信号が青に変わってゆくようにまたゆっくりと歩き出せたら
ともにゆく選択肢は与えてくれず去るつもりもなく遠くに牡鹿
臆病な若い牡鹿よきみが距離きめていいから消えないでくれ
年下の男を牡鹿だと感じる。唐突なようで実によく分かる比喩である。二首目の強い口調の呼び掛けと相反する細やかな願いが切ない。恋愛はエゴとの闘いだと言えるだろう。最善の選択が見えてしまう大人だからこそ詠める相聞歌だ。
臆病な若い牡鹿よきみが距離きめていいから消えないでくれ
年下の男を牡鹿だと感じる。唐突なようで実によく分かる比喩である。二首目の強い口調の呼び掛けと相反する細やかな願いが切ない。恋愛はエゴとの闘いだと言えるだろう。最善の選択が見えてしまう大人だからこそ詠める相聞歌だ。