小笠原諸島の海底火山が8月に爆発し、沖縄各地にも大量の軽石が先月から漂着している。一部の漁港は軽石で埋め尽くされており、また、漁船や定期船のエンジントラブルが起きたり、懸念され、漁が不能になったり、住民の足や生活物資が奪われたりしている。
たかが軽石だが、漁民、島民の死活問題に関わる事態だ。また、辺野古・大浦湾にもこの軽石は、漂着しており、私も11月2日に報告している(既報)。それが11月8日、拡大したと見えて、沖縄防衛局は海上における作業を中止した。当然の措置である。
軽石は海面に層をなして浮いており、海中への透過性を阻み、浮遊しており、潮流や風の影響を受け、状況は刻々と変わる、極めてやっかいな代物だ。工事が中止になったからと、私たちは喜んではいられない。漁民、島民の生活を直撃しているのだから。
いずれにしても、短期的に対処できる問題ではないだろう。沖縄県も除去作業を一部の場所で始めているが、国の支援は欠かせない。これは自然災害なのだから、政治的思惑を超えて行う事は、当然だ。対策の遅れや歪曲があれば、人災の側面が出てくることになる。
なお、海上保安庁、第11管区海上保安本部がこの軽石の漂着状況の概要を提供している(同HP参照)。