事だ。背中から心臓を押しつぶされるような強い痛みで目が覚めた。こたつで寝てたんで 目覚まし見たら4時過ぎ。背中の心臓あたりが圧迫されるように痛いことは何度もあったのだが 今回はそれの酷いやつ。いつもみたいに15分もすればおさまるだろうと思ってたら 30分超えても痛くて くの時になって耐えてたんだが もうどうにも我慢ができず とりあえず嫁はんに電話(嫁はんはベッドで あたしは作業途中でこたつで潰れたので別部屋)しようと携帯を手探りで探し当てて 電話しようとするがうまくいかない。 救急車呼ぶか‥と言うくらい痛いのである。あたしは急性大動脈乖離で肺と脳に行く大事な大動脈が2本人工血管なので もはやこれまで…状態なわけで あー運を使い果たしたな・・と思った瞬間痛みがすっと引いた。携帯見たら30分くらいのたうちまわってたのだが 血圧計ったら133-70で正常。なんだったんだ?とか思うが こんな感じであたしは死ぬのか・・と思った瞬間である。人の最期なんて突然なんだからあのままアウトだったかも知れないのだが 今は何ともない。喉がからからなんでコーラ飲んでる。
文藝春秋の3月号を貸してくれたので 今年の芥川賞の宇佐見りんの 推し、燃ゆ・・を読んだ。まあ 最初の数ページでああ 発達障害のアイドル追っかけ話か・・とは思ったものの 文体は見事に純文学だw だが共感すべきところが何もない。友人の自称発達障害の地下アイドルオタクさんに言わせると 受賞前に買ったけど?とか こともなげに言われたけど あたしとしてはこれハードカバーで買ったのかよ?というのが正直なところだ。まあ誰しも青春真っ只中の時期には 自分の方向性を見出すのに四苦八苦するもので これもあたしなんかが求めていた方向とは真逆だが そういう感じはする。まあ悩まないで受験に集中できるような人はある意味楽だと思うが これくらい壁ばかりの中で悶えるのも若さゆえの過ち・・てガンダムじゃない・・てのw 2時間くらいで読めちゃうのだが もう前半からオチが見えちゃう。必死に出口の明かりを探そうとするのはわかるのだけど こういうのって文豪と呼ばれる方々が20世紀初頭にはやってたわけで 表現の仕方が今風・・というだけであって目新しくもない。著者は21らしいが 次作がどうなるのかいささか心もとない。作家としてのびていくなら 違う出口 違う表現 違う手段で 違う世界を書いても ああこの人の世界ね・・と思わせるものが必要だと思うが そこらへんは未知数だ。次作に期待したい・・と言えばいいのだろうけど この世界を引きずるなら もうお腹いっぱいだ。芥川にしても直木にしても最近の受賞作は面白くない。今 外れのないのは本屋大賞だろう。
社会的なコラムも書ける人だったのは驚き。ブロークン・ブリテンに聞け ブレイディみかこ著 講談社刊 2020年初版。本書は2018年~2020年に群像に掲載されたコラムをまとめたもの。そもそも氏の本を読んでみようと思ったのは 好きな英国の話だからだ。週刊誌の書評に 氏の僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルーについて書かれていて興味を持ったわけだが 著者が保育士であったこともありその領域の話だろうと思ってた(今でも思ってるがw)ので買う気は全く無く 図書館予約したら140名弱の待ち行列で 一人最長2週間だから 回ってくるのは70か月後・・て6年も待つんかい・・で 氏のワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち を借りて読んで面白かったので 本作を借りたわけ。ハマータウン・・は ポール・ウィリアムスのハマータウンの野郎ども からヒントを得てるぽいが こちらは図書館にも無く 既に文庫しかないが 1500円強とお高いので未読だ。こちらのハードカバーは既に絶版で 出たのが1985年だからもう古書だが 8000円弱という恐ろしい値段がついてるのでとても手が出会ない。文庫で1500円強出すなら 船曳由美の黒川能が先に欲しかったのだが 運よく半値以下で新本並みのを手にいれたのでこちらは解決である。まあ いくら本好きでも一冊に4000円弱出すほど裕福ではないから ラッキーだったわけだが。さて 本書 著者が言うように地べたの生活者から見た英国の社会・政治を書いたもの。こういうスタイルで書いているのは アメリカの映画評論がメインで政治・社会まで書いている町山智弘氏で氏はアメリカだが ブレイディみかこ氏は英国だって違いはあるのだがスタイルは共通している。まあしかし 自ら地べたの生活者と自称してるくらい 日常の英国を書いているのが面白い。日本て海外のニュースははいって来るけどそれは政治にしても経済にしても社会にしても世界的ニュースになるような大ごとがメインであって 地べたの情報についてはほとんど知らないのが現実だ。その微妙な空気感を文字にしてるのが アメリカなら町山氏であり 英国ならブレイディみかこ氏なので読んでいて面白い。政治的なことは書かない・・というか書けないのか・・と思っていたが 書かなっただけでって見識も広いし突っ込みもするどくて面白い。氏が翻訳の講座で 英国(UK)をイギリスと訳すのは翻訳者としては致命的である・・と言われたのは面白い。UK=グレートブリテン・北アイルランド連合王国というのが正式名称だから なんでイギリス?と思ってたのだが あれはENGLANDが訛ってイギリスになったそうで 目から鱗だったりする。ワイルドサイド・・でも結構目から鱗だったのだが こちらは鱗ぼろぼろで数倍面白い。あたしも英車のライトウエイトスポーツ乗りだし バイク乗りだが 車もバイクは英車が一番(まあ派手に壊れるらしいからツーリングは国産がいいがw)と思ってるので アメリカはもうお腹いっぱいで やっぱり英国だよなぁ・・と思う。紳士と労働者の国英国だが 音楽以外ほとんど現実を知らなかったので 本書は面白かった。切り口が町山氏はアメリカ映画から ブレイディみかこ氏は音楽からで 文化から社会や政治に切り込んでいくところは共通してしる。英国に興味のない人にはつまんないかも知れないけど 英国の音楽の中で青春を過ごした人には興味深いと思う。一読をお薦めしたい。