ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

即詠041~050

2010-09-09 06:00:45 | 題詠blog2010
041「鉛」
またいつか飛べるだろうか六月の鉛のような月を見上げる

042「学者」
今日だけのサヨナラなのか考える定理を探す学者のように

043「剥」
剥き出しの傷口のごと僕たちはある言葉だけ触れないでいた

044「ペット」
愛という言葉はまるでTシャツを着させられてるペットのようだ

045「群」
群集のなかの一人というように見えているけど見ていない君

046「じゃんけん」
後だしでじゃんけんをして負けるよに受け入れ難い今日のさよなら

047「蒸」
黒々と蒸気をあげる船のごといつか必ず離れてしまう

048「来世」
今からは来世のように生きていく君とのことはすべて忘れて

049「袋」
紋章と思い覗けば迷い込む袋小路のような瞳孔

050「虹」
野に生きて野に死んでいく猫のよに大きく薄い君の虹彩

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