九州一高い山(宮之浦岳1936m)がそびえる屋久島では毎年山岳部で積雪が見られます。
その為、山につながる道路は積雪・路面凍結の為、通行止めになり主要な山に登ることができないことが時々あります。(年により積雪の量は大きく変わります)
そんな時に山登りが好きな人におすすめのコースがモッチョム岳です。(足場が悪い為、山登りに慣れていない方は白谷雲水峡の方が良いです。)標高が高くないために冬でも登ることができます。
屋久島の南東部にそびえる岩峰はシンボリックで一目見ると忘れることはなく、山頂からの展望は屋久島の中でも指折りです。
往復7時間。標高差は700mほどですが、急登、ロープ場あり、根っこが多く滑りやすい為、山登りの経験者や体力のある人向きです。転倒や捻挫に十分気をつけましょう!
また、ピンクテープ(道しるべ)も多く設置してますが、初めての人は少し迷いやすいところもあるかもしれません。
登山口は観光地として有名な千尋の滝です。駐車場やトイレは完備しています。
バスは通っていませんのでレンタカーかガイドツアーに参加するのが良いです。
登り始めてからいきなり一番の急登です。ペースを上げ過ぎず、適度に休みながら登っていきましょう。
一時間ほど続く急登です。尻尾の切れたニホントカゲを発見。
ヤクシマミヤマスミレ。急登を登りきると苔むした水場(小川)がありますのでそこで休憩するのがおすすめです。
もちろん水を飲むことができます。
近くで見ることができる大迫力の屋久杉です。縄文杉は近くで見ることができないのでむしろこちらの方が臨場感を味わうことができます。
ちなみに一番太い根っこあたりでは胴回りが17m以上で縄文杉よりも太いです。ただし、胸の高さの周囲(上の方の細いところ)を測ると8.6mとなっています。
たくましい枝の太さ。枝だけで数百年以上の歴史があるはずです。
もう一つの屋久杉「モッチョム太郎」。試し切りの跡などが見られ、屋久島の林業の歴史を垣間見ることができますが、周りが樹木の覆われているので撮影は難しいです。
今回の最高地点標高970m神山展望台まで登ってくるとようやく展望が開けます。
目指すモッチョム岳の山頂。裏側から見ているので岩峰が少し見えているだけです。
ここからは下って登ってロープ場の多いところで危険度が増しますが面白いところです。
運が良くオニカンアオイの花が咲いていました。屋久島の固有種。
登山道の脇から見えた景色。山頂が近づき期待が高まってきます。
所々、花崗岩の岩肌がむき出しに。屋久島は花崗岩が隆起してできた島です。
モッチョム岳山頂に到着。標高は940mmと屋久島の山の中では高くないですが、存在感と展望はすばらしい!
この岩の上まで行く人もいるようですが(道はありません)、私は怖いので止めておきます。
山頂の大きな岩をさらにロープ(ロープが短いの注意が必要)で下ると祠が祀ってあります。
屋久島では今でも岳参り(山の神に集落の代表者がお参りに行き、五穀豊穣や家内安全などを祈る)という山岳信仰が残っています。
屋久島の雄大な自然や山を見ていると自然崇拝の気持ちが自然と芽生えてきます。
最後に適期は秋から春の晴天時。屋久島の山の中では標高が低い為、夏場は非常に暑いです。また、湿度が高いときにはヤマビル(専用のスプレーもありますし、無ければ塩やエアーサロンパスなどでも代用可)が出るので注意が必要です。
また、山頂からの展望が一番の見所となりますので悪天候時には素直にコースを変更するのがおすすめです。
●千尋の滝駐車場に駐車。トイレ、売店(8時30分~17時)あり。
●登山口の標高270m。モッチョム岳山頂940m。途中神山展望台が最高標高地点970m。往復休憩を入れて約7時間。もちろん個人差があるので注意が必要。
●途中トイレなし。携帯トイレを持参しましょう。