元ライターの小説家への道

僕もまだ本気を出していません。

福岡旅行記2日目~女登場~

2006年06月29日 01時20分56秒 | 会社での出来事
 今年中に映画100本見られるかな…

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 バスに乗り込み志賀島を脱出。しようと思ったが島を一周せずに立ち去るのは悔しい。

「運転手さん。このバスは島を一周しますか?」

 乗客は僕ひとりなのでバスを走らせながらの会話。

「いんや、今はダメだよ」
「いま?」
「去年、地震あったでしょう」
「ああ…そうですね」(分かってない)
「それでがけ崩れがおきて道路が封鎖されてるんよ」
「萎え~!!!」

 と言うわけでフェリーの発着場までバスに乗り、下車したのだがそれと同時に1時間に一本しか来ないフェリーが出港した。

「萎え~!!!」

 と言うわけでもう少し散歩を続ける事にした。



 志賀島と本州をつなぐ道。左が玄界灘で右が博多湾。この道は自然にできたらしい。潮風を浴びながら次のフェリー発着場まで歩く。周りに人がいないことを確認してから思いっきり声を出して歌をうたう。

「自由に歩いてゆくのならひとりがいい
そのくせ今夜も ひとの戸口で眠る
頼れるものは どこにある
頼られるのが嫌いな 獣たち
背中にかくした ナイフの意味を
問わないことが友情だろうか♪」

チリンチリーン

 熱唱していたら真後ろに自転車がいた。恥かいた。

 さらに歩みを進めると、2匹の犬を散歩するおばちゃんがいた。そのうちの一匹は放されており、僕のクールビズをくんくんくんくんと嗅ごうとする。そして軽く手でけん制しようとする僕。

「その子は大丈夫よ。なんもせんじゃけん」(正しい方言かは不明)

 飛び切りの笑顔を返すとおばちゃんが話しかけて来た。

「どこから来なすったん」
「東京です」
「あれまー遠くから来はったんやね~。観光かい?」
「昨日は仕事だったんですけど、今日は観光です」
「じゃけーねー。そんな彷徨える自殺者みたいな格好して観光する人おらんけねー」

 僕はよく冷酷や辛口などという有り難くないお言葉を頂戴することがあるが、現地の人と触れ合うのは嫌いではない。

「お兄さん、どこの会社にお勤めなのかね」
「○○○○にいます」
「ふぇ~そげな超一流企業にいるがねー」

 おばちゃんは途端に目を丸くしギラリと黒目を輝かせたが、僕の言葉はウソである。いやいや別に見栄を張ったとかではないのだが、僕は簡単に言うと派遣社員的な位置付けで、ある大企業の子会社で働いている。しかしそんな説明をするのは面倒だったので、分かりやすく答えたのだ。

「うちの娘はアパマンショップにいっとって、いま上海におるけどお兄さんはすごかねー」
「いえいえそんなことないですよ」(事実行っていないのだからすごくない)

 少しずつ心が痛くなる僕。

「うちの娘は上海で頑張っててね。外人が英語で話しかけてるのに、中国語で答えて失敗したーと言ってたわ~」
「娘さんは三ヶ国語話せるんですね。僕は会社で何もしてないですよ~」
「そんなことなかー大企業に入れるだけすごかよ」

 更に心を締め付けられる僕。

「お兄さん、どこまで行くと?」
「この先のフェリー乗り場に行って博多港に行きます」
「あれーそげなとこまで行くきに?ならワテが車で送ったるわ」

 あわわわわ…僕は大企業に勤めていないけど良いんでしょうか…
コメント (5)
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