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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

最強のスーツとマシンを手にした探偵映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』

2022年03月11日 18時19分10秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:6/40
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★

【ジャンル】
スーパーヒーロー
DC
サスペンス
スリラー
アクション

【原作・過去作、元になった出来事】
・漫画
 『バットマン』(1939-)

・映画
 『バットマン』シリーズ(1989-1997)
 「ダークナイト・トリロジー」(2005-2012)
  DCエクステンデッド・ユニバース(2016-)

その他、テレビドラマ、アニメ、ゲームなど。

【あらすじ】
優しくもミステリアスな青年ブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)。
悪と敵対する"バットマン"になって2年が過ぎた。

ある日、権力者を標的とした連続殺人事件が発生。
犯人を名乗るリドラー(ポール・ダノ)は、
犯行の際に必ず"なぞなぞ"を残していく。
警察や世界一の名探偵でもあるブルースを挑発する
史上最狂の知能犯リドラーが残した最後のメッセージは――

「次の犠牲者はバットマン」

社会や人間が隠してきた嘘を暴き、
世界を恐怖に陥れるリドラーを前に、
ブルースの良心は狂気に変貌していく。
リドラーが犯行を繰り返す目的とは一体――?

【感想】
バットマンが単独主人公の実写映画としては累計で第8作目。
とはいえ、過去作との繋がりは一切ないので、
本作がバットマンデビューだとしても問題なし。

◆これは探偵映画です

バットマン自身は歴史あるスーパーヒーロー。
でも、この映画がスーパーヒーロー映画かと言うと、
そうではない。
スーパーヒーロー映画って、
特殊能力を持ったヒーローたちが、
敵と壮大な戦いを繰り広げるっていう流れがメイン。
個人的には、
敵とド派手なバトルを繰り広げる話の方が
爽快感あって好きなんだけど、
今回のバットマンは全然違って。
ヴィランがなぞなぞを出してくる
リドラーっていうこともあってか、
従来のように敵を倒す話ではなく、
謎を解いて犯人を捜す探偵映画だったのよ。
持ち前の圧倒的な知識と観察力を駆使しながら、
犯人を追いかけていくサスペンススリラー。
これまで敵とガチバトルを繰り広げることが多かった
バットマンと大きく違うから、
好みは分かれるかもしれない。

◆若くて暗い新卒2年目のバットマン

本作ではバットマンが現れて2年が過ぎた時期。
バットマンことブルース・ウェインの設定としては、
億万長者、慈善家、プレイボーイと三拍子揃った人物。
マーベルのトニー・スタークを思わせるんだけど、
本作ではこれまでのブルース・ウェインの中で一番暗い。
もともとバットマンの世界観って、
腐敗して治安が悪すぎる
ゴッサム・シティが舞台ってこともあって、
作品全体としてどんよりしてるんだけど、
それを差し引いても暗すぎる。
作中、一度も笑顔を見せないし。
きっと、バットマンになってまだ2年だから、
心の余裕がないのかもしれない。

でも、そこが今回のブルース・ウェインの魅力かなとも思う。
殺された両親の復讐もまだ胸に秘めつつ、
姿が見えないリドラーから次々に出されるなぞなぞに苦戦。
どんどん増えていく犠牲者と、
改めて痛感するゴッサム・シティの腐敗っぷり。
そんな辛い中でもあきらめずに犯人を追い続けられるのは、
まだ若さがあるからかも。

◆実在の殺人犯をモデルにしたリドラー

今回のヴィランであるリドラー。
かつて『バットマン フォーエヴァー』(1995)では
ジム・キャリーがコミカルな演技を見せていたけど、
本作ではシリアスで凶悪な殺人犯。
アメリカで実際に起こった
現在でも未解決の"ゾディアック事件"の犯人像を
モデルにしているらしい。

彼はゴッサム・シティの市長をはじめ、
正義のシンボルとされている人たちを次々に殺していく。
なぜなら、正義だと思われていた彼らこそ、
裏では正反対のことをやっていたから。
リドラー自身、
幼い頃に嘘や裏切りに絶望した経験がある。
だから、今回の殺人にはリドラーの想いや、
社会の歪みを正そうとする
彼なりの正義があったのかもって考えると、
バットマンという作品の深さも感じる。

◆そんなわけで

敵をボコボコにするスーパーヒーロー映画を想像していくと、
だいぶ方向性が違うことに驚くかもしれない。
でも、ゴッサム・シティの闇を正そうとするバットマンの、
苦悩しながらも奮闘する探偵映画としてとても面白かった。
『アヴェ・マリア』をメインに添えたBGMもよかったし、
ぜひ映画館で観て欲しい作品。



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