2014年11月11日(火)
今日は、エッセイサークルの日。
新人さんが2名いらして、1名の方が入会されたわ。(^^)
さて、今日のウィステのエッセイは、先生曰く、「可もなく不可もなく」だそうですが、
そのエッセイを・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
震災初動訓練
ポストに震災初動訓練の案内が入っていた。震災が起きると、マンションの電気は止まり、
エレベーターも停止。ガスは遮断。漏水防止のために水もすぐ止められるとのこと。
私は、五月一日に、この駅前マンションに引越しして来てまだ一ヶ月程と日が浅く、
マンション暮らしはまだ手探りの状態だ。引越し当日、荷物の運び込みを終えた夕方に、
一人暮らしの私の手伝いに来てくれていた息子や娘と一緒に、リフォームや今日の引越しの
騒音でご迷惑をおかけした両隣と上下のお宅に、ご挨拶には伺った。みなさん、感じが良かったので、
ほっとしたけれど、以来、どなたとも顔を合わさない。すぐ、どなたの苗字も、曖昧になって
しまった。買い物に行こうと廊下に出ても、ひと気が無く静かで、エレベーターに
乗り合わせた方たちは礼儀正しく、「こんにちは」「風が強いですねえ」と、当たり障り無い
言葉を交わすが、何処のどなたか分からない。
「マンションは、ご近所が無いんだなあ」と、少し寂しく人恋しくなる。
引越し前の一軒家で、家の前を掃いている時など、ご近所さんたちと立ち話をしたのが
懐かしい。ご近所という細い糸も私を支えてくれていたいくつもの糸の一つだったんだと
今更ながらに感じていた。それで、こういう行事には参加して、同じ階の方たちとも
顔を合わせておこうと思った。
六月八日、朝九時半、「震災初動マニュアル発動」との館内放送が部屋のインターフォンから
流れた。続いて、
「火の元、ブレーカーの確認、水道の蛇口の確認、安否確認板を外に出す、そして、自宅待機」
の放送が流れた。私は廊下に出て、管理人さんに渡された安否確認板を扉の外側に付けた。
辺りは相変わらず誰もいない。そっと両隣の部屋の前に様子を伺いに行くと、しっかり閉まった扉に、
緑の安否確認板が付けられ、私は、「ああ、居るんだ」と思った。どこかの階から人声が聞こえ、
誰かが活動している様子も窺えた。
部屋に戻ると、「相互に安否確認板の確認をして下さい」「けが人を確認した人は、エレベーター
ホール横の電話で連絡」「災害対策本部設置のため、災害ボランティアは管理防災センターに集合」
と、放送が続く。だが、窓の外の廊下を誰かが動く気配は感じなかった。
やがて訓練終了と、「十時半から、『自助・近助・共助を考える懇親会』へ参加してください」
とアナウンスがあった。人の顔も見ずに終わった訓練に肩透かしをくらったようで、
同じ階の方たちも参加するかもしれないと懇親会に出ることにした。
集会室へ初めて入ると、ラウンドダンスのお仲間の東さんが手を上げて招いてくれる。
私は、馴染みのお顔が見えてほっとして、彼女の隣りに座った。彼女はここのマンションに
住んで二十年のベテラン住民で、訓練についてもいろいろと説明してくれた。
今日の訓練は、この辺りのマンションの合同訓練で、各マンションの自治会から委託された
「自主防災委員会」が主体となって実施したそうだ。例年、懇親会への出席者は少なく、
老人会の世話役の東さんが老人会に根回しした成果で、今回、うちのマンション二百数十軒からは
十五名もの方が出席したそうだ。お年寄りの出席が多いのはそういうことなのか……。
そして、自己紹介から、十四階からの出席は私だけ、十三階の方も、十五階の方もいなかった
と分かった……。
委員長さんから今回の訓練の報告が始まり、安否確認板の提示率が七十数パーセントと
高かったそうで、役員らしい方たちから拍手が上がった。三・一一の経験を踏まえた話もでた。
近隣のマンションは、あの時、十五分くらい揺れ続けたそうで、なんと真ん中辺りの十五階前後が、
一番揺れが大きかったそうだ。私の階は十四階。しまった、一番、危なかった階ではないか。
知っていたら、ここには引越して来なかったのに。大きな失敗をしてしまったと後悔が走った。
でも、もう後戻りは出来ない。災害が起きても、ここで頑張るしかないのだ。委員長さんは、
「このマンションは、災害の時は、外の避難所には行かず、各戸で篭城です」
と、言い切り、そこで、普段から顔見知りになり、声を掛け合う「近助」の大切さを説かれた。
そうは言われても、同じ階の方も、上下の階の方たちすら、出席していない私はどうしたら良い
のだろう。いや、右隣に座っている東さんは、十階下だけれど、ご近所さんにさせて下さいと、
改めて思った。彼女の反対側の隣りのお年寄りの女性は、立ったり、座ったり、
テーブルの中央のお菓子に手をだしたりと、落ち着かず、彼女はその方の椅子を引いたり、
お菓子を渡したりとお世話していた。同じ階の方で、今はデイケアに通うくらい弱って
きたけれど、入居以来の長いお付き合いの方だそうだ。私がそのお年よりの年になったとき、
子供たちは近くにいないし、どうなっているかなあ……。
東さんは、会のあと、そろそろと歩くその方に寄り添って、送っていった。私は、すぐ、
ホームセンターに向った。篭城のための防災備蓄の話が出て、食料品や水の備蓄はまあやっていた
けれど、トイレ対策は抜けていたと分かった。ダンボールでのトイレの作り方と中にペットシートを
敷くと教わったので、防災意識が高まっているうちに行動だ。
トイレ用のダンボールは、ホームセンターに無料であったから貰い、ペットシートは
バーゲンをしていたので、三百枚入りを買った。ただ、このマンションは、ペット飼育禁止なのだ。
まるでペットを飼っているようで、私は、大きな買い物袋にペットシートの袋を押し込み、
人に見つからないよう、こそこそっとエレベーターに乗って帰ってきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
会の後、忘年会の予約をしたお店にメニューを決めに行ったら、「女子会メニュー」と
いうのがあった。飲み放題♪といっても、ソフトドリンクだけどね。
お得そうで、これにしてきました。
来月はもう忘年会かあ・・。一年が、早いね。(^^)
今日は、エッセイサークルの日。
新人さんが2名いらして、1名の方が入会されたわ。(^^)
さて、今日のウィステのエッセイは、先生曰く、「可もなく不可もなく」だそうですが、
そのエッセイを・・。
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震災初動訓練
ポストに震災初動訓練の案内が入っていた。震災が起きると、マンションの電気は止まり、
エレベーターも停止。ガスは遮断。漏水防止のために水もすぐ止められるとのこと。
私は、五月一日に、この駅前マンションに引越しして来てまだ一ヶ月程と日が浅く、
マンション暮らしはまだ手探りの状態だ。引越し当日、荷物の運び込みを終えた夕方に、
一人暮らしの私の手伝いに来てくれていた息子や娘と一緒に、リフォームや今日の引越しの
騒音でご迷惑をおかけした両隣と上下のお宅に、ご挨拶には伺った。みなさん、感じが良かったので、
ほっとしたけれど、以来、どなたとも顔を合わさない。すぐ、どなたの苗字も、曖昧になって
しまった。買い物に行こうと廊下に出ても、ひと気が無く静かで、エレベーターに
乗り合わせた方たちは礼儀正しく、「こんにちは」「風が強いですねえ」と、当たり障り無い
言葉を交わすが、何処のどなたか分からない。
「マンションは、ご近所が無いんだなあ」と、少し寂しく人恋しくなる。
引越し前の一軒家で、家の前を掃いている時など、ご近所さんたちと立ち話をしたのが
懐かしい。ご近所という細い糸も私を支えてくれていたいくつもの糸の一つだったんだと
今更ながらに感じていた。それで、こういう行事には参加して、同じ階の方たちとも
顔を合わせておこうと思った。
六月八日、朝九時半、「震災初動マニュアル発動」との館内放送が部屋のインターフォンから
流れた。続いて、
「火の元、ブレーカーの確認、水道の蛇口の確認、安否確認板を外に出す、そして、自宅待機」
の放送が流れた。私は廊下に出て、管理人さんに渡された安否確認板を扉の外側に付けた。
辺りは相変わらず誰もいない。そっと両隣の部屋の前に様子を伺いに行くと、しっかり閉まった扉に、
緑の安否確認板が付けられ、私は、「ああ、居るんだ」と思った。どこかの階から人声が聞こえ、
誰かが活動している様子も窺えた。
部屋に戻ると、「相互に安否確認板の確認をして下さい」「けが人を確認した人は、エレベーター
ホール横の電話で連絡」「災害対策本部設置のため、災害ボランティアは管理防災センターに集合」
と、放送が続く。だが、窓の外の廊下を誰かが動く気配は感じなかった。
やがて訓練終了と、「十時半から、『自助・近助・共助を考える懇親会』へ参加してください」
とアナウンスがあった。人の顔も見ずに終わった訓練に肩透かしをくらったようで、
同じ階の方たちも参加するかもしれないと懇親会に出ることにした。
集会室へ初めて入ると、ラウンドダンスのお仲間の東さんが手を上げて招いてくれる。
私は、馴染みのお顔が見えてほっとして、彼女の隣りに座った。彼女はここのマンションに
住んで二十年のベテラン住民で、訓練についてもいろいろと説明してくれた。
今日の訓練は、この辺りのマンションの合同訓練で、各マンションの自治会から委託された
「自主防災委員会」が主体となって実施したそうだ。例年、懇親会への出席者は少なく、
老人会の世話役の東さんが老人会に根回しした成果で、今回、うちのマンション二百数十軒からは
十五名もの方が出席したそうだ。お年寄りの出席が多いのはそういうことなのか……。
そして、自己紹介から、十四階からの出席は私だけ、十三階の方も、十五階の方もいなかった
と分かった……。
委員長さんから今回の訓練の報告が始まり、安否確認板の提示率が七十数パーセントと
高かったそうで、役員らしい方たちから拍手が上がった。三・一一の経験を踏まえた話もでた。
近隣のマンションは、あの時、十五分くらい揺れ続けたそうで、なんと真ん中辺りの十五階前後が、
一番揺れが大きかったそうだ。私の階は十四階。しまった、一番、危なかった階ではないか。
知っていたら、ここには引越して来なかったのに。大きな失敗をしてしまったと後悔が走った。
でも、もう後戻りは出来ない。災害が起きても、ここで頑張るしかないのだ。委員長さんは、
「このマンションは、災害の時は、外の避難所には行かず、各戸で篭城です」
と、言い切り、そこで、普段から顔見知りになり、声を掛け合う「近助」の大切さを説かれた。
そうは言われても、同じ階の方も、上下の階の方たちすら、出席していない私はどうしたら良い
のだろう。いや、右隣に座っている東さんは、十階下だけれど、ご近所さんにさせて下さいと、
改めて思った。彼女の反対側の隣りのお年寄りの女性は、立ったり、座ったり、
テーブルの中央のお菓子に手をだしたりと、落ち着かず、彼女はその方の椅子を引いたり、
お菓子を渡したりとお世話していた。同じ階の方で、今はデイケアに通うくらい弱って
きたけれど、入居以来の長いお付き合いの方だそうだ。私がそのお年よりの年になったとき、
子供たちは近くにいないし、どうなっているかなあ……。
東さんは、会のあと、そろそろと歩くその方に寄り添って、送っていった。私は、すぐ、
ホームセンターに向った。篭城のための防災備蓄の話が出て、食料品や水の備蓄はまあやっていた
けれど、トイレ対策は抜けていたと分かった。ダンボールでのトイレの作り方と中にペットシートを
敷くと教わったので、防災意識が高まっているうちに行動だ。
トイレ用のダンボールは、ホームセンターに無料であったから貰い、ペットシートは
バーゲンをしていたので、三百枚入りを買った。ただ、このマンションは、ペット飼育禁止なのだ。
まるでペットを飼っているようで、私は、大きな買い物袋にペットシートの袋を押し込み、
人に見つからないよう、こそこそっとエレベーターに乗って帰ってきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
会の後、忘年会の予約をしたお店にメニューを決めに行ったら、「女子会メニュー」と
いうのがあった。飲み放題♪といっても、ソフトドリンクだけどね。
お得そうで、これにしてきました。
来月はもう忘年会かあ・・。一年が、早いね。(^^)