ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

短歌人十月号 伊波虎英

2010-10-15 05:57:05 | 平成22年短歌人誌より
牛乳でグラスをよごす八月の朝かなしみのひとつ兆せり

牛乳を飲んだグラスに水を入れると白く濁った水になる。それを見ていると悲しくなることが私にもある。それは牛乳の持つ明るさからくるのだと思う。この一首ではもう一つ明るい言葉が出てくる。それは「八月の朝」だ。人は明る過ぎると悲しくなる。

真弓「灰色の鯉」斎藤典子

2010-10-15 05:56:36 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
さてわれは誰にむかひて発信せむほのあたたかき機械のまへに

仄かに温かい機械とは、パソコンか電話だろう。わざわざ、「発信」というからにはパソコンだと思う。考えれば人が何かを発信するのは対象がある。その誰かの温もりには触れることは出来ないが、機械は皮肉のように温かい。