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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

主人公の板挟みされる立場に同情する人が多そうな『決戦は日曜日』

2022年01月09日 19時19分01秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:2/2
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【ジャンル】
コメディ
政治

【原作・過去作、元になった出来事】
なし

【あらすじ】
とある地方都市。
谷村勉(窪田正孝)はこの地に強い地盤を持ち、
当選を続ける衆議院議員・川島昌平の私設秘書。
秘書として経験も積んで中堅となり、
仕事に特別熱い思いはないが、
暮らしていくには満足な仕事と思っていた。

ところがある日、
川島が病に倒れてしまう。
そんなタイミングで衆議院が解散。
後継候補として白羽の矢が立ったのは、
川島の娘・有美(宮沢りえ)。
谷村は有美の補佐役として業務にあたることになったが、
自由奔放、世間知らず、
だけど謎の熱意だけはある有美に振り回される日々…。

でもまあ、父・川島の地盤は盤石。
よほどのことがない限り当選は確実…だったのだが、
政界に蔓延る古くからの慣習に納得できない有美はある行動を起こす――
それは選挙に落ちること!

前代未聞の選挙戦の行方は?

【感想】
新年一発目の邦画。
「選挙に落ちる」ことが目的という、
普通とは真逆の設定が面白かった。

◆板挟みの谷村に同情

突然選挙に出ることになった有美。
彼女の自由奔放さと世間知らずっぷりは凄まじい。
記者会見で“各々”を“かくかく”と読む。
失礼な配信者に殴る蹴るの暴行を加える。
後援会の人に「やりたくないならやめれば?」と言い放つ。
そんなぶっ飛んだ彼女の言動が笑えるのもポイントではある。

でも、一番キャラクターとして印象深いのは、
その補佐役の谷村だ。
型破りな有美に振り回され、
方々に頭を下げっぱなし。
有美からは「私の何がいけないの?!」と反省の色はなく、
後援会の人からは「ちゃんと教育しろよ!」と怒られる日々。
そんな人たちに対して、
波風を立てず、
それでいてきちんと伝わるような、
典型的な日本人らしい遠回しな言い方を
連発しているところは笑えた(笑)

◆選挙活動の大変さが伝わってくる

この映画を観ると、
選挙活動の裏側も知れたりして、
ちょっとは勉強になる。
ただ、それを見て思うのは、
ただただめんどくさそうだなと(笑)
自分の言動もひとつひとつ気をつける必要があるのは当然。
過去の問題行動まで引っ張り出されることもある。
関わる人が多いから、
挨拶や謝罪などの機会もたくさん。
さらには、自分とは関係ない、
父親の不祥事や利権を狙う連中らに気を揉むことも。
自分の意志とは関係ないことも多々あって、
これは大変すぎると思った。。。

◆「そういうもんだから」への警笛

上記のようなことを
面白おかしく描いたのがこの映画のいいところ。
でも、作品のメッセージとしては
今の日本に対する危機感を思わせるところもあった。
それが、「そういうもんだから」だ。

事務局で働く谷村たちも、
けっこう「そういうもんだから」という言葉で、
何の疑問も持たずに事を進めることがある。
有美は好き勝手暴れながらも、
そういった部分は変えていくべきだと
主張はしていたんだよね。

谷村自身は
事なかれ主義みたいなところがあるんだけど、
彼自身ももはや古いシステムに
どっぷり浸かってる側だから、
何が悪いのかもわからないのよ。
その事実を、
古いコーヒーメーカーから作られた
コーヒーを飲んで気づくシーンは、
けっこう印象的だった。

これは選挙活動だけじゃなくて、
他のところにも通ずる話だと思う。
例えば、大きな会社で働いている人なんかは、
すでに出来上がってしまったシステムに慣れてしまい、
改善すべき点があるのに、
それにすら気づかないっていうケースもあるんじゃないかな。

◆そんなわけで

爆笑というよりは、
クスッと笑える要素を散りばめたコメディ作品で、
面白い設定の映画ではある。
ただ、全体的にまったりした雰囲気なのと、
笑いも「あるある」への共感からくる笑いなので、
ちょっと地味だったかなーという印象。
もう少しドタバタ感があった方が
個人的にはもっと楽しめたかも。

 


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