中山道ひとり歩る記(旧中山道を歩く)

旧中山道に沿って忠実に歩いたつもりです。

・芭蕉の道を歩く
・旧日光街道を歩く

小紅の渡し(おべにのわたし)(旧中山道を歩く 254)

2011年07月17日 10時54分51秒 | 6.美濃(岐阜県)の旧中山道を歩く(210~2


(小紅の渡し)

(河渡宿)
鏡島弘法の乙津寺を出ると、「小紅の渡し」右の看板がある。

「小紅の渡し」について、岐阜市教育委員会の説明によると、

(ここには、江戸時代から長良川の対岸とを結ぶ交通路として
「小紅の渡し」が設けられています。
この小紅の渡しは、古くから鏡島弘法(乙津寺)への経路として、
約1km下流にあった中山道「河渡の渡し」と共に栄えていました。
現在では県道文殊茶屋新田線の一部になっています。
近代的な橋の施行技術が発達する以前は各地に渡しがありました。
現在では、小紅の渡しが岐阜市内に現存する唯一の渡しとなりました。
なお、小紅の名の由来については、いろいろな説があり、
お紅という名の女性の船頭がいたとか、
川を渡る花嫁が水面に顔を映して紅を直したとか、
紅を採る草が生えていた、などの言い伝えがあります。)

看板の右手を見ると川の土手になっており、
土手に登る階段がある。
階段には、小紅の渡しは土手を登るとでかでかと書いてある。
土手に上れば今度は下ると書いてあり、
降りれば川べりへ出る案内がある。


(小紅の渡しへの階段)


(土手を下る階段)


(渡しの船乗り場)


(対岸の小屋へ手を振って合図する)

川べりで対岸に手を振ると、
対岸の小屋にいる船頭が見つけて、
船をこちらへ滑るように動かしてくる。
舟にも(小紅の渡し)と書いてある。

風の向きがボクから見れば追い風であったためか、
エンジン音は全く聞こえず、
川の流れを利用して動かしているのかと思うほど、
静かにやってくる。


(音もなく滑るようにやって来る)

船に乗るとエンジン音がするのに気づく。
船頭さんは一年中日光に照らされているせいか、
真っ黒に日焼けしている。

渡しの料金は無料である。
岐阜市がこの舟渡しを管理しているからである。
だから船頭さんは公務員ということだろうか?
今、地方の自治体は財政難であろうから、
渡しを維持するのも楽ではない。


(乗り場へ向う船)


(対岸に向う船)

渓斎英泉画く浮世絵
「木曽海道六拾九次之内(岐阻路ノ駅 河渡 長良川鵜飼船)」では、
長良川の鵜飼船を画いている。
(鵜飼は古来より伝わる漁法で、
古くは(古事記、日本書紀)にもその記録が見えるという。
織田信長以来大名の庇護を受けた鵜飼は、
船首にかがり火の松明を焚き、
舟を流しながら行うものであるという。
この浮世絵では、かがり火により舟だけが照らされ、
後はシルエットで表現されている。
水上部と水中が見事に描き出されている。
また、背景の濃淡によって金華山がみえる。)
(歌川広重・渓斎英泉「木曽海道六拾九次之内」より抜粋)


(栄泉描浮世絵「木曽海道六拾九次之内」(岐阻路ノ駅 河渡 長良川鵜飼船)

舟を降りて土手を上がり、
土手の上を左方向へ時計回りで歩き橋を渡ると、
岐阜市立合渡小学校が目の前にある。
まさか小学生が通うために、
この渡し舟を使っているということは無いだろう。


(土手を時計回りに半円を書くとある橋)


(橋の向こうにある合渡小学校)








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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
乗ってみたいな小紅の渡し。 (salasala)
2011-07-25 10:31:43
乗ってみたいな小紅の渡し。

いまだに岐阜市の管理で継続されてるとは素晴らしいですね。
返信する
毎日それほど沢山人が渡るとは思えませんが、 (hide-san)
2011-07-25 20:48:14
毎日それほど沢山人が渡るとは思えませんが、
観光のため細々と営業しています。
それも地元のかたがたの税金でまかなっているのですから大変ですね。
舟の乗り手がいなくなったら、きっと中止されるのでしょうね。
鏡島弘法(乙津寺)の縁日の日は沢山の人が乗り合わせるようです。
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