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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

水俣病患者のリアルな姿に痛ましさを感じつつ、日本人としてそれを風化させてはいけないと感じた『MINAMATA―ミナマタ―』

2021年09月25日 21時23分42秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:35/197
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
史実に基づく物語
水俣病
写真家

【あらすじ】
1971年、ニューヨーク。
アメリカを代表する写真家の1人と称えられた
ユージン・スミス(ジョニー・デップ)は、
今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。

そんなとき、アイリーン(美波)と名乗る女性から、
熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す
有害物質によって苦しむ人々を撮影して欲しいと頼まれる。

水銀に冒され、
歩くことも話すことも出来ない子供たち、
激化する抗議運動、
それを力で押さえつける工場側。
そんな光景に驚きながらも、
冷静にシャッターを切り続けるユージンだったが、
あることがきっかけで自身も危険な反撃に遭う。

追い詰められたユージンは、
水俣病と共に生きる人々にある提案をし、
彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。

【感想】
「水俣病」にまつわる映画。
これは日本人として観ておいた方がいいと思った。

僕が小学生の頃、
社会の授業で初めて習った「四大公害病」。
水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく。
その水俣病患者を撮影した
アメリカ人写真家ユージン・スミスに焦点を当てた映画が本作である。
ウィキペディアを見る限り、
実際のエピソードと異なる点はあるものの、
大まかな流れは同じっぽい。

飲んだくれで自分勝手な印象を受けるユージン。
ただ、写真の腕前は確か。
その腕を見込まれて、
彼は水俣病患者を撮り続ける。

わざわざ遠い異国の地からの来日。
水俣病の原因を作ったチッソ株式会社からの妨害もある。
そんな中、一時は撮影を投げ出そうとするユージン。
しかし、懸命に戦おうとする被害者たちの姿を見て、
彼らの力になりたいと申し出るシーンは印象的だ。
「写真は撮る者の魂も奪う。だから、本気で撮らなきゃいけない」
そう語ってきた彼の覚悟の強さがよく伝わってくる。

ユージンのキャラクターも素晴らしいけど、
やはりこの映画で強く心に残るのは、
水俣病患者たちの姿だろう。
特殊メイクか何かかな。
小学校のとき、
教科書で見た写真のまま、
リアルに再現された姿はとても痛ましい。

また、劇中に出てくる写真の中には、
実際にユージンが撮影されたものもある。
特に「入浴する智子と母」の再現シーンは、
映画を観終わった後に実際の写真と見比べて、
その再現度の高さに驚いた。

終盤における、
被害者たちのチッソ社に対する
抗議シーンも見どころのひとつ。
ここでユージンはチッソ社の社員から暴行を受けてしまう。
映画では触れられていないけど、
実際彼はここで、
コンクリートに激しく打ちつけられて脊椎を折られ、
片目を失明する重傷を負ったそうだ。
それでも彼は相手を恨むことをせず、
その後も撮影を続けたとか。

エンドクレジットでは、
世界各地の公害病の写真が映し出される。
水銀、殺虫剤、サリドマイドなど、
その被害に遭った方々の写真は心が痛んだ。

全体的に淡々と進む映画ではあるけれど、
写真展を訪れているかのような雰囲気がある。
いまだに政府やチッソ社から
十分な対応を受けられていないようだけれど、
日本人にも広く知られている公害病なだけに、
これはぜひ観ていただきたいなと思った。
むしろ、小学生の社会の授業で観たかった。

映画『MINAMATA―ミナマター』公式サイト

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映画『MINAMATA (原題)』公式サイト

 


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