道路に面している部分は商業空間となり、
だんだん奥側に行くと、私的な空間となります。
一番後ろに三角湧渓と繋がる出入り口があり、
川の水を取りやすいことと布を洗ったり、
干したりしやすいという便利な空間構成になっていました。
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三峡老街は、台北から南下して、車で約1時間ぐらいの所にあります。
彫刻が有名な清水祖師廟の西側にあり、民権街南段から和平街、仁愛街と中山路まで全長約206mで、約100軒以上が並んでいます。
現在の建物は日本植民地時代に「街並み改正法」に基づき、計画された伝統的なレンガの建築物です。台湾で最も残されている古い街並みと言われています。
空間構成としては、台湾伝統的な長屋形式をしています。
道路に面している部分は「亭仔脚(=アーケード)」に続き、店舗となり、だんだん奥側に行くと、住宅のスペースとなります。一番後ろに三角湧渓と繋がる出入り口があり、川の水を取りやすいことと貨物の運搬をしやすいという生活機能が便利な空間構成になっていました。
特に、三峡老街は山・川に近いという地理上で、山で採った草木を布に染めて、裏側の川で布を洗い、そして店舗で販売しました。ですので、当時染屋さんが盛んでいました。
この間、散策しに行ったら、部分的にはギャラリーになったり、骨董屋さんになったりしていたので、この空間構成を体験できます。
また、こちらの建物には「亭仔脚(=アーケード)」という空間があります。このアーケードは雨がよく降る台湾の気候に合った空間で、人々が雨に濡れずに、延々続く店へ行けますように作られています。
そのほかに、三峡老街の建築の装飾に興味深いものがあります。
・ 建物のファーサードにある彫刻(ギリシャ風の柱 ・ 中国の花鳥・人物など)
・ ファーサードに石で彫られている看板(例えば:「染」=布の染屋さん)や日本の家紋・模様も彫られているようです。
・ バロック風の装飾(当時日本の建築は西洋建築の要素を大いに取り入れ、職人さんたちが、地元の職人さんに伝わって、東洋と西洋建築が融合されたものが多いようです。)
今度、三峡老街を散策する時、ぜひこの視点から街並み風景を見て下さい。面白い発見ができるかもしれません。
午後に着いたのに、あっという間に夜になってしまいました。
もっと余裕の時間を持って、散策するといいですね。
街で発見した面白いマンホール。
三峡老街を散策する以外に、ほかにお勧めの場所:清水祖師廟と李梅樹記念館。
清水祖師廟には長年かけて、石の彫刻が見事に彫られています。
□ 三峡への交通案内:
・ 車の場合: 台北市内3号省道から、板橋、土城を経て、三峡へ。約27.5Km。
・ 車の場合: 北二高速道路に乗り、三鶯インターを降りて、三峡へ。
・ バスの場合: 台北の貴陽街・中華街から三峡行きの台湾汽車(バス)客運を乗り、或いは新店から三峡行き ・ 鶯歌駅(鶯歌まで電車を利用した方がよい)から三峡行き(距離的は一番短い?)の台北客運(台北バス会社)を乗れば、三峡に行けます。鶯歌駅・陶芸博物館から三峡行きの桃園客運バスでも行けます。
・ 無料バス: 鶯歌火車站(鶯歌駅)からの無料バスがあるようですが、本数が少ないし、私も利用したことがないので、事前に確認する必要があります。
・ 三峡観光地図 (三峡鎮役所サイトの情報によるものです。中国語のみ)