あれは先日の早朝の事でした。
実に陽気な日和でございました。
木々は風を受けても雄々しく動じず、小鳥はその傍らでかわいく囀っている。
天真爛漫な春の朝のひと時。
私めも動植物たちの元気な姿にあやかって、その日はランニングをする事を以前より決めておりました。
西に甘い物あれば行って平らげ、東に可愛いモノあれば行って頬ずりを強要する。
そんな日頃の不摂生が祟ってか、最近下腹部に余分なお肉が付いてきたようでございます。
これが「志望(しぼう)」というものであるなら、「おおっ何と大志ある若者であろうか。クラーク氏も惚れ惚れするであろう。」と自画自賛するとこではありますが、
身に宿したるは、「脂肪」でございます。あな口惜し!!
このままではあの真っ白いマシュマロのごとくになりかねない。お、おいしそう、いや、これはまずいと考えての英断でございました。
田畑を駆け抜け、山道を駆け抜け、小滝をスルーする。
途中、「熊が出没します。注意して下さい。」との注意書きを目にした際は、それを尻目に、「(出会ったら)どう注意したものか。毛深すぎます。接客には向いていませんね。」とでも言ってみようかと実にくだらぬ妄想で今にも疲労でくじけそうな思いをごまかしたりもしましたが、一応走り抜けることは出来ました。
まあ、田舎でよくおばあちゃんが乗っている電動自転車?荷馬車?に途中ですぃっーーと抜か、道を譲り渡した点は紳士たるものとして当然の努めであります。
このランニングで、如何に私が苦難を乗り越え、人民を救済し、村人から感謝の念を受けたかは計り知れません。
すべてを説明したいのは山々ですが、ここは読者諸子のワンダフルな想像力にお委せすると致しましょう。
なにはともあれ、当初の目的、「マシュマロの誘惑を振り切ること」を達成した私は家路へと急いでおりました。
緑豊かな田畑の農道を、バック走で走っていた時でございます。
ふと、田んぼのふちに場にそぐわぬ物を目にしたように感じ、急遽立ち止まった私。
(疲労でけんけんがくがくな肢体、急ブレーキ、バック走中、坂道。これらの要素が渾然一体となって私に齎したものは無惨極まる後転であります。これまたご想像にお委せしますが、、、
とにかく痛かった。弱いところも隠さず曝け出す寛容さを認めて頂きたい!)
田畑にカラスがいるのはいい。鳩もいい。白鳥も認めましょう。
しかしながらアナタはおかしい。
見間違いではなく、確かに一羽だけ、あの赤いとさかの付いた、鳥様がいたのでございます。
私は咄嗟に叫びました。「唐揚げ!!」と。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/c1/03275420e3f529b3f4d8075c96d53193.png)
.......咄嗟のことで食欲に負けた私が、種族名ではなく、料理名を叫んだことは看過して頂きたい。
子供も大好き、主婦の味方「唐揚げ」様です。むしろこれが敬称ではないでしょうか。
さて、
この時、私の視界に浮かんでいたアイコンは斯様なものでございます。
①戦う
②アイテムを使う
③会話する
④逃げる
①と④の選択肢は早早に消す事が出来ました。
朝の爽やかなひと時を脆弱なる私の血で彩るわけにもいきません。
そもそも、会う人(動物)、会う化け物に矢継ぎ早に喧嘩を打っていいのは、世界広しと云えども万年山吹色の道着に身を包み、口癖が「おっす、おら●○」の御仁だけでございます。
また、逃げる、という行為は相手との戦力差が明白でないと成立しません。いざという時のために覚えておいて下さい。
②を選びたいところではありますが、手持ちの品もございません。
必然的に残されたのは③になりました。
さて、(Part2)
ではかの氏をなんとお呼びすれば宜しいのやら。
いつもお世話になっている事から先程同様「唐揚げ様」と呼ぶべきか、異国情緒を交えて「CHICKEN」と呼ぶべきか。
外来語にしてしまうと意味があまりにも変わることに思い至った私は、ここはセオリー通りに「鶏様」と呼ぶことにしました。
以下は鶏様と私めの会話にございます。
私 「おはようございます。鶏様。失礼ながらお尋ねしますが、なぜ斯様なところにおられるので?」
鶏様 「コケッ、コケッ(なんだあの人間。さっきは全力でこけていやがったが)」
私 「はあ、左様でございますか。「旅でしか得られないものがある」、と。格言でございますな。ご実家は北の方で?」
鶏様 「コケッ、コケ(なにをほざいてやがる。あー、ミミズがにげちまった。)」
私 「ほう。わざわざ東北のほうから。それはそれは。いつも家族ともども、いえ人類みなお世話になっておりますので、種族を代表しまして御礼申し上げます。」
鶏様 「コケっ、コケっ(いつまで見てやがる。あの人間。)」
私 「ほうほう。さすがですな。私たちは朝が遅すぎると。早起きは三文の得。まことにその通りでございます。おっと、長話したいのは山々なのですが、私も用事のある身ですので、これで失礼いたします。鶏様も朝の忙しいところを申しわけありませんでした。」
鶏様![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/1f/e770fde4325d1d50a8202593844edc58.png)
「 コケコッコー(失せろ!人間!)」
鶏様の素晴らしいアドバイスを受けての一日となりました。
ちなみに晩御飯は本当に唐揚げ様でございます。揚げ物が多い我が家の食卓ですが、母はどこでこの鶏を手に入れたのでしょうか?
実に陽気な日和でございました。
木々は風を受けても雄々しく動じず、小鳥はその傍らでかわいく囀っている。
天真爛漫な春の朝のひと時。
私めも動植物たちの元気な姿にあやかって、その日はランニングをする事を以前より決めておりました。
西に甘い物あれば行って平らげ、東に可愛いモノあれば行って頬ずりを強要する。
そんな日頃の不摂生が祟ってか、最近下腹部に余分なお肉が付いてきたようでございます。
これが「志望(しぼう)」というものであるなら、「おおっ何と大志ある若者であろうか。クラーク氏も惚れ惚れするであろう。」と自画自賛するとこではありますが、
身に宿したるは、「脂肪」でございます。あな口惜し!!
このままではあの真っ白いマシュマロのごとくになりかねない。お、おいしそう、いや、これはまずいと考えての英断でございました。
田畑を駆け抜け、山道を駆け抜け、小滝をスルーする。
途中、「熊が出没します。注意して下さい。」との注意書きを目にした際は、それを尻目に、「(出会ったら)どう注意したものか。毛深すぎます。接客には向いていませんね。」とでも言ってみようかと実にくだらぬ妄想で今にも疲労でくじけそうな思いをごまかしたりもしましたが、一応走り抜けることは出来ました。
まあ、田舎でよくおばあちゃんが乗っている電動自転車?荷馬車?に途中ですぃっーーと抜か、道を譲り渡した点は紳士たるものとして当然の努めであります。
このランニングで、如何に私が苦難を乗り越え、人民を救済し、村人から感謝の念を受けたかは計り知れません。
すべてを説明したいのは山々ですが、ここは読者諸子のワンダフルな想像力にお委せすると致しましょう。
なにはともあれ、当初の目的、「マシュマロの誘惑を振り切ること」を達成した私は家路へと急いでおりました。
緑豊かな田畑の農道を、バック走で走っていた時でございます。
ふと、田んぼのふちに場にそぐわぬ物を目にしたように感じ、急遽立ち止まった私。
(疲労でけんけんがくがくな肢体、急ブレーキ、バック走中、坂道。これらの要素が渾然一体となって私に齎したものは無惨極まる後転であります。これまたご想像にお委せしますが、、、
とにかく痛かった。弱いところも隠さず曝け出す寛容さを認めて頂きたい!)
田畑にカラスがいるのはいい。鳩もいい。白鳥も認めましょう。
しかしながらアナタはおかしい。
見間違いではなく、確かに一羽だけ、あの赤いとさかの付いた、鳥様がいたのでございます。
私は咄嗟に叫びました。「唐揚げ!!」と。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/c1/03275420e3f529b3f4d8075c96d53193.png)
.......咄嗟のことで食欲に負けた私が、種族名ではなく、料理名を叫んだことは看過して頂きたい。
子供も大好き、主婦の味方「唐揚げ」様です。むしろこれが敬称ではないでしょうか。
さて、
この時、私の視界に浮かんでいたアイコンは斯様なものでございます。
①戦う
②アイテムを使う
③会話する
④逃げる
①と④の選択肢は早早に消す事が出来ました。
朝の爽やかなひと時を脆弱なる私の血で彩るわけにもいきません。
そもそも、会う人(動物)、会う化け物に矢継ぎ早に喧嘩を打っていいのは、世界広しと云えども万年山吹色の道着に身を包み、口癖が「おっす、おら●○」の御仁だけでございます。
また、逃げる、という行為は相手との戦力差が明白でないと成立しません。いざという時のために覚えておいて下さい。
②を選びたいところではありますが、手持ちの品もございません。
必然的に残されたのは③になりました。
さて、(Part2)
ではかの氏をなんとお呼びすれば宜しいのやら。
いつもお世話になっている事から先程同様「唐揚げ様」と呼ぶべきか、異国情緒を交えて「CHICKEN」と呼ぶべきか。
外来語にしてしまうと意味があまりにも変わることに思い至った私は、ここはセオリー通りに「鶏様」と呼ぶことにしました。
以下は鶏様と私めの会話にございます。
私 「おはようございます。鶏様。失礼ながらお尋ねしますが、なぜ斯様なところにおられるので?」
鶏様 「コケッ、コケッ(なんだあの人間。さっきは全力でこけていやがったが)」
私 「はあ、左様でございますか。「旅でしか得られないものがある」、と。格言でございますな。ご実家は北の方で?」
鶏様 「コケッ、コケ(なにをほざいてやがる。あー、ミミズがにげちまった。)」
私 「ほう。わざわざ東北のほうから。それはそれは。いつも家族ともども、いえ人類みなお世話になっておりますので、種族を代表しまして御礼申し上げます。」
鶏様 「コケっ、コケっ(いつまで見てやがる。あの人間。)」
私 「ほうほう。さすがですな。私たちは朝が遅すぎると。早起きは三文の得。まことにその通りでございます。おっと、長話したいのは山々なのですが、私も用事のある身ですので、これで失礼いたします。鶏様も朝の忙しいところを申しわけありませんでした。」
鶏様
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/1f/e770fde4325d1d50a8202593844edc58.png)
「 コケコッコー(失せろ!人間!)」
鶏様の素晴らしいアドバイスを受けての一日となりました。
ちなみに晩御飯は本当に唐揚げ様でございます。揚げ物が多い我が家の食卓ですが、母はどこでこの鶏を手に入れたのでしょうか?