃう。
ひじりも他人の視線が怖くて、
まともに人とコミュニケーションが取れない。
これだと常に精神的にまいるよね。。。
こうやって社会生活が送りづらい状況というのは、
社会から拒絶されているに等しいのかもしれない。
だから、2人はこの世界の終わりを願っていた。
「もう生きづらいし、みんな死ね!」みたいな(笑)

設定としては普通のラブストーリーとだいぶ異なるよね。
異なるけど、個人的にはあまりハマらなかったのも事実。。。

それは2人の関係性が、
視覚的にわかりづらかったから。
2人が同様に社会から拒絶された存在で、
それ故に惹かれ合うっていうのはわかる。
でも、その繋がりに喜びを感じたり、
幸せな日々を送ったりするシーンがあまりなく、
お互いに本当に必要だったのかなっていう気がしてしまう。
もちろん、状況的にお互いに惹かれ合う理由はわかるけど、
恋愛的な絡みが少ない。
ラブストーリーよりも、
友情物語の方がまだわかりやすいかなって気さえしたんだよなー。
ネタバレになるから書けないけど、
寄生虫のくだりもツッコミどころアリで(笑)

原作はどうなのかわからないけど、
映画は設定や雰囲気に寄りすぎて、
肝心の人間ドラマが物足りなかった印象かな。
終わり方もだいぶ謎だったし。

『恋する寄生虫』|大ヒット上映中!

林遣都×小松菜奈、W主演!三秋縋の「恋する寄生虫」を原案とした映画化!孤独を抱えた者同士の、切なくとも美しいラブストーリー!

『恋する寄生虫』|大ヒット上映中!

 

ギャングに憧れた少年がやがてギャングになり、犯罪の限りを尽くす伝記映画『グッドフェローズ』

2021年11月13日 18時34分45秒 | 映画


【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:7/18
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【要素】
伝記映画
ヒューマンドラマ
ギャング
犯罪

【元になった出来事や原作・過去作など】
・人物(ギャングスター)
 ヘンリー・ヒル(1943~2012)

・ノンフィクション
 ニコラス・ピレッジ"Wiseguy: Life in a Mafia Family"(1985)

【あらすじ】
1955年、ブルックリンの貧しい界隈に育ったヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)は、
ギャングの世界に憧れていた。
12才から地元のボス、
ポーリー(ポール・ソルヴィノ)の下で働き始めたヘンリーは、
やがてトラック強奪専門のジミー(ロバート・デ・ニーロ)、
強盗と殺しが得意なトミー(ジョー・ペシ)と共に、
闇煙草の密売、クレジットカード偽造、
違法賭博、ノミ行為、八百長試合の手配など、
あらゆる犯罪に手を染めていく―。

【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1990年のアメリカ映画。

ヘンリー・ヒルという実在したギャングの半生を描いた伝記作品。
かつてギャングに憧れた少年が、
少しずつその世界に足を踏み入れていき、
立派なギャングに育っていく話。
犯罪映画ではあるけど、
アクションよりもドラマ寄り。
ヘンリーがどういう人生を歩んでいくのかっていう好奇心が掻き立てられて、
メチャクチャ面白かった。

見栄とメンツと金と欲望にまみれた、
一般人からしたら非日常の世界で、
それだけで興味がそそられる。
ストーリー自体は、
彼らの犯罪行為の羅列みたいなもんで、
淡々としている印象もあるけれど、
とにかくキャラクターがすごくよかった。
その中で、ヘンリー、ジミー、トミーの3人が
凄まじい印象を残してくれる。

ヘンリーは、ギャングに憧れてギャングになった経緯もあってか、
様々な犯罪行為に手を染めるものの、
そこまで悪人な感じはしなかった。
まあ、途中からシャブ中になって様子がおかしくなってたけど、
あくまでもギャングの中ではまともな方。
演じたレイ・リオッタがこのとき35歳なんだけど、、、
いやー、それであの雰囲気はすごいね。

ロバート・デ・ニーロ演じるジミーは、
もう圧倒的な存在感。
この頃のロバート・デ・ニーロってギャング役が目立つけど、
全身から放つ"やべぇやつ"感がハンパなくて。
最近は、茶目っ気のあるおじいちゃん役が多いけど、
当時のロバート・デ・ニーロの渋さは憧れる。

個人的に一番ヤバいなと思ったのが、
ジョー・ぺシ演じるトミー。
彼は身長158cmと小柄ながらも、
この映画の中において最も手のつけられない存在だった。
とにかくキレやすい。
気に入らないやつがいたら、
相手が誰であろうとおかまいなしにすぐに殺しちゃう。
罪のない一般人でさえも。
あのキレやすさと容赦のなさは、
絶対お近づきになりたくない(笑)

まあ、結局、
一番危険人物だったのはジミーなんだけどね。
自らを守るために、
平気で仲間を手にかけるから。

あと、この映画を観て思ったのは、
ギャングって本当に閉じたコミュニティだということ。
何をするにしてもいつもいっしょ。
犯罪はもちろんのこと、
プライベートのパーティーや旅行なども。
家族、ファミリーみたいなもんなんだよね。
その結束の強さが魅力でもあるんだけど、
息が詰まったときはどうするんだろうって思う。
ヘンリーの妻になったカレン(ロレイン・ブラッコ)は当初、
ギャングのママ友会に参加したとき、
あまりにも常識が違いすぎて気が狂いそうになってたから。
まあ、朱に交われば赤くなるではないけど、
結局彼女も染まっていったけどね。

それにしても、こういう映画を観て毎回思うのが、
タバコと酒の価値の高さ。
賄賂や差し入れにおいて、
現金もそうだけど、
必ずタバコと酒が出てくる。
そんなに欲しいものなのか。
僕だったらまったくうれしくないけど(笑)

日本のヤクザ映画も楽しめるけど、
海外のギャングやマフィアの方が、
より渋さや漢気が強く描かれていてかっこよく感じる。

ちなみに、サミュエル・L・ジャクソンやトビン・ベル(『ソウ』シリーズのジグソウ)が
チョイ役で出てるのもポイント(笑)
ヴィンセント・ギャロもエキストラで出ていたらしいけど、
発見できず。

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

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