短歌人7月号「大阪無宿」橘夏生、7月の扉 2011-07-01 04:53:44 | 平成23年短歌人誌より いま目覚めたわたしがクローンでないことは証明できず卯の花腐し 「卯の花腐し」は初夏(陰暦四月)の季語。梅雨より前に降る長雨のことを言うらしい。「クローン」と「卯の花腐し」の取り合わせ、目覚めた時の淡い自己存在感。なんとなく全体があやふやな印象である。
大橋麻衣子「シャウト」真夏のディズニーシーで 2011-07-01 04:53:09 | クンストカンマー(美術収集室)短歌 ポスターに描かれた母はやさしげで弱音はくことさえ罪のよう いつも作者は世間や社会、身内からのあるべき姿の押し付けに苦しんでいる。ここまで「シャウト」を読んで来て感じたのは、短歌とは言葉なのかという問題だ。短歌は表現ではないのか。自分の思いを三十一文字の言葉にすれば短歌になるのか。私は作者の叫びに時に共感し時に痛々しく感じる。歌集の中には表現の短歌も見受けられる。叫んでいる作者だけではなく、優しい作者も読みたい。