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SNS社会を舞台にした、優しい嘘から始まるミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』

2021年11月29日 01時31分35秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:95/253
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ミュージカル
ヒューマンドラマ
社交不安障害
嘘から始まる物語

【元になった出来事や原作・過去作など】
・舞台
 『ディア・エヴァン・ハンセン』(2015)

【あらすじ】
エヴァン・ハンセン(ベン・プラット)は社交不安障害があり、
学校に友達もなく、
家族にも心を開けずにいた。

ある日彼は、
その障害のセラピーの一環で、
自分宛てに書いた“Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)”から始まる手紙を、
同級生のコナー(コルトン・ライアン)に持ち去られてしまう。
それは、誰にも見られたくないエヴァンの「心の声」が書かれた手紙。

後日、校長から呼び出されたエヴァンは、
コナーが自ら命を絶った事を知らされる。
悲しみに暮れるコナーの両親は、
彼が持っていた〈手紙〉を見つけ、
息子とエヴァンが親友だったと思い込む。
彼らをこれ以上苦しめたくないエヴァンは、
思わず話を合わせてしまう。
そして、促されるままに語った“ありもしないコナーとの思い出”は、
両親に留まらず周囲の心を打ち勇気を与え、
SNSを通じて世界中に広がっていく。

思いがけず人気者になったエヴァンは戸惑いながらも充実した学校生活を送るが、
〈思いやりでついた嘘〉は彼の人生を大きく動かし、
やがて事態は思いもよらぬ方向に進む—。

【感想】
ちょっと期待値を上げすぎたかなという印象(笑)
楽曲を『ラ・ラ・ランド』や
『グレイテスト・ショーマン』を手がけた人がやるってんでね。

確かにミュージカルではあるんだけど、
一般的に想像されるような、
そこらへんの通行人を巻き込んでの群舞ってのはない。
基本はソロ、たまにデュエットで、
セリフにリズムを乗せたものが多いかな。
いわゆる、「ザ・歌」みたいなのとか大合唱的なものは、
メインテーマの“You Will Be Found”ぐらい。

ストーリーはよかった。
SNS社会を舞台に、
自殺した同級生の両親のために、
「彼とは親友でした!」と嘘をつき、
証拠まで捏造したものの、
あることがきっかけで思いもよらぬ展開になっていくというもの。
特に、エヴァンの名スピーチの拡散と共に、
メインテーマが流れる演出は多くの人にとっては感動的に映るかもしれない。

が、しかし。

結局は嘘だからさ。
「よくもまあこんなペラペラとそれっぽいこと言えるな」と、
僕はやや白々しい目で見てしまった(笑)
エヴァン自身も社交不安障害で、
人とうまくコミュニケーションが取れない人なので、
そこで感じる孤独などを通して、
自殺したコナーに対する深い同情があったかもしれない。
そして、「人はひとりじゃない」ということも、
女手ひとつで育ててくれた母親や、
密かに想いを寄せるゾーイ(ケイトリン・デバー)の存在から感じていたのかもしれない。
でも、すべては嘘だから、ほぼ共感できなかったなあ。

そもそもコナーの両親がね、
エヴァンの話をろくに聞かずに、
自分たちの都合のいいように捉えて
話をどんどん進めてしまうのもどうかと思った。
コナー自身もまた嫌なところがある人物でね。
そんな人と親友ですなんて嘘、
つきたくもないかな(笑)

題材や話の展開は面白かったけど、
個人的にはキャラクターにあまり引き込まれなかったなー。

なお、主人公のエヴァンを演じたベン・プラットは、
オリジナルの舞台版でもエヴァン役を演じてます。

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』| 11月26日公開

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』| 11月26日公開

 


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