万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌2443 隠りどの2255

2017年04月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌2443 隠りどの2255

隠りどの 沢泉にある 石根ゆも
通してぞ思ふ 我が恋ふらくは  

2255     万葉短歌2443 ShuF117 2017-0415-man2443

こもりどの さはいづみにある いはねゆも
 とほしてぞおもふ あがこふらくは
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第29首。男。
【訓注】隠りどの(こもりどの=隠処)[11-2794隠津之(こもりづの)、14-3428祢度奈佐利曽祢(ねど〈寝処〉なさりそね)、-3546多知度奈良須母(たちど〈立処〉ならすも)]。


万葉短歌2442 大地は2254

2017年04月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌2442 大地は2254

大地は 取り尽すとも 世の中の
尽しえぬものは 恋にしありけり  

2254     万葉短歌2442 ShuF116 2017-0414-man2442

おほつちは とりつくすとも よのなかの
 つくしえぬものは こひにしありけり
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第28首。男。
【訓注】大地は(おほつちは=大土)。世の中の(よのなかの=世中)。恋にしありけり(こいにしありけり=恋在)。


万葉短歌2441 隠り沼の2253

2017年04月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌2441 隠り沼の2253

隠り沼の 下ゆ恋ふれば すべをなみ
妹が名告りつ 忌むべきものを  

2253     万葉短歌2441 ShuF115 2017-0413-man2441

こもりぬの したゆこふれば すべをなみ
 いもがなのりつ いむべきものを
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第27首。男。
【訓注】隠り沼の(こもりぬの=隠沼)[02-0201隠沼乃(こもりぬの)]。下ゆ(したゆ=従裏)。すべをなみ(無乏)。


万葉短歌2440 近江の海2252

2017年04月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌2440 近江の海2252

近江の海 沖漕ぐ舟の いかり下ろし
忍びて君が 言待つ我れぞ  

2252     万葉短歌2440 ShuF111 2017-0412-man2440

あふみのうみ おきこぐふねの いかりおろし
 しのびてきみが ことまつわれぞ
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第26首。女。
【訓注】近江の海(あふみのうみ=近江海)。沖漕ぐ舟の(おきこぐふねの=奥滂船)。いかり(重)[11-2738重石下(いかりおろし)]。忍びて君が(しのびてきみが=蔵公之)[依拠本注=底本等、「蔵」の左にシノヒテとある]。言待つ我れぞ(ことまつわれぞ=事待吾序)。


万葉短歌2439 近江の海2251

2017年04月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌2439 近江の海2251

近江の海 沖つ島山 奥まけて
我が思ふ妹を 言の葉繁けく  

2251     万葉短歌2439 ShuF110 2017-0411-man2439

あふみのうみ おきつしまやま おくまけて
 あがおもふいもを ことのはしげけく
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第25首。男。
【訓注】近江の海(あふみのうみ=淡海)。沖つ島山(おきつしまやま=奥島山)。奥まけて(おくまけて=奥儲)。我が思ふ妹を(あがおもふいもを=我念妹)。言の(ことの=事)。


万葉短歌2438 人言は2250

2017年04月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌2438 人言は2250

人言は しましぞ我妹 綱手引く
海ゆまさりて 深くしぞ思ふ  

2250     万葉短歌2438 ShuF110 2017-0410-man2438

ひとごとは しましぞわぎも つなでひく
 うみゆまさりて ふかくしぞおもふ
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第24首。男。
【訓注】人言は(ひとごとは=人事)。しましぞ我妹(しましぞわぎも=蹔吾妹)。


万葉短歌2437 沖つ藻を2249

2017年04月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌2437 沖つ藻を2249

沖つ藻を 隠さふ波の 五百重波
千重しくしくに 恋ひわたるかも  

2249     万葉短歌2437 ShuF110 2017-0409-man2437

おきつもを かくさふなみの いほへなみ
 ちへしくしくに こひわたるかも
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第23首。男。
【訓注】沖つ藻を(おきつもを=奥藻)。隠さふ波の(かくさふなみの=隠障浪)。しくしくに(敷々)。


万葉短歌2436 大船の2248

2017年04月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌2436 大船の2248

大船の 香取の海に いかり下ろし
いかなる人か 物思はずあらむ  

2248     万葉短歌2436 ShuF110 2017-0408-man2436

おほふねの かとりのうみに いかりおろし
 いかなるひとか ものもはずあらむ
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第22首。男。
【訓注】香取の(かとりの=香取)[滋賀県高島市辺。楫取(かじとり、かとり)]。いかり(慍)[11-2627咲見慍見(ゑみみいかりみ)、集中2例]。いかなる(何有)。物思はず(ものもはず=物不念)。


万葉短歌2443 隠りどの2255

2017年04月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌2443 隠りどの2255

隠りどの 沢泉にある 石根ゆも
通してぞ思ふ 我が恋ふらくは  

2255     万葉短歌2443 ShuF117 2017-0415-man2443

こもりどの さはいづみにある いはねゆも
 とほしてぞおもふ あがこふらくは
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第29首。男。
【訓注】隠りどの(こもりどの=隠処)[11-2794隠津之(こもりづの)、14-3428祢度奈佐利曽祢(ねど〈寝処〉なさりそね)、-3546多知度奈良須母(たちど〈立処〉ならすも)]。


万葉短歌2435 近江の海2247

2017年04月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌2435 近江の海2247

近江の海 沖つ白波 知らずとも
妹がりといはば 七日越え来む  

2247     万葉短歌2435 ShuF110 2017-0407-man2435

あふみのうみ おきつしらなみ しらずとも
 いもがりといはば なぬかこえこむ
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第21首。男。
【訓注】近江の海(あふみのうみ=淡海々)[滋賀県の琵琶湖]。沖つ白波(おきつしらなみ=奥白浪)。七日(なぬか)。


万葉短歌2434 荒磯越し2246

2017年04月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌2434 荒磯越し2246

荒磯越し 外行く波の 外心
我れは思はじ 恋ひて死ぬとも  

2246     万葉短歌2434 ShuF110 2017-0406-man2434

ありそこし ほかゆくなみの ほかごころ
 あれはおもはじ こひてしぬとも
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第20首。男。
【訓注】荒磯(ありそ=荒礒)。外行く波(ほかゆくなみ=外徃波)。外心(ほかごころ)。我れ(あれ=吾)。恋ひて死ぬ(こひてしぬ=恋而死)。


万葉短歌2433 水の上に2245

2017年04月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌2433 水の上に2245

水の上に 数書くごとき 我が命
妹に逢はむと うけひつるかも  

2245     万葉短歌2433 ShuF105 2017-0405-man2433

みづのうへに かずかくごとき わがいのち
 いもにあはむと うけひつるかも
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第19首。男。
【訓注】我が命(わがいのち=吾命)。うけひ(受日)[04-0767得飼飯而雖宿(うけひてぬれど)、下記注]。
【依拠本注-うけひ】「うけふ」は、ある事を心に誓って神に祈り、神意をうかがうこと。


万葉短歌2432 言に出でて2244

2017年04月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌2432 言に出でて2244

言に出でて 言はばゆゆしみ 山川の
たぎつ心を 塞かへたりけり  

2244     万葉短歌2432 ShuF105 2017-0404-man2432

ことにいでて いはばゆゆしみ やまがはの
 たぎつこころを せかへたりけり
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第18首。男。
【訓注】言はばゆゆしみ(いはばゆゆしみ=云忌々)。たぎつ心を(たぎつこころを=当都心)。


万葉短歌2431 鴨川の2243

2017年04月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌2431 鴨川の2243

鴨川の 後瀬静けく 後も逢はむ
妹には我れは 今ならずとも  

2243     万葉短歌2431 ShuF105 2017-0403-man2431

かもがはの のちせしづけく のちもあはむ
 いもにはわれは いまならずとも
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第17首。男。
【訓注】鴨川(かもがは)[京都市内の川。下記注]。我れは(われは=我)。
【編者注-鴨川】「加茂川とも。現在、高野川合流点(出町)以北を賀茂川、以南を鴨川と使い分けられるが、現河川法 では全長を鴨川と総称する。」(京都市オフィシャルサイト「京都観光Navi」)


万葉短歌2430 宇治川の2242

2017年04月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌2430 宇治川の2242

宇治川の 水沫さかまき 行く水の
事かへらずぞ 思ひそめてし  

2242     万葉短歌2430 ShuF105 2017-0402-man2430

うぢがはの みなあわさかまき ゆくみづの
 ことかへらずぞ おもひそめてし
=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2415~2507、93首)の第16首。男。
【訓注】宇治川(うぢがは=是川)。水沫さかまき(みなあわさかまき=水沫逆纒)。思ひそめてし(おもひそめてし=思始為)。