万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌2347 海人小舟2176

2017年01月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌2347 海人小舟2176

海人小舟 泊瀬の山に 降る雪の
日長く恋ひし 君が音ぞする  

2176     万葉短歌2347 ShuE732 2017-0116-man2347

あまをぶね はつせのやまに ふるゆきの
 けながくこひし きみがおとぞする
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第11首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第15首。女歌。
【訓注】海人(あま=海)。泊瀬(はつせ)。降る雪の(ふるゆきの=落雪之)。日長く(けながく=消長)[下記注]。
【編者注-けながく】対応原文の出現か所は、次のとおり。01-0060気長妹之(けながくいもが)、02-0085気長成奴(けながくなりぬ)、-0090気長久成奴(けながくなりぬ)、04-0648気長久成奴、05-0867気那我久奈理奴(けながくなりぬ)、06-0940気長在者(けながくしあれば)、-0993気長恋之(けながくこひし)、10-2016真気長(まけながく)、-2073真気長、-2278気長有者(けんがくしあれば)、-2347消長恋師(けながくこひし)、11-2614(長歌)気長恋之(けながくこひし)、-2814真気長、-2815真氣永(まけながく)、15-3668気奈我久之安礼婆(けながくしあれば)。
【編者注-けながき】対応原文の出現か所は、次のとおり。10-2017気長物乎(けながきものを)、-2038気長物乎、-2039気長物乎、-2079食長物乎(けながきものを)、-2334食永我(けながきあれは)、17-3957(長歌)気奈我枳物能乎(けながきものを)、18-4127気奈我伎古良河(けながきこらが)。


万葉短歌2346 うかねらふ2175

2017年01月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌2346 うかねらふ2175

うかねらふ 跡見山雪の いちしろく
恋ひば妹が名 人知らむかも  

2175     万葉短歌2346 ShuE731 2017-0115-man2346

うかねらふ とみやまゆきの いちしろく
 こひばいもがな ひとしらむかも
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第10首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第14首。男歌。
【訓注】うかねらふ(窺良布)[08-1576宇加埿良比(うかねらひ)]。跡見(とみ)[06-0926(長歌)跡見居置而(とみすゑおきて)、08-1549(旋頭歌)射目立而跡見乃岳辺之(いめたてて とみのをかへの)]。いちしろく(灼然)。


万葉短歌2345 天霧らひ2174

2017年01月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌2345 天霧らひ2174

天霧らひ 降りくる雪の 消なめども
君に逢はむと ながらへわたる  

2174     万葉短歌2345 ShuE731 2017-0114-man2345

あまぎらひ ふりくるゆきの けなめども
 きみにあはむと ながらへわたる
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第9首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第13首。女歌。
【原文】10-2345  天霧相 零来雪之 消友 於君合常 流経度  作者未詳


万葉短歌2344 梅の花2173

2017年01月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌2344 梅の花2173

梅の花 それとも見えず 降る雪の
いちしろけむな 間使遣らば  

2173     万葉短歌2344 ShuE728 2017-0113-man2344

うめのはな それともみえず ふるゆきの
 いちしろけむな まつかひやらば
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第8首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第12首。脚注に、「一云 零雪尓 間使遣者 其将知名(降る雪に 間使遣らば それと知らむな)」。女歌。
【訓注】それとも見えず(それともみえず=其跡毛不所見)。〔降る=零〕。いちしろ(市白)。間使(まつかひ)。


万葉短歌2343 我が背子が2172

2017年01月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌2343 我が背子が2172

我が背子が 言うるはしみ 出でて行かば
裳引きしるけむ 雪な降りそね  

2172     万葉短歌2343 ShuE728 2017-0112-man2343

わがせこが ことうるはしみ いでてゆかば
 もびきしるけむ ゆきなふりそね
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第7首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第11首。女歌。
【訓注】我が背子(わがせこ=吾背子)。うるはしみ(愛美)。しるけむ(将知)。〔降る=零〕。


万葉短歌2342 夢のごと2171

2017年01月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌2342 夢のごと2171

夢のごと 君を相見て 天霧らし
降りくる雪の 消ぬべく思ほゆ  

2171     万葉短歌2342 ShuE728 2017-0111-man2342

いめのごと きみをあひみて あまぎらし
 ふりくるゆきの けぬべくおもほゆ
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第6首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第10首。女歌。
【原文】10-2342  如夢 君乎相見而 天霧之 落来雪之 可消所念  作者未詳


万葉短歌2341 思ひ出づる2170

2017年01月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌2341 思ひ出づる2170

思ひ出づる 時はすべなみ 豊国の
由布山雪の 消ぬべく思ほゆ  

2170     万葉短歌2341 ShuE728 2017-0110-man2341

おもひいづる ときはすべなみ とよくにの
 ゆふやまゆきの けぬべくおもほゆ
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第5首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第9首。男歌。
【訓注】思ひ出づる(おもひいづる=思出)。すべなみ(為便無)。豊国の由布山(とよくにのゆふやま=豊国之由布山)[大分県由布岳]。


万葉短歌2340 一目見し2169

2017年01月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌2340 一目見し2169

一目見し 人に恋ふらく 天霧らし
降りくる雪の 消ぬべく思ほゆ  

2169     万葉短歌2340 ShuE728 2017-0109-man2340

ひとめみし ひとにこふらく あまぎらし
 ふりくるゆきの けぬべくおもほゆ
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第4首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第8首。男歌。
【原文】10-2340 一眼見之 人尓恋良久 天霧之 零来雪之 可消所念  作者未詳


万葉短歌2339 吉隠の2168

2017年01月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌2339 吉隠の2168

吉隠の 野木に降り覆ふ 白雪の
いちしろくしも 恋ひむ我れかも  

2168     万葉短歌2339 ShuE726 2017-0108-man2339

よなばりの のぎにふりおほふ しらゆきの
 いちしろくしも こひむあれかも
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第3首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第7首。女歌。
【訓注】吉隠(よなばり=吉名張)[10-2190参照]。降り覆ふ(ふりおほふ=零覆)。いちしろく(市白)。我れ(あれ=吾)。


万葉短歌2338 霰降り2167

2017年01月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌2338 霰降り2167

霰降り いたも風吹き 寒き夜や
旗野に今夜 我がひとり寝む  

2167     万葉短歌2338 ShuE725 2017-0107-man2338

あられふり いたもかぜふき さむきよや
 はたのにこよひ あがひとりねむ
=作者未詳。
【編者注】「寄雪」(10-2337~48、十二首)の第2首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第6首。男歌。
【訓注】降り(ふり=零)。いたも(板聞)。旗野(はたの)[奈良県高市郡高取町(明日香村隣接、旧波多郷)?明日香村畑?]。今夜(こよひ)。我がひとり寝む(あがひとりねむ=吾独寐牟)。


万葉短歌2337 笹の葉に2166

2017年01月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌2337 笹の葉に2166

笹の葉に はだれ降り覆ひ 消なばかも
忘れむと言へば まして思ほゆ  

2166     万葉短歌2337 ShuE725 2017-0106-man2337

ささのはに はだれふりおほひ けなばかも
 わすれむといへば ましておもほゆ
=作者未詳。
【編者注】題詞は「寄雪」(10-2337~48、十二首)、その第1首。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第5首。男歌。
【訓注】笹の葉(ささのは=小竹葉)。はだれ降り(はだれふり=薄太礼零)。まして思ほゆ(ましておもほゆ=益所念)。


万葉短歌2336 はなはだも2165

2017年01月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌2336 はなはだも2165

はなはだも 夜更けてな行き 道の辺の
ゆ笹の上に 霜の降る夜を  

2165     万葉短歌2336 ShuE724 2017-0105-man2336

はなはだも よふけてなゆき みちのへの
 ゆささのうへに しものふるよを
=作者未詳。
【編者注】題詞は「寄霜」。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第4首。女歌。
【訓注】はなはだも(甚毛)。な(勿)。ゆ(湯)[07-1110湯種蒔(ゆたねまく)]。上(うへ=於)。降る(ふる=降)。


万葉短歌2335 咲き出照る2164

2017年01月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌2335 咲き出照る2164

咲き出照る 梅の下枝に 置く露の
消ぬべく妹に 恋ふるこのころ  

2164     万葉短歌2335 ShuE723 2017-0104-man2335

さきでてる うめのしづえに おくつゆの
 けぬべくいもに こふるこのころ
=作者未詳。
【編者注】題詞は「寄露」。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第3首。男歌。
【訓注】下枝(しづえ)。消ぬ(けぬ=消)。恋ふるこのころ(こふるこのころ=恋頃者)。


万葉短歌2334 沫雪は2163

2017年01月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌2334 沫雪は2163

沫雪は 千重に降りしけ 恋ひしくの
日長き我れは 見つつ偲はむ  

2163     万葉短歌2334 ShuE721 2017-0103-man2334

あわゆきは ちへにふりしけ こひしくの
 けながきあれは みつつしのはむ
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】巻頭2首、題詞なし。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第2首。左注に、「右柿本朝臣人麻呂之歌集出」。
【訓注】沫雪は(あわゆきは=泡沫)。〔降る=零〕。日長き我れは(けながきあれは=食永我)。


万葉短歌2333 降る雪の2162

2017年01月02日 | 万葉短歌

***** 冬相聞(10-2333~2350、十八首)  *****

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万葉短歌2333 降る雪の2162

降る雪の 空に消ぬべく 恋ふれども
逢ふよしなしに 月ぞ経にける  

2162     万葉短歌2333 ShuE721 2017-0102-man2333

ふるゆきの そらにけぬべく こふれども
 あふよしなしに つきぞへにける
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】巻頭2首、題詞なし。冬相聞(10-2333~2350、十八首)の第1首。次歌左注参照。
【訓注】〔降る=零〕。空に消ぬべく(そらにけぬべく=虚空可消)。逢ふよしなしに(あふよしなしに=相依無)。