ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き、琉球諸島を巡る基地・戦争への道を問いかけ、自然を語る。●無断転載、お断り。
 

何故繰り返されるのか? 何故この国は認めるのか(20210109)

2021年01月09日 | 米軍/自衛隊
 年末から沖縄の新聞にコロナ禍以外で問題にされていることがある。慶良間諸島でのC-130輸送機による低空飛行の問題だ。12月28日2機、29日4機、1月6日5機が飛んだという。
 私はこの時の写真を見て、MC-130特種作戦機(4発のプロペラ機)だと判別していたが、座間味村の島々をまたぐように高度50mから100m上を編隊飛行しているのだ。フェリーの上から動画で撮ったものも拝見したが、5機が低空を覆うように飛べば誰しも恐怖を感じるだろう。
 私は普段辺野古で観察しているが、同機が飛ぶのは沖合いを伊江島方面に飛ぶことをしばしば目撃するが、目の前を低空飛行したことを認めたことはない。工事現場の上を掠めたことはある。それにしても特種作戦機が住民の住む島々でここまでやるのは、何故か。ここがこの問題の肝だろう。
 特種作戦機(嘉手納基地所属第353特殊作戦中隊)による低空飛行は、正に特殊作戦のためにやるのだ。敵地に潜入している部隊に低空から物資を落としたり(補給作戦)、眼下を詳細に記録したり、場所によっては強行着陸して奇襲攻撃や救出作戦をかけたりするためだ。こうした演習を何故慶良間でやるのか。これは将来の島嶼での作戦のためだろう。明確に中国を意識した作戦だとみることができるだろう。
 日本政府は、米軍の活動の自由を約束している。米軍は演習区域外でも可、日本の航空法令を適用除外する。今回も岸信夫防衛大臣は「日米間の関係合意や規則に基づき行われたと米側から説明を受けている」と述べ、追認しているのだ。日本政府は自らの主権を放棄しながら、米軍を受け入れているのだ。日本国がオーケー、オーケーとしているから、米国・米軍はつけあがる。
 玉城デニー知事は、8日夕「国内法を適用させることで、確実に米軍に規制をかけることができる。日米地位協定の抜本的な改定が必要だ」と指摘している。これほどあたりまえのことが何故通らないのか?! 
 いやだからこそ私たちは、「国防だから」にはっきりと疑問符をつける。「安全保障は国の専権事項」に異議を唱え続ける。米軍の横暴を拒否すると言わなければ、身の安全が、暮らしの安全が守れないのだ。
 座間味村の宮里哲村長は8日「人が生活している島の上をあの高さで飛ぶことが、訓練として本当に必要なことなのかどうか疑問だ」と苦言を呈したようだ(沖縄タイムス20210109)。私も同感する。しかし駐留軍は常に実戦に備えており、このために演習しているのだ。今、座間味でやっていることが今後、宮古島や石垣島周辺で行われる可能性もあるのだ。また座間味村の島々は、76年前、米軍の侵攻を前に島民が「集団自決」が強いられた島だ。島民の機影をみせられた恐怖は、こうした過去のことにも繋がっているに違いない。
 岸信夫防衛大臣の低空飛行訓練を問題視しないとは、その言外に旧軍(皇軍)が島民に行わせた「降伏するな!自決せよ!」の命令を彷彿とさせるものがある。断じて許すことはできない。
 私たちは、「基地の島」を脱却し、今こそ「不戦の島」をめざさなければ、とりかえしがつかなくなるだろう。


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