Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

望まぬ妊娠をした少女の苦悩と中絶を描いた『17歳の瞳に映る世界』

2021年07月22日 12時28分46秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:63/144
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ロードムービー
未成年の妊娠
中絶

【あらすじ】
ペンシルベニア州に住むオータム(シドニー・フラニガン)は、
愛想がなく、
友達も少ない17歳の高校生。
ある日、オータムは予期せず妊娠していたことを知る。

ペンシルベニア州では、
未成年者は両親の同意がなければ
中絶手術を受けることができない。
同じスーパーでアルバイトをしている、
いとこであり唯一の親友スカイラー(タリラ・ライダー)は、
オータムの異変に気づき、
2人で事態を解決するため、
ニューヨークへ向かう……。

【感想】
題材的に男性目線で迂闊なことは言えない映画。
だけど、あくまでも作品としては興味深く、
引き込まれる世界観だった。

全体的に暗く、静かで、
淡々と進んでいくので、
そこにロマンチックさやドラスティックさはないのだけれど、
本作はいろいろリアルというか、
生々しいのが特徴的。

例えば、妊娠検査薬を使うところも、
日本のドラマや映画だったら、
トイレに入るところと出てくるところしか描かないけれど、
本作では採尿のところまできっちり描く。
また、「中絶は胎児に対する暴力だ」という啓蒙ビデオを見せたり、
中絶手術の方法まで細かくセリフとして言ってしまうところは、
ある意味学びにもなる。
オータムが体調を悪くして吐いたり、
出血したりする描写もあるから、
より妊娠や中絶の苦悩や体への負担というものが伝わってくる。

そういうのが、この映画を見ごたえあるものに見せていると感じるんだよね。
若い子の望まぬ妊娠からの中絶っていうのは、
作品としては過去にもあっただろうけど、
単にその苦労や疲労を描くだけだと、
ありきたりすぎて退屈なものになってしまったかもしれない。

ただなー、邦題がちょっと微妙な気がして。。。
原題は"Never Rarely Sometimes Always"。
これ、オータムが手術前に受ける問診の回答の選択肢なんだよね。
この映画、一貫して、
妊娠させた相手については言及していないんだけど、
勘のいい人なら気づくと思うし、
上記の問いで、
彼女がどんな状況だったかも察することができる。
そういう意味で、この映画のタイトルの肝になる部分。

『17歳の瞳に映る世界』だと、
オータムの目を通して見た世の中全般っていう印象を受けがちだけど、
そういう感じでもなかったんだよな。
あくまでも、彼女自信の中絶の話で、
メインはオータムといとこのスカイラー、
あとは移動中に知り合った男の子がちょろっといるぐらいだから。
"世界"ってほど広くはない。
だから、あんまりタイトルに引っ張られて欲しくないってのはある。

日本だとこういう映画、最近見ないなー。
少なくとも最近は。
これは、日本は性教育が遅れていると言われていることと
関係がないとも言い切れないと思う。
今はどちらかと言うと、
ある程度年齢を重ねてからの出産を扱った作品の方が散見されるかなー。

海外と比べて、
日本の未成年の性行為がどうだかってのはわからないけど、
男女問わず若い子は観てもいい映画かも。

『17歳の瞳に映る世界』公式サイト 7月16日TOHOシネマズ シャンテほか全国公開!

『17歳の瞳に映る世界』公式サイト 7月16日TOHOシネマズ シャンテほか全国公開!

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿