ぶらつくらずべりい

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阪森郁代「ボーラといふ北風」非在のあかり

2012-05-05 06:06:43 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
歳月に尾灯はありて日めくりの奥にちらちら揺れ始めたり

幻想と現実か絶妙なバランスで一首に同居する。尾灯が見え始めるのは日めくりを捲ろうとする深夜だろう。今、捲ろうとしている一枚だ。そうして人は今日を見送るしかない。尾灯は流れて去るばかりだ。

短歌人5月号「会員2」辻和之

2012-05-05 05:52:48 | 短歌人誌より
いなくなったのちの空気にほんとうの体のようにふれたのだろう

いなくなった後の方がより存在を身近に感じることがある。ただこの一首は違う。単純に居た人が消えて、消えた後の空気にほんとうの体のようにふれた詫びします。します。のだ。ただそれだけだ。居るときには触れられないのではないか。もしかしたら居たのは遠い過去かも知れない。
追伸、最近スマートフォンに機種変更しました。全く慣れずにミスばかりで大変申し訳ありません