ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

短歌人七月号

2010-06-30 06:06:02 | 平成23年短歌人誌より
乳母車押せば息子と風のなか光の粒に包まれていく

春の日に光の粒を零しつつ振り返らずに少年はいく

春風が吹くとき僕の胸のなかひつじの雲は静かにねむる

約束の夜桜ひとり見上げれば空に大きな穴が空いてる

なんとなく嘘だと思う電柱の影に一本たんぽぽの咲く

朝ごとにレモンかじっているような奴には敵うわけなく完敗