ぶらつくらずべりい

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短歌人六月号 大橋麻衣子 「白い牡鹿」

2010-06-04 06:14:23 | クンストカンマー(美術収集室)
ともにゆく選択肢は与えてくれず去るつもりもなく遠くに牡鹿
臆病な若い牡鹿よきみが距離きめていいから消えないでくれ

年下の男を牡鹿だと感じる。唐突なようで実によく分かる比喩である。二首目の強い口調の呼び掛けと相反する細やかな願いが切ない。恋愛はエゴとの闘いだと言えるだろう。最善の選択が見えてしまう大人だからこそ詠める相聞歌だ。