2018-0615-man2853
万葉短歌2853 真玉つく2665
真玉つく をちをし兼ねて 思へこそ
一重の衣 ひとり着て寝れ ○
2665 万葉短歌2853 ShuF475 2018-0615-man2853
□またまつく をちをしかねて おもへこそ
ひとへのころも ひとへきてねれ
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2851-2863、13首)の第3首。女。
【訓注】真玉つく(またまつく=真珠服)[立派な玉を身に着ける]。をちをし(遠)[「未来、将来」]。
2018-0615-man2853
万葉短歌2853 真玉つく2665
真玉つく をちをし兼ねて 思へこそ
一重の衣 ひとり着て寝れ ○
2665 万葉短歌2853 ShuF475 2018-0615-man2853
□またまつく をちをしかねて おもへこそ
ひとへのころも ひとへきてねれ
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2851-2863、13首)の第3首。女。
【訓注】真玉つく(またまつく=真珠服)[立派な玉を身に着ける]。をちをし(遠)[「未来、将来」]。
2018-0614-man2852
万葉短歌2852 人言の2664
人言の 繁き時には 我妹子し
衣なりせば 下に着ましを ○
2664 万葉短歌2852 ShuF475 2018-0614-man2852
□ひとごとの しげきときには わぎもこし
ころもなりせば したにきましを
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(2851-2863、13首)の第2首。男。
【原文】12-2852 人言 繁時 吾妹 衣有 裏服矣 作者未詳
*** 万葉集 巻12 寄物陳思の部(2851-2863、13首) 始 ***
2018-0613-man2851
万葉短歌2851 人の見る2663
人の見る 上は結びて 人の見ぬ
下紐開けて 恋ふる日ぞ多き ○
2663 万葉短歌2851 ShuF475 2018-0613-man2851
□ひとのみる うへはむすびて ひとのみぬ
したひもあけて こふるひぞおほき
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「寄物陳思」(きぶつちんし、2851-2863、13首)の第1首。女。
【原文】12-2851 人所見 表結 人不見 裏紐開 恋日太 作者未詳
2018-0612-man2850
万葉短歌2850 うつつには2662
うつつには 直には逢はず 夢にだに
逢ふと見えこそ 我が恋ふらくに ○
2662 万葉短歌2850 ShuF471 2018-0612-man2850
□うつつには ただにはあはず いめにだに
あふとみえこそ あがこふらくに
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒」(2841-2850、10首)の第10首。男?
【訓注】うつつには(現)。夢にだに(いめにだに=夢谷)。逢ふと(あふと=相)。我が恋ふらくに(あがこふらくに=我恋国)。
*** 万葉集 巻12 正述心緒の部(2841-2850、10首) 終 **
2018-0611-man2849
万葉短歌2849 ぬばたまの2661
ぬばたまの その夢にをし 見え継ぐや
袖干る日なく 我れは恋ふるを ○
2661 万葉短歌2849 ShuF471 2018-0611-man2849
□ぬばたまの そのいめにをし みえつぐや
そでふるひなく あれはこふるを
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒」(2841-2850、10首)の第9首。女。
【原文】12-2849 烏玉 彼夢 見継哉 袖乾日無 吾恋矣 作者未詳
2018-0610-man2848
万葉短歌2848 直に逢はず2660
直に逢はず あるはうべなり 夢にだに
何しか人の 言の繁けむ ○
2660 万葉短歌2848 ShuF471 2018-0610-man2848
□ただにあはず あるはうべなり いめにだに
なにしかひとの ことのしげけむ
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒」(2841-2850、10首)の第8首。男?女? 左注(読下し)に、「或本(あるほん)の歌には<うつつには うべも逢はなく 夢(いめ)にさへ>といふ」。
【訓注】うべなり(諾)。夢にだに(いめにだに=夢谷)。何しか人の(なにしかひとの=何人)。言の(ことの=事)。
2018-0609-man2847
万葉短歌2847 後も逢はむ2659
後も逢はむ 我にな恋ひそと 妹は言へど
恋ふる間に 年は経につつ ○
2659 万葉短歌2847 ShuF471 2018-0609-man2847
□のちもあはむ あになこひそと いもはいへど
こふるあひだに としはへにつつ
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒」(2841-2850、10首)の第7首。男。
【原文】12-2847 後相 吾莫恋 妹雖云 恋間 年経乍 作者未詳
2018-0608-man2846
万葉短歌2846 夜も寝ず2658
夜も寝ず 安くもあらず 白栲の
衣は脱かじ 直に逢ふまでに ○
2658 万葉短歌2846 ShuF467 2018-0608-man2846
□よるもねず やすくもあらず しろたへの
ころもはぬかじ ただにあふまでに
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒」(2841-2850、10首)の第6首。男?女?[下記注]。
【原文】12-2846 夜不寐 安不有 白細布 衣不脱 及直相 作者未詳
【編者注-男?女?】依拠本は「男の心とも女の心とも取れる歌」とする。諸家は、「明らかに・・・(夫が)妻に・・・贈った歌」(窪田空穂)、「(男が)感情の高まりを・・・女に迫るやうな感じ」(佐々木信綱)、「愛人を待ちかねる女性のもの」(土屋文明)、「男の独咏的な歌だとしても・・・女の独咏だとしても」(斎藤茂吉)と、依拠本は紹介する。
2018-0607-man2845
万葉短歌2845 忘るやと2657
忘るやと 物語りして 心遣り
過ぐせど過ぎず なほ恋ひにけり ○
2657 万葉短歌2845 ShuF467 2018-0607-man2845
□わするやと ものがたりして こころやり
すぐせどすぎず なほこひにけり
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒」(2841-2850、10首)の第5首。男。
【訓注】物語りして(ものがたりして=語)。心(こころ=意)。なほ恋ひにけり(なほこひにけり=猶恋)。
2018-0606-man2844
万葉短歌2844 このころの2656
このころの 寐の寝らえぬは 敷栲の
手枕まきて 寝まく欲りこそ ○
2656 万葉短歌2844 ShuF467 2018-0606-man2844
□このころの いのねらえぬは しきたへの
たまくらまきて ねまくほりこそ
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒」(2841-2850、10首)の第4首。男。
【訓注】このころの(比日)。寐の寝らえぬは(いのねらえぬは=寐之不寐)。敷栲の(しきたへの=敷細布)。まきて(纒)。寝まく(ねまく=寐)。
2018-0605-man2843
万葉短歌2843 愛しと2655
愛しと 我が思ふ妹を 人皆の
行くごと見めや 手にまかずして ○
2655 万葉短歌2843 ShuF467 2018-0605-man2843
□うつくしと あがおもふいもを ひとみなの
ゆくごとみめや てにまかずして
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒」(2841-2850、10首)の第3首。男。
【訓注】愛しと(うつくしと=愛)。我が思ふ(あがおもふ=我念)。まかず(不纒)。
2018-0604-man2842
万葉短歌2842 我が心2654
我が心 ともしみ思ふ 新夜の
一夜もおちず 夢に見えこそ ○
2654 万葉短歌2842 ShuF462 2018-0604-man2842
□あがこころ ともしみおもふ あらたよの
ひとよもおちず いめにみえこそ
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒」(2841-2850、10首)の第2首。女。
【訓注】我が心(あがこころ=我心)。ともしみ思ふ(ともしみおもふ=等望使念)[下記注]。夢(いめ)。
【編者注-等望使念】この歌の第2句の原文・読み下しは、諸家諸説があっていまだに確定しない。依拠本は、それらを丁寧に紹介したあと、解説のなかで「ともしみ思ふ」と読下す。
***** 万葉集 巻12(2841~3220、380首) 始 *****
*** 万葉集 巻12 正述心緒の部(2841-2850、10首) 始 ***
2018-0603-man2841
万葉短歌2841 我が背子が2653
我が背子が 朝明の姿 よく見ずて
今日の間を 恋ひ暮らすかも ○
2653 万葉短歌2841 ShuF462 2018-0603-man2841
□わがせこが あさけのすがた よくみずて
けふのあひだを こひくらすかも
○=柿本人麻呂歌集。
【編者注】「正述心緒(せいじゅつしんしょ)」(2841-2850、10首)の第1首。女。
【訓注】朝明の姿(あさけのすがた=朝明形)。
【類歌】10-1925 朝戸出乃 君之儀乎 曲不見而 長春日乎 恋八九良三 作者未詳
(あさとでの きみがすがたを よくみずて ながきはるひを こひやくらさむ)
2018-0602-man2840
万葉短歌2840 いくばくも2652
いくばくも 降らぬ雨ゆゑ 我が背子が
御名のここだく 滝もとどろに ○
2652 万葉短歌2840 ShuF458 2018-0602-man2840
□いくばくも ふらぬあめゆゑ わがせこが
みなのここだく たきもとどろに
○=出典未詳。
【編者注】「譬喩」(2828~2840、13首)の第13首。女。左注(読下し)に、「右の一首は、滝に寄せて思ひを喩(たと)ふ」。
【訓注】いくばく(幾多)。我が背子(わがせこ=吾背子)。御名のここだく(みなのここだく=三名乃幾許)。滝もとどろに(たきもとどろに=滝毛動響二)[11-2717滝毛響動二(たきもとどろに)、13-3232(長歌)滝動々(たきもとどろに)、-3233(長歌)滝動々、15-3617多伎毛登杼呂尓(たきもとどろに)]。
***** 万葉集 巻11 譬喩の部(2828~2840、13首) 終 *****
***** 万葉集 巻11(2351~2840、490首) 終 *****
2018-0601-man2839
万葉短歌2839 かくしてや2651
かくしてや なほやまもらむ 大荒木の
浮田の社の 標にあらなくに ○
2651 万葉短歌2839 ShuF456 2018-0601-man2839
□かくしてや なほやまもらむ おほあらきの
うきたのもりの しめにあらなくに
○=出典未詳。
【編者注】「譬喩」(2828~2840、13首)の第12首。男。左注(読下し)に、「右の四首は、標に寄せて思ひを喩(たと)ふ」。
【訓注】かくしてや(如是為哉)。なほやまもらむ(猶八戌牛鳴)[下記注]。大荒木の浮田の社(おほあらきの うきたのもり=大荒木之 浮田之社)[奈良県五條市今井町の荒木神社?]。標(しめ)。
【依拠本注-牛鳴】(要旨)牛の鳴き声擬声を「牛鳴」表記、「む」訓とする。11-2465泉之追馬喚犬二(いづみのそまに)。
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