ヤマハ旧車 空冷2気筒 4ストローク1サイクル SOHC GX & XS Heritage Special 破壊ブログ

ポイント式バッテリー点火・セル&キック併用式・リターン式6段変速・前後ディスクブレーキの旧いオートバイです。

令和の大発見!? 昭和のオートバイの人気の出そうなデザインと冷却性能の確保 初期型GXと2型のエンジンの違いについて

2023年05月26日 13時42分00秒 | ヤマハ GX
今更の話ですσ(^_^;)
メンテナンスで残しておいた画像を見ていた所…
GXとXS Heritage Specialのエンジンのシリンダーのフィンの形状が違う事に気付きました:(;゙゚'ω゚'):




GXのシリンダーは現代のオートバイのエンジンの様にモダンな感じでエッジが効いていてシャキッ(`・ω・´)として見えるのに対して、XS Heritage Specialのシリンダーは旧い農耕機のエンジンの様にボテーっ(´ω`)として丸っこくレトロな感じです(*´∀`)♪




O/Hしていた時は全く気にしていませんでした( ̄▽ ̄;)
ネットで調べてみると…
どうやら【250シリーズ】のシリンダーは最終型まで形状は変わらず、【400シリーズ】は2型からシリンダーの形状が変わった様です∑(゚Д゚)

【400シリーズ】のエンジンの初期型と2型のシリンダーを比較すると…
横からの見た目は角型フィンのシリンダーはフィンの彫りが深く全体的にシリンダーヘッドと同じぐらい大きく太くてドッシリとしているのに対して、丸型フィンのシリンダーはフィンの彫りが浅くシリンダーヘッドより全体的に小さく細くてキュートです(*´∇`*)
シリンダーヘッドを横から比較してみると…
GXエンジンのシリンダーのフィンには補強部分が沢山有るのに対し、XS Heritage Specialのエンジンのシリンダーのフィンの補強箇所は少ないです。
そして…目の錯覚なのでしょうか?(•́ω•̀)?
シリンダーとは反対に、シリンダーヘッドは2型の丸型フィンの方が大きく見えるのですが…
実際には初期型の角型フィンの方が大きい様です∑(゚Д゚)
恐らく2型のエンジンの丸型フィンのシリンダーはシリンダーヘッドに対してスレンダーな為に、シリンダーヘッドとシリンダーの括れが強調されてシリンダーヘッドが大きく見えるのでしょうd( ̄  ̄)
同じパーツ同士を重ねて真上から見て比較すれば一目瞭然ですΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
では実際に比較してみましょうd( ̄  ̄)

シリンダー(シリンダーライナーや使用するピストンはどちらのエンジンも同じ大きさ)は歴然とした差です∑(゚Д゚)
角型フィンのシリンダーは丸型フィンのシリンダーより、フィンが二周り程大きいです((((;゚Д゚)))))))




シリンダーヘッド(バルブや燃焼室はどちらのエンジンも同じ大きさ)そこまで大きな差はありませんが、それでも初期型エンジンの角型フィンのシリンダーヘッドのフィンの方が若干大きい様です(・・;)



やっぱり…∑(゚Д゚)
【直径が同じなら、面積は円形より四角形の方が大きい】
ですねd( ̄  ̄)

【角型フィン】
→丸型フィンに比べ、フィンの表面積が大きく冷却効率は勝るが補強部分も有り重い

【丸型フィン】
→角型フィンに比べ、フィンの表面積が小さく冷却効率は劣るが補強部分も無く軽い

オーバーヒート対策で改良するのならフィンの表面積を大きくした方が放熱性が上がる筈なのですが…
逆に2型の【400シリーズ】のシリンダーはフィンの合計表面積が小さくなっています
【250シリーズ】のシリンダーは2型以降も初期型と同じ形状です。
どう言う事でしょうか(・・;)
何か理由がある筈ですd( ̄  ̄)
推測するに…

【250シリーズ】
・【400シリーズ】と比べ、馬力やトルクが小さく交通の流れに乗るには必然的にエンジンの常用回転数が高くなる
→結果としてエンジンの温度が上がり易くなる為、ポイントカバーにもフィンは必須&シリンダーのフィンは大きい方がオーバーヒートの問題が解決出来る(メーカー指定のスパークプラグは熱価の高いBP7ES)

【400シリーズ】
・【250シリーズ】と比べ、馬力やトルクが大きくエンジンの回転数が低くても余裕を持って交通の流れに乗る事が出来る
→結果としてエンジンの温度の上昇を抑えられる為にポイントカバーはフィン無し、シリンダーのフィンは【250シリーズ】の様に大きくしなくてもオーバーヒートの問題は解決出来る(メーカー指定のスパークプラグは熱価の低いBP6ES)

となると【400シリーズ】は…

・初期型GXはフューエルタンクやテールカウル等、全体的にエッジの効いたデザインに合わせてエンジンのシリンダーフィンも角型にしたデザインを重視

・2型のGXはテールカウルの廃止やティアドロップタイプのフューエルタンクに変更等、全体的に角が取れてスリムで流れる様なデザインに合わせてエンジンのシリンダーフィンも小さくスリム化、ポイントカバーはフィン無しツルツル、全体的に美しい丸型にしたデザインを重視

…となったのではないか、と推測されます。
2型は人気の出そうなデザインを重視し、エンジンの冷却性能がギリギリ確保出来る必要最小限のラインまでシリンダーのフィンを小さく削ったモデルなのではないでしょうか∑(゚Д゚)
販売台数が伸びなかったとされている初期型GXの角ばったデザインは不人気だったのでしょう…(・・;)
表面積の小さい丸型フィンでも冷却性能が十分にあると仮定した場合、勿論人気の出そうなデザインを優先すると思いますd( ̄  ̄)

そして残念ながら…
【250シリーズ】のエンジンはデザインより現実的に放熱性を優先しなければならず∑(゚Д゚)
全体的に丸みを帯びたフォルムにモデルチェンジした2型以降のモデルのエンジンは車両のフォルムに合わせたデザインよりオーバーヒート問題の解決が優先されてしまい( ̄▽ ̄;)
新たな開発・製造コストを掛けずに全体的に丸みを帯びた車体フォルムはそのまま、熱対策としてエンジンのみシャキッとエッジの効いた面積の広い角型フィンのままとなったと考えるのが自然なのではないでしょうか(・・;)
開発・製造コストを無視出来れば…
人気の出そうなデザインを優先して、【250シリーズ】の2型のシリンダーは【400シリーズ】の2型の丸型フィンより更に大きな表面積を持つ丸型フィンとなって登場していたのかも知れませんd( ̄  ̄)
400エンジンよりデカい250エンジンの爆誕ですψ(`∇´)ψ…

最終型のテールカウルが復活した角型フューエルタンクのGXには勿論、角型フィンのエンジンが似合うと思いますが…(´∀`*)
人気のあるデザインと冷却性能の確保って難しいんですねσ(^_^;)