挫折した。細雪 谷崎潤一郎 中央公論社刊 1983年初版 である。まあ文庫なのだが 厚みが5センチくらいあるうえ 929ページもある。元々三分冊になってるのを合本したから厚いのだが そのせいか文字が小さいので読みにくい。読んでるうちにどこまで読んだかわからなくなるのである。まあ有名な文芸作品だから読んでおかなきゃなーと読み始めたのだが 20ページいかずして挫折した。初めてのことである。まあ3週間 15日まで借りれるのだが 読み通せるとは思えん。amazonで見たら 同じ奴が1205円 古書が意外と高くて送料入れると800円近いので買うとすれば新本だろう。が 高いが黒川能はどうしても欲しいが これは海のものとも山のものともつかない近代古典文学である。まあ延長すればあと10日くらい延びるからなんとかなると思うのだが心理的に重圧wなのだ。で これには3分冊された新潮社版があって 上が352ページ 中が416ページ 下が512ページである。雑に計算しても1300ページ近いのを合本したので文字も行間も狭いのだろう。で この新潮社版は初版が1955年・・て昭和30年じゃないか・・という話はさておき これも図書館にはあるのを知ってるが 借りても挫折するだろう。1冊ずつ借りて読んだら返すをすればいいんだろうが 梅雨だ。天気を見ながら行くのはしんどい。ちなみに この新潮社版の新本をamazonで買うと2079円 古本だとそれぞれに送料がかかるから1冊30円でも千円を超える。うーむ こりゃヤフオク?って見てみたが 大体千円を超えてる。これじゃ中央公論版の新本買って苦労して読んだ方がマシである。で ふと思いついて メルカリを覗いてみた。すると結構でてるのである。まあSOLDになってるやつで3冊300円とか500円とかあるが売れちゃってるのはもう仕方ない。一番安い奴で送料込みで680円・・・うーむと思ってジモティーも見てみたんだがうちの市では無い。電車代かけていくなら もうメルカリでいいや・・とポチろうとしたら カードの有効期限が古いまま。変更するのに どうも削除しなきゃならんようで 削除して新しいカードを新規登録した。しかし メルカリ PCでアクセスするからなんだろうけど ログインの度にSMSで送られてくる認証コードを入れなくちゃならん。スマホ用に最適化されてて スマホでやればいいんだろうが あたしはPC派だ。めんどいことこのうえない。が まあ夜中に細雪を買ったのである。これで図書館のは返してこようと思う。読むのに義務感と返却日の重圧を感じながら読んでると面白くもなんともない。680円でこれが無期限になるなら安いものであるw
この本をどう評価すればいいのか? 黒川能 1964年黒川村の記憶 船曳由美著 集英社刊 2020年初版 3600円+税だから新本を買えば4千円近い普通のハードカバーである。船曳由美氏と言えば 62年、東京大学文学部卒で平凡社入社、雑誌『太陽』に創刊時から編集者として携わり、民俗、祭礼、伝統行事を取材。著書に『一〇〇年前の女の子』(本書とこれしかない生粋の編集者である)。素人のあたしが説明しようとしてもうまく書けないのでネットから資料を漁ってきたのでご了承いただきたい。56年前、日本中がアジア初の五輪開催に沸くとき、その熱狂に背を向け、雑誌『太陽』の駆け出し編集者が山形県庄内地方の黒川村(現鶴岡市)を訪ねた。そこで500年以上継承されてきた黒川能とその準備を行う村の暮らしを1年にわたり取材する。そして今、当時の記憶を一冊の本にまとめたもの。黒川能は、春日神社を鎮守とする村の暮らしに根差したお祭りです。旧正月の2月1日から2日にかけて行われる王祇(おうぎ)祭では、神社の御神体「王祇様」を上座と下座、2軒の「当屋(とうや)」へお迎えし。そこで夜を徹して能と狂言が演じられ、村人は能舞台を囲んでごちそうをいただく。こうして神と人がともに饗(きょう)することで、1年の恵みに感謝し、新年の五穀豊穣を祈念する。伝統芸能というより、共同体のための神事・・・なのだそうだ。つまるところ本書は最近取材されたものから書かれたものでなく 入社して2年目の新人編集者がグラビア誌太陽の取材のために1年かけて取材した記録から起こされた本である。従って読み始めると おおすごい まだこんな祭が日本に残っていたのか・・と思うのだが19章でその後の黒川が描かれる。黒川村 は平成の大合併で鶴岡市黒川地区になっちゃってるのである。この56年の間に古き良き(都会もんの幻想なのかもしれないが)日本の農村は消え農地の基盤整備で大型の農業機械が入るようになり村は一変する。既に当屋で行える状態ではないし有名になったことで観光客が押しかけ 結局大騒ぎになり 黒川能保存会なんて組織が大騒ぎをし 85年には春日神社境内に櫛引町郷土文化保存伝習館なるものができ 2003年には王祇会館ができ 村の祭りが解体されていくわけである。能装束や面は県や国の文化財となり500年営々と続いてきた神事としての黒川能は風前の灯である。若い人が都会に出ていき戻ってこないから伝承の輪が切れた状態で この先どうなるのかわからないが 少なくとも本書に書かれた黒川能は もはやほとんど失われた過去の亡霊でしかない。こうネタばらしをするのは良くない・・と思うが 昭和39年から40年にかけての古き良き日本の姿を再確認して 我々が失ったものの大きさに気が付く事も大事なことなので 本書は強くお薦めしたい。ネックになるのはこの価格である。部数が出ない・・と思われての値付けだろうがあと千円安ければ無理してでも即買うところだが 残念ながらしばらく様子見である。しかし 平凡社の雑誌の為の取材記録が集英社から出る・・というのもおかしなものだが それを許可した平凡社にも感謝したいものである。子供のころうちにも平凡社の百科事典はあった。度重なる引っ越しの足手まといになっていたのだがあたしが京都に出たあたりで処分したと思う。雑誌太陽の編集長にはあの嵐山光三郎もいた・・というのも今回知ったわけでただのおっさんではない・・と思ってたがいろんな人が関わって一つの時代を作っていたのだな・・と思う。ちなみに船曳由美氏のもう一冊の著作の100年前の女の子をポチったのは前に書いたが うちの図書館の蔵書にもあったので予約して確保されたので後で取ってくる。個人的な話で申し訳ないが あたしは速読である。にもかかわらず本書を読むのに4日かかってる。大体普通のハードカバーなら8時間で読んでしまう(並行して森見登美彦は3冊読んでるから遅いんだろう?とか言われそうだが)のだが 本書内容が濃すぎてついじっくり読んでしまうのだ。それでも一度読んだだけでは半分も頭に入ってない。返却期限が8日だから まだ2回くらいは読むのだろう。この値段だから買って・・とは言わないが図書館にはあるだろうから借りて一読されることを強くお薦めしたい。
これを読んでいたら夜行は買わなかっただろう。amazonでポチったのは失敗か ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦著 角川書店刊 2010年初版である。先にも少し書いたが 森見登美彦氏って腐れ大学生や黒髪の乙女や四畳半や狸を書いてるなら 素晴らしいのだが SFファンタジー(本作がそう 日本SF大賞受賞作)とか 夜行みたいなミステリぽいファンタジー
ではほぼダメである。2011年以前は国会図書館勤務しながら書いてたみたいだが 仕事の受けすぎで病んで結局奈良に帰る(地元は奈良)までの時期ができすぎだったのである。まあ有頂天家族2とか聖なる怠け者の冒険なんかは文句なしに面白いのだが 2016年に専業作家となってからは見るべきものは無い。まあ熱帯は直木賞候補になったらしいが がらりと方向を変えた森見登美彦であって もうあたしの知ってる森見登美彦氏ではない。amazonのレビューに 才能って枯渇するのね・・というのがあったが 同意見である。読者層を広げようというか 一般大衆向けに多く売りたかったのかは知らないが 方向転換は悪い方向に作用したようである。昭和の時代に有名だったフォークシンガーとか今なにしてるんだろう?という感じ。小説家で言えば あたしの好きな昭和の若者特にバイク乗りを代表した片岡義男氏(彼のオートバイ彼女の島なんか有名)もいまや サンデー毎日なんかに意味不明なエッセイを書いてるし・・まあ時代が変われば求められるものも変化していくわけで 今や若者=バイクではなく バイクは中高年のお金のある人の趣味というより自慢か見栄みたいになっちゃってるから仕方ないのだろうが。時代に追従して作風が変わっていけば 昔のファンは離れるし 作風を変えなければ新しい読者を獲得できない・・というジレンマだと思う。森見氏の熱帯は 図書館予約入れたら9人待ちだったのでamazonで古本見たら送料込みで650円だったからポチった。上の世代が 便利にはなったけど昔は良かった・・というのを聞いて 何馬鹿なこと言ってんだ?と思ってた。 ぽっとん便所より水洗トイレの方がいいだろうし 電話が持って歩けて おまけにネットに繋がるんだから今の方がはるかにいいじゃないか?と言いたいところだが 並行して読んでた黒川能の取材時期が昭和39年で 当時の人の濃密な繋がりなんかを知ると 便利になった分 失ったものがはるかに大きいのだな・・と思う。インディアン嘘つかないじゃないが 大半の大人は嘘つかない。一部では嘘が服着てあるてるようなのもいるけど 大半は善人である。
ではほぼダメである。2011年以前は国会図書館勤務しながら書いてたみたいだが 仕事の受けすぎで病んで結局奈良に帰る(地元は奈良)までの時期ができすぎだったのである。まあ有頂天家族2とか聖なる怠け者の冒険なんかは文句なしに面白いのだが 2016年に専業作家となってからは見るべきものは無い。まあ熱帯は直木賞候補になったらしいが がらりと方向を変えた森見登美彦であって もうあたしの知ってる森見登美彦氏ではない。amazonのレビューに 才能って枯渇するのね・・というのがあったが 同意見である。読者層を広げようというか 一般大衆向けに多く売りたかったのかは知らないが 方向転換は悪い方向に作用したようである。昭和の時代に有名だったフォークシンガーとか今なにしてるんだろう?という感じ。小説家で言えば あたしの好きな昭和の若者特にバイク乗りを代表した片岡義男氏(彼のオートバイ彼女の島なんか有名)もいまや サンデー毎日なんかに意味不明なエッセイを書いてるし・・まあ時代が変われば求められるものも変化していくわけで 今や若者=バイクではなく バイクは中高年のお金のある人の趣味というより自慢か見栄みたいになっちゃってるから仕方ないのだろうが。時代に追従して作風が変わっていけば 昔のファンは離れるし 作風を変えなければ新しい読者を獲得できない・・というジレンマだと思う。森見氏の熱帯は 図書館予約入れたら9人待ちだったのでamazonで古本見たら送料込みで650円だったからポチった。上の世代が 便利にはなったけど昔は良かった・・というのを聞いて 何馬鹿なこと言ってんだ?と思ってた。 ぽっとん便所より水洗トイレの方がいいだろうし 電話が持って歩けて おまけにネットに繋がるんだから今の方がはるかにいいじゃないか?と言いたいところだが 並行して読んでた黒川能の取材時期が昭和39年で 当時の人の濃密な繋がりなんかを知ると 便利になった分 失ったものがはるかに大きいのだな・・と思う。インディアン嘘つかないじゃないが 大半の大人は嘘つかない。一部では嘘が服着てあるてるようなのもいるけど 大半は善人である。
外れである。 太陽と乙女 森見登美彦著 新潮社刊 2017年初版。前出のぐるぐる問答が限りなくつまらなかったので 嫌な予感はしたが 送料込みで700円だったので酔いにまかせてポチったわけで 来るまでに図書館にあったので借りてきて1日で読んでしまった。408ページもあるのだけれど 我いかにして作家になったか 我いかにして書くか 構想を練るか・・みたいな内容で amazonの評価が4でいい評価と 駄本とに分かれているが まあ夜行までの森見ファンとしては持っておいてもいいかな・・という感じである。どこから読んでもいい 一度に全部読まなくていい 寝る前に少し読めば・・と本人が言うとおりに どこから読んでもつまらないから眠くなること請け合いである。しかし 森見氏 それも夜行までの腐れ大学生や狸の話は素晴らしく素敵なのに 対談とかエッセイはなんでこんなこむずかしく書いてかつ中身が無いのか?と思う。まあ図書館で借りて読めばいいだろう。あたしは半ば義務感で買ったのであーあ・・なのである。で ペンギンハイウェイの話が出てくるので そういや読んで無かったな・・と。森見作品の真骨頂は腐れ大学生であり四畳半であり狸なので それ以外はまあ華麗にスルーしてたのだが 京都が舞台じゃない昔の森見SFファンタジーってどんなもんだろうか?と 図書館で予約したにも関わらずポチった。まあ送料込みで365円なので外れても損害は軽微である。で 図書館予約いれたら翌朝にはもう確保しましたメールが来たので うーむ・・と思いながら取ってきて少し読んだが これも外れっぽい。船曳由美の黒川能は能や狂言に多少の知識が無いと歯が立たない。あたしもゼロではないけど ほんとに多少の知識なので苦労したが一通りは読んだ。次に待ってる人がいるので2週間しか借りれないが もう一度読む。さらに読みたきゃ 返した窓口の向かいの検索端末でまた予約をいれるだけだ。ところで 船曳由美氏・・ってなんか名前に憶えがあるな・・と調べてみたら 母親の記憶をたどって書いた 100年前の女の子が気になってことを思い出した。amazonで検索したら文庫が出ているが 迷わず単行本を見たら2円で古本がある。これも多分図書館にはあるのだろうが 船曳氏の書き方が気に入ったので迷わずポチった。今検索したらやっぱりあるが これは欲しかったので良しとする。そのうち床が抜ける・・あーその心配はないな。うちはマンションであるw
多分ダメだろうな・・と思いつつ 森見ファンとしては1冊はw持っておくべきだろうと amazonでポチった森見登美彦対談集ぐるぐる問答 小学館刊 2016年初版である。amazonでポチっておいて なぜ図書館?とか思われそうだが まだ来てないのと図書館に在架してるのと 貸し出し冊数にまだ余裕があるからである。そして明日は天気が悪い。枠が残ってるから 同じく森見氏の太陽と乙女も借りた。これはamazonで評価が大きく割れてるエッセイ集なのだが これもポチってるw まあ早く読みたいというのもあるが 今読んでる黒川能に疲れた時にすぐ読みたい・・というだけの話。で このぐるぐる問答 最後まで読んだが最後まで面白くない。まあ1200円だから欲しい人は買えばいいかとは思うが 2016年10月というのは夜行が出た月である。夜行はもうマケプレで買って読んだのだが 薄めた森見登美彦・・という感じ。舞台が鞍馬ってだけで普通のミステリーである。腐れ大学生も黒髪の乙女も狸も天狗も出てこない至極真っ当な話だけに 森見登美彦でなければ・・という独特の味が薄いのである。同時期に出た本書は二匹目のドジョウ狙いか?というくらいにつまらない。個人的にはこれは古本で十分である。