2022年6月9日朝、那覇空港を飛び立った。予想通り、梅雨下であり、視界は悪いし、時々揺れる。奄美大島辺りから東に洋上を飛んだはずだ。だいぶ経って、機長が「富士山が見えます」と。私の視界に見えるのは雲ばかり。機長がここで冗談を言うはずもない。見上げたら遙か北方に小さく見えた。拳大。何だと思いながら、私は停滞前線を避けるためにはるか南を飛んでいるのだろうと考えた。今、当日の予報天気図と前夜の雲の流れの写真を見ると、停滞前線は北緯29度ぐらいにあり、雲の南北の幅は分厚かった。飛行機は高度1万m以上を飛んでいるから、揺れは穏やかだ。しかし飛ばしているパイロットは気を遣う。
時々、シートベルト着用サインが点灯していた。私が気になるのは、客室乗務員の動向。飲み物のサービスなどを如何なるタイミングで切り上げるのか(再開するか)、その判断が重要だ。下手をすれば転倒等思わぬ労災事故がおきかねない。無理せず、気をつけてと申し上げたい。
羽田への着陸は思っていた以上にスムーズだった。機長の腕と、飛行をサポートする航空管制の皆さんの協同作業の結果だ。ここで私が気になることは米軍の横田管制などの影響が起きかねないことだ。米軍機優先で民間機は脇に追いやられかねないからだ。「横田空域」に限らず日本の空を米軍が実効支配していることを私たちは忘れてはならない。
沖縄の空はこの程度が激しいから、余計敏感になってしまう。今も航空機の音が聞こえている(名護市内)が、これはなんで(機種)、どっちからどっちにとんでいるか、逐一気にしているのが日常だ。
話を戻すと、帰路も雲の中を、上を飛び、窓際の席だったが、何も見えなかった。私は事故が起きないように常に願っているが、米軍管制、米軍空域(日米地位協定にある)が空の安全を脅かすことがあってはならない。
まして対外緊張を煽る政治が進められている今日、日常の民間飛行の安全に私たちは留意し、関心を払いたいものだ。軍事優先がはびこれば危険性が高まるばかりか、事実関係は闇の中に押し込められていく。冗談じゃございません。