ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

ひるがほ 河野裕子

2009-12-27 05:52:44 | クンストカンマー(美術収集室)
眠りゐる汝が背にのばすわが腕を寂しき夜の架橋と思ふ

人が眠る時、当たり前ではあるが一人だ。もしかして、本当に一人になれるのは眠る時だけかも知れない。
その背中に腕を伸ばした。手は届くのだけれど、本当に触れたい場所には届かない。
架橋とは強い願望を込めた言葉だろう。