本日(2022年11月2日)の沖縄タイムスに「警棒接触 故意と判断」「沖縄市の高校生失明/県警、巡査を書類送検へ」と出ている。この事件が起きたのは、2022年1月27日の未明。場所は沖縄市コザの交差点近く(沖縄市宮里)の路上で起きたこと。この事件を、1月29日に沖縄タイムスがスクープしたのだった。
私はこれを読み、不当極まりない人権弾圧事件だと考え、状況を推論し、当ブログに書いた。①「『若者抗議 沖縄署に投石』という前になすべきこと」(1月29日)、➁「『警官の接触は警棒による』だとさ」(1月30日)、③「沖縄署警察官による高校生失明事件について」(2月4日)。
①は余りのことに怒った被害者周辺の高校生が沖縄署に向けて怒りの投石をしてしまったことと、本件とを分け、本件について冷静な事実関係を見極めた対応を求めたものだ。➁その延長にその警官が警棒を取り出していたとあったことを重視し、過剰警備だろうと断罪した。③は事実関係に迫り、ほぼ警察官職務執行法による手続きを無視した暴力行為だったとだろうと、推論したものだ。
今日の記事を読むと、沖縄県警捜査一課は、男性巡査を「故意」だったのか、「過失」だったのかを見極め、「故意」だと判断したようだ。故意か過失かという議論は、刑法第195条の特別公務員暴行陵虐と第196条の特別公務員職権濫用等致死傷の2つの条項を適用できると判断したのだろう。職権濫用とは、本件の場合、私が当時書いたとおり、こうした警官の行為が、警察官職務執行法に準拠していたのか、逸脱していたのかの問題を後者に当たり、警察官としての「職権濫用」だと判断したのだろう。
過失であったとしても、17歳の人の右目失明という重篤な加害を行い、その人の人生に取り返しのつかない結果をもたらしたのだ。まして故意、「警察官職務執行法」の手続きを怠る暴力の発動は、断じて私は容認できない。刑事事件としては、書類送検から裁判に委ねられるが、警察のありかたとして、適法な手続きを必ず踏む態勢を取るように改めるべきだ。深夜の警邏・巡回を一人で行うことじたいが彼らを危険な場に追い込み、過剰警備・暴行に走る可能性を高めていないか。とくと再検討すべきだろう。一警官の責任ばかりを問うことだけでは、かえって組織上の責任を隠蔽しかねないと私は懸念している。
沖縄タイムスの報道などの動きが、警察内での隠蔽体質を乗り越え、刑事訴追に至らしめたことは、今後に生かせることだろう。また今後も関連した報道に意を尽くしていただきたい。
最後に、被害に遭われたご本人と、ご家族に、一言申し上げたい。こうした被害・被虐に関わらず、前向きに生き、市民の人権を守ることの重要性を考え続けていただけたら、幸いです。仲間はひとりじゃないです。頑張りましょうね。
【参考法令】
「日本国憲法第31条 法定手続きの保障」
「警察官職務執行法第1条(この法律の目的)」、「同法第2条(質問)」、「同法第5条(犯罪の予防および制止」、「同法第7条(武器の使用)」
上記刑法第195条、196条
「警官、接触時に警棒」だとさ(20220130) - ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び
沖縄署警察官による高校生失明事件について(20220204) - ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び