ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

短歌人7月号「会員2」木嶋章夫

2011-07-27 04:46:17 | 平成23年短歌人誌より
毎日がなにも起こらぬ日々なのでためしにパンツ裏にして穿く

あまりに普通の日常は実は貴重なのだが、普通過ぎて怖くなる。常に少しくらい不幸な方がいい。ただし、それも大震災前までだ。やっぱり普通がいい。ほって置いても悲劇は否応なしにやってくる。「パンツ裏にして穿く」には笑った。

大橋麻衣子「シャウト」コレガゲンジツ

2011-07-27 04:45:48 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
崩れゆくさまが見たくて剥き出しの卵黄に箸つき刺している

「卵黄」の象徴は「心」(普段は殻に包まれているという意味で)だろう。だが殻を破っても卵黄のほとんどは形崩れしない。この歌集の基底にあるのは、現状を打破出来ない苛立ちにある。だからこそ、打破出来ない錘である子や夫、社会、自分自身の性格を憎む言葉が溢れている。