前に使っていたパソコンのデーターを整理していると、懐かしいのが出てきた。
我が町の地車新調の入魂式で上げた「口上」の原稿である。
普通に上げれば5分もかからないのだが、例によって(昔は30分ほどやったことがある)、改行部分ごとに余計なアドリブが入るので、15分ほどやっただろうか。
猛暑の暑気払い、疫病退散に、思い出・記録として残しておく。
東西、東西と鳴り物をばうち鎮めおき、一段高こうはございまするが、
不肖私ええ歳こいて、不弁舌なる口上をもって申し上げます。
富田林は広いとこ 東にいただく金剛山。西に長きは羽曳丘陵。
平尾の峠で東を望めば、朝日が昇る二上山。
南の方(かた)には喜志の宮。北の方には平・尺度。
峠下れば、外環状。並んで走る近鉄電車。
新家、喜志駅打ち過ぎて、商店街をちゃらちゃらと、
高野街道横切れば、左に木戸山、喜志小学校。
南にぞびゆる金剛の、峰の緑をあおぎつつ、
大深・桜井過ぎ行けば、橋のたもとの川面町。
源氏の本流 八幡太郎。建武の忠臣大楠公。
産湯つかいし石川を、上り下りし剣先船の港町。
花のパリーかロンドンか、水の都の川面は、
喜志の川面小在所なれど、浦に小舟がどんとつくと、
歌われてより三百年。
平成四年の地車復活から、ちょーさじゃ どっこいさじゃのかけ声かけた20と6年。
野菜といっしょで、地車も、コエ(声=肥え)かけたら大きくなる。
みごと地車新調相成りました。これも一重に皆様方の、
ご努力、ご支援あってのものと、互いに寿ぐ新調地車。
屋根よりにらむ唐獅子を、つなぐ大棟、即板は、石川上る順風満帆剣先舟。
屋根を囲むは鳳凰、麒麟、玄武、青龍、朱雀に白虎。四神五獣の厄払い。
屋根の下の彫り物は 美具久留御魂の大神の、
五穀豊穣、家内安全、叶える神々八百万。
小屋根の見送り欄干は、源平合戦、太平記。
悪霊退散、楠木正成、大楠公の物語。
支える土台の泥幕は、天下取ったる喜志村の、
満願成就、剣先舟の船着き場。
台風、地震と様々あれど、魂入った地車は、復興果たす守り神。
天下泰平、祈りを込めて、川面新調地車の、試し曳きじゃい。
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