時の政権が主催してきた「桜を見る会」の前夜祭(安倍晋三後援会主催)が行われてきたが、安倍首相(当時)は、これを5000円会費で、参加者個々人が払う、領収書はないと言ってきた。高級ホテルで5000円はありえないのに、彼はそう言い張ってきた。2020年12月24日、安倍晋三後援会代表の第一秘書が政治資金規正法違反(不記載)で略式起訴された。安倍晋三元首相本人は不起訴になった。
安倍元首相は、今頃になって、「領収書がないとは言っていない。事務所にはないのだ」と前言を翻した。こうしたことは第一秘書がやったことで済むはずがない。知らなかったとすれば、118回もよくも国会で強弁し続けたものだ。常人ならば、そこまで言われたら確かめる。国権の最高機関といわれる国会でウソを突き続けてきたことは否めまい。
しんぶん赤旗2020年12月25日号に、この1年余りの経過が示されている。今年の2月17日の衆院予算委員会で彼は「私がここで総理大臣として答弁するということについては、全ての発言が責任を伴う。そういう観点から答弁をさせて頂いている」と強弁していた。さらに「私はここで話しているのが正に全日空側とのやりとりの真実。それを信じて頂けないということになれば、そもそもこの予算委員会が成立しない。」/「私がウソをついているというのであれば、ウソをついているということを説明するのはそちら側ではないのか」とまで開き直っていた。
こうした答弁を安倍晋三元首相は、どう考えているのだろうか? 今更言葉だけで謝っても意味はない。政治責任は消えてなくならない。事の真相をきっちりと聞きたいと思うのは私ばかりではあるまい。ウソにウソを重ねた「ウソ王国」を今こそ突き崩さなければならない。
そもそも桜を見る会のような王朝もどきの人気取り企画を政権が主催してきたことじたいが、おかしいのだ。これに連動して前夜祭なるものを仕掛け、地元の有権者・取り巻き達を超格安で連れてくる発想そのものが、公職選挙法違反の仕掛けであろう。
安倍元首相は、結果としてウソをついていたことがはっきりしたのだから、その政治責任をとるしかあるまい。まずは予算委員会で答えるべきだ。議員辞職するか、これまでのウソの数々をすべて明らかにするしかないだろう。
無論、菅首相は官房長官として,安倍晋三元首相と二人三脚でやってきた以上、知らないとは言えないはずだ。知ってる関係にあったからだ。
沖縄でこうしたことを見聞きしている私は、税金の使い方とウソの付き方の両面を貫いて、政権がやっていることと、沖縄防衛局・防衛省がやっていることがダブって見えてくる。例えば新基地建設総工費が2500億円と言っていた物が9300億円に膨れ上がり、さらにふくれあがるだろう。これ全部日本という国に暮している人びとが税金をとられ・支払う中で使われているのだ。「環境への影響がない」といいながら、サンゴを移植し、枯れ死させている防衛省。ジュゴンの鳴き声の記録も出さずに工事を続ける防衛省。
ウソと言えば、「沖縄に寄り添う」とか「負担軽減」とかいってきたことも、全然本心でなく、ウソ。誤魔化しだった。沖縄を基地の島に置く限り、ウソとは縁が切れない。軍事機密が高まれば高まるほどこれは必然の領域になっていく。宮古島の千代田駐屯地内に弾薬庫を造っていたり、これからもあまたウソの山がでてくるだろう(沖縄のウソの山は富士山よりも高いとの説もある)。「普天間代替施設」といいながら、大型機の離着陸ができない辺野古はいったいどうなるのか? 普天間は返ってこないからこそ、不可能としか考えられない軟弱地盤の工事を強行する管政権にも呆れてしまう。一体誰の負担を軽減するつもりなんだろう。お金で負担が買収されるもんですか? 軽減されますか?
ウソの王国・皇国と化してきたこの国は、どこにむかうのだろう。私たちは少なくともウソの王国・皇国はいらない。このままでいたら戦争への道に引きずりこまれてしまう。私たちは「大日本帝国」というウソと監視・弾圧の皇国を反面教師にできるのだ。ウソの王国・皇国から独立する気概をもとう。これを私は2021年の大きな課題に据えたい。