お薦めできる一冊・・というか上・下巻なので二冊だがw 京都の寺社505を歩く 山折哲夫監修 槙野修著 PHP新書刊 2007年初版である。京都の寺社のガイドブックだが 地図やらそういった類は一切無い。住所と電話番号 拝観の有無 そしていわれが一ページくらいにまとめてある。小さい寺社まで漏れなく載ってるのでこれと地図があれば京都はフルカバーできる。残念なのは既に絶版なので 定価920円なのに上巻は古書で600円から 下巻は1852円から・・と無茶な値段がついてること。下巻にいたってはデッドストックが9800円なんて法外な値段で出てるのにはあきれる。(ちなみに下巻を古書で960円で買ったw)同じ監修著者で江戸東京の寺社609とか鎌倉の寺社122 奈良の寺社150を歩く・・てのも出てるが こっちはまだ在庫があるようだが 興味が無いので割愛させていただく。お好きな方はどうぞ。あたしは今は東京だが 東京の寺社も鎌倉の寺社もあまり興味が無いので京都の寺社と昔住んでた奈良を買った。まあ 一応江戸東京の寺社の上巻と鎌倉の寺社も買ったけど行く気はあんまりないw さてオサレなカフェや老舗 行列のできる飲食店なんかは観光ガイドブックにまかせて この本だけで京都・奈良を全てカバーできるのはありがたい。あたしは地図に成美堂出版の歩く地図京都散歩を組み合わせて使ってるが これで十分以上にして十分。京都は町がコンパクトなのでバスと歩きでほぼカバーできる。京都は自転車観光が・・とか宣伝されててレンタサイクル屋も多いのだが 中心部は自転車走行禁止だし 公共の駐輪場は150円だ。市バスを使うなら断然お得な600円の一日乗車券が京都駅バス乗り場の自販機か車内では運転手から買える。市バスの料金は230円だから3回乗れば元が取れるし レンタサイクルもいいのだが町中の寺社には駐輪スペースが無いので結局 市営駐輪場にとめて歩く羽目になる。お店行くとならば更に自転車は邪魔だ。大昔の話だが 学生時代京都に出てきてすぐのころ 知らずに河原町三条のあたりの河原町通を自転車で走ってて バスの運転手にマイクでここは自転車走行禁止です~と怒られて衆人環視の中恥ずかしい思いをしたのもいい思い出であるw
古本屋で100円で買ったローカル線ひとり旅 谷川一巳著 光文社新書 2004年初版が面白かったので(本書はアップデートされて光文社知恵の森文庫から出ている 初版2014年)この手の鉄道旅の本は無いか?と図書館を検索してみたら シニア鉄道旅のすすめ 野田隆著 平凡社新書 2018年初版・・なんて新しいのがあったので借りてみた。ローカル線・・のほうは鉄道でどれだけ貧乏旅ができるか?・・という内容の本だったので あたしにはとても面白く読めた。 ので今度も・・って期待したのだが こっちは観光列車だのレストラン列車や豪華列車がメインの本でがっかり。あたしは シニアでは無いのだが シニア=お金に余裕がある・・って前提で書かれてる本で ひたすら優雅で豪華な鉄道旅を・・って趣旨。なので すさまじくつまらない。鉄道旅って 地方に密着した空間を次々と抜けていくのが楽しいんであって 豪華列車で優雅な食事をしながら閉鎖された空間で目的地まで・・ってなんかつまんないな・・と思う。あたしは 旅が好きなので 豪華な旅行に行くなら 同じ金かけるなら何度も貧乏旅行した方がいい・・と思う人だ。なので 最近の移動は安い夜行高速バスだが あれって予約を取ってとりあえず遠くまで行く・・ってところから楽しみがあって そこから先はローカルな旅で土地に馴染んでいくのが楽しい。シニア・・ってそんなにお金余ってるのか?とか思うが何倍もの料金を払っても着くところは同じである。新幹線のグランクラスに・・って話もあるが あたしは夜行バスの方が何倍も好きである。まあ 激的に安い料金で行けるというのが一番だがw 最近やぼ用で通ってる京都だって 新幹線と夜行バスを比べると3倍もの開きがあるからもう比較にならない。旅は荷物が少ないほどいいし 貧乏旅であればあるほどいい。まあそれなりの年齢になれば体面とか格好つけたい気持ちもわからんではないがw BMWより廃車寸前の軽自動車で旅に出た方が何倍も楽しい・・と思うあたしはひねくれものであるw
<弱さ>のちから ホスピタブルな光景 鷲田清一著 講談社刊 2001年初版。著者は京大出の哲学者 この本が出た当時は阪大教授。元々月刊誌に掲載されてた なんらかの形でケアに関わっている13人の対談をまとめたもの。ゲイバーのマスターからセラピストまで幅広い。単行本化に当たって めいわくかけてありがとう 「その他の関係」のために が書き下ろされている。この中で喪失することへの焦り・・というのが気になった。あたしは大病して 一応は生きているけど明日はわからない状態である。生を喪失する焦りというのはある。人生病んでるわけで メンタルも病んでるからもう出口なんかないんじゃないか?状態。さて この書き下ろしの部分は 他者との関係性について書かれててなかなか面白い。極端な話大部分を占める対談部分は無くてもこの章だけで成立する話だな・・と思う。鷲田氏と言えば 書棚にてつがくこじんじゅぎょう・・て氏と某永江氏との対談本があるのだが 当時は永江氏のことは知らずに 鷲田清一の対談本・・てことで買ったのである。なんで鷲田氏かというと一連の京都本の中に 氏の 京都の平熱があって面白かったので買ったのだが 対談相手がまさか~というわけなのでwちょっと読んでほったらかしてある。さて そろそろ息切れしてきた。木曜に病院行った帰りに6冊取ってきて2日で全部読んで 日経4日分と週刊誌3冊 月刊誌4冊を読んで今である。少し読書疲れである。Jazzradio.comでも聴いてぼんやりするとしよう。
倒錯のアナグラム 周縁的ポルノグラフィーの劇場 秋田昌美著 青弓社刊 1988年初版。これもamazonのカートのウェイティングである。まさか無いだろうと思ったら図書館にあった。最近本が増えすぎて3つある本棚も前後2列に入れてもまだ平積みしてるのがあるので 嫁はんから苦情が出てるのであんまり買えないので 図書館にあるものは借りて どうしても欲しいものだけ買うようにしている。さて本書 倒錯・・というか一般的に変態とか言われる フェティシズム・靴フェチ・ラバーフェチ・シーメール・SM・ボンデージなんかの特殊な性嗜好の欧米北欧の歴史的考察が内容。古いところでは13世紀あたりから始まり現代・・と言っても80年代までだがの歴史的資料と言ったところか この本が出た88年ごろってまだネットなんか無かったわけだから 無修正のポルノ雑誌が欲しくても買えなかった時代である。ソフトコアのペントハウスやプレイボーイですら本国版はヘアが写ってて 当時ヘアは解禁されて無かったからみんな黒塗りされてた。これをパターでこすると黒塗りが落ちるとか 間抜けな情報が飛び交っていたが当然デマであるw ハードコアの雑誌に至っては国内からオーダーすることは可能だが 輸入に当たって税関での抜き取り検査があって(当然全部開封検査はできないから怪しそうなのだけ抜き取って検査)わいせつ図書だと 手紙が来て出頭するか任意放棄するか連絡せよ・・なんて言われるわけである。本書にこういう場合はどうすればいいか?というと 無視してると発送元に送り返され運が良ければ再発送してもらえ さらに運が良ければ税関の目をくぐりぬけて配達される・・なんてノウハウが載ってたりするwあたしも最初にハードコアの雑誌を見たのは 下鴨の飲み屋だったが うわっ欧米ではこんなん普通に売ってるのかよ?と思った記憶があるのが懐かしい。今ではネットで無料で動画まで見れるのだから隔世の感があるのは言うまでも無い。本書 資料的価値は高いもののむやみに劣情を刺激wするものではないので興味のある方はどうぞ。これも公共の本棚行きである。
ひとりで暮らすということ 寿岳章子著 海竜社刊 1995年初版。これもamazonのカートのウェィティングだった本だ。手ごろなのが出てたのでカートに入れてポチする前に amazonのレビューを見たら 一人暮らしの知恵とかヒントとかの本と思ったのに 学者先生の日常・・・と低い評価がついてるのが面白いw 氏は東北大出の京都府立大学の教授だった国語学者。氏の著書に京都三部作というか 京都町なかの暮らし 京に暮らすよろこび 京の思い道 (湖北の光はこの際別として)という良書があって 全部持ってるのだが この挿絵を描いてる沢田重隆氏というのがまた良いのである。ペン画なのだが いかにも昔の京都・・で味があって素晴らしい。大体こういうのは繰り返し見るので空中分解しそうで 文庫版も出てるのだが あえて古びた単行本を買った。文庫では絵が小さすぎて物足りないのである。さて本筋からは外れるが 氏は京都市内 それも洛中住まい・・と思っていたが 実際は向日市に家があるそうな。町なかの暮らしや京に暮らす・・を見ているとてっきり洛中が実家と思ったら違うようだが小さい頃は南禅寺の寺内の借家にいた・・というからなんとなく謎が解けた気がする。あたしの好きな京都の漫画家の魚田南氏が市内と市外の壁みたいな話を書いてたが 京都市内と上は多分京都 下も多分京都というあれだw 京都市内でも上京・中京・下京の洛中以外は京都じゃないとか 中京の旦那衆に至っては鉾町以外は京都じゃないという京都中華思想があったりしてややこしいw 魚田氏は大阪よりで枚方が近そうなんでたぶん京都だが 先にも書いたが京橋-出町柳が特急で52分だから たぶん京都でも京都府には違いない。そんなこと言い出したら うちなんか新宿から50分弱の多摩地方なんで 多分東京wと言われそうだが。寿岳氏は研究が面白くての一人暮らしのようだが これはこれで面白い。京都の竹林に関する章はあるものの 学者先生の日常の随筆(エッセイというほど軽くない)だ。 濃密な家族の時間を描いてたりするので良書だと思うが 部屋の本棚に空きが無いのと 森見登美彦氏の密林を買いたいので我慢 しばらくは公共の本棚に入れておくとしよう。しかし熱帯 待ちが28人もいるわけで一人最大二週間なので最長で14ヶ月待ち・・ってありえんだろう・・という話だ。これは買うしか無いか・・と半ば諦めているのだが今月はリラックマを買ったのでもう予算が無い。しくしく