【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
配給:DLE
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:81/123
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★☆☆☆
音楽:★★☆☆☆
【あらすじ】
広告代理店に勤める新田康介(森崎ウィン)は
『妖怪人間ベム』のDVD-BOXの仕事の関係で、
偶然にも幻の最終回を目にしてしまう。
その衝撃の結末に狂いそうになる新田だが、
同時にベラに異様な興味を示す。
ちょうどその頃、とある女子高に百合ヶ崎ベラ(emma)が転校してくる。
彼女の独特な美貌に興味を抱いた同級生たちの精神は
得体のしれない狂気に蝕まれていく。
執拗にベラを追う新田も徐々に狂気的な行動が目立つようになっていき、
家族との間にも不穏な空気が流れるように。
そしていつしか"強さ"を求めるようになっていく。
やがて訪れる新田とベラとの出会い。
2人の運命はどうなっていくのか。
・
【感想】
1968年に放送された伝説的アニメ『妖怪人間ベム』シリーズの最新作。
2011年に亀梨和也主演でドラマ化・映画化されていたけど、
アニメ共々観てないんだよね。
でも大丈夫。
これは完全に新作で特に話がつながっているわけではないから。
しかし、なんか惜しい。。。
惜しい映画だった。。。
・
かつて生物兵器の実験場から逃げ出したベラが、
女子高生として生活しているっていう現代的な設定は面白いし、
ベラを演じたemmaのいい意味で常人離れした顔立ちもベラにマッチしてた。
ベム・ベラ・ベロに起こった過去も悲しみが深くて、
いい人間ドラマになりそうな感じだった。
ただ、気になる点が多くてね。。。
まず、もともとの世界観に腹落ちできず(笑)
『妖怪人間ベム』のアニメは存在していて、
それでいて妖怪人間たちも実在しているっていう。
例えば、妖怪人間が都市伝説としてあって、
それを元にアニメを制作したとかっていう繋がりがあるならだましも、
特にそういうのがないから、
虚構と現実のバランスが何かしっくりこなかった。
次に、新田の行動。
彼は幻の最終回を観たことでベラに興味を示し、
彼女を追っていく過程で精神に異常をきたすのだけど、
その理由がいまいちわからない。
「強くなりたかった」って言ってるけど、
そうなる背景も語られていないから、
唐突感しかなくて共感できず。
せめて、家族が暴漢に襲われて
それを守り切れなかったことを悔やんでいる
みたいな設定がひとつでもあれば違ったかも。
そして、B級ホラー並みの演出。
「どう考えてもそうはならないだろw」
っていうレベルでの殺傷・殺人行為がわざとらしすぎて笑ってしまう(笑)
無理矢理スプラッター感を入れ込んだ印象しかない。
あと、プレステ2のゲーム並みのCGクオリティがね。。。(笑)
妖怪化したキャラクターのCGが
実写と組み合わせるにはかなりクオリティが低くて、
これもちょっと笑っちゃった(笑)
ここは変にCGにするのではなく、
かつてのドラマ版みたいに
着ぐるみにした方がまだよかったんじゃないかな。。。
でも、精神が崩壊した森崎ウィンの演技は圧巻だったし、
それ以上に桜田ひよりのイカれた役が衝撃的なのがよかった。
彼女はこれまでのドラマや映画を観る限りは、
ごくごく普通のかわいい女子学生の役が多かったんだけど、
今回は同級生に歪んだ愛情を持つ役で、
猟奇的な殺人シーンをはじめとした数々の問題行動は見ものだった。
ただ、彼女の行く末が宙ぶらりんのまま終わってしまったのは残念。
総合すると、設定自体はよかったしキャストの演技も素晴らしかったけど、
話のつながりや演出で気になるところが多すぎたのがもったいなかったなーって。
シンプルにベラが学校のトラブルに対峙していくような話の方が
面白そうだなって思ったんだけど、
まさにそんな感じのドラマがこの映画の前日譚を描いた
『妖怪人間ベラ~Episode0(ゼロ)~』として配信されていて!
映画観た後にこのドラマの存在を知って今観てるんだけど、
女子高生の闇全開でみんなイっちゃっててすんごく面白いわ
(かなりグロいけどw)。
これはドラマと映画をセットで観た方がいいね。
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