昨夜、ある友人からCメールで「座右の書は何ですか?」と問われた。「そんなものCメールで返せるわけないだろ」と返信した。Eメールで再送しろということになった。これを機会に少し考えてみることにした。
「座右の書」を広辞苑で引けば、すぐ傍らに置いている書の意だが、これだけを答えてもつまらない。これだけを答えるのならば簡単。国語辞書の類い、ことわざ・慣用句辞典、模範6法、各種の日本地図・世界地図の類い、「防衛白書」、「自衛隊装備年鑑」、「沖縄の米軍基地」(沖縄県刊)、様々な動植物の図鑑類など約30冊余りだろう。
しかし自分がこれまでの50年余りを歩んできた中で、これは考えさせられたと思う図書はあまたあり、こうした本を逐一挙げていたらきりがない。既に手放した本もあり、学校図書館などで読み漁ったものもたくさんある。だから彼への返信は、「座右の書」(身近に置きながら立ち返るべき本)ぐらいに拡大し、いささか論点を整理してまとめたら、彼(他人)にとっても自分にとっても役に立つのではないか。ということで年末の仕事がまたひとつ増えた。
これは改めて考えると大変なことで、この50年余りの自分史を振り返り、沖縄に関連しても30年であり、様々な課題を如何に結びつけながら整理するか。社会科学・人文科学と言っても幅広いし、悩ましい。
それにしても大学時代に如何に不勉強だったかということは取り返しがつかない。あの時代(1960年代後半から70年代前半)の「社会科学」の弱点を痛切に思うこの頃だ。唯一幸運だったことは、私はイデオロギーに走り過ぎず、現場の思想を重要視してきたことだろう。(続く)。