
ラミー外相
【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月8日の動き) NHK 2025年3月8日 13時12分
イギリス外相 “核抑止 英仏協力が欧州の安全の保証で重要”
イギリスのラミー外相は、日本とイギリスの外務・経済閣僚による協議の枠組み、いわゆる経済版「2プラス2」の初会合にあわせて日本を訪れていて、7日、都内でNHKの単独インタビューに応じました。
この中で、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナをめぐり「永続的な平和にはウクライナが必要とする安全の保証を提供できる有志連合が重要で、部隊の派遣が伴うことになる」と述べ、停戦が実現した場合は有志連合による平和維持のための部隊の派遣が欠かせないという考えを改めて示しました。
そのうえで「部隊を派遣し、陸や海、空で専門技術を提供することをいとわない国々が出てくることを確信している」と述べ、有志連合に多くの国が加わることに期待を示しました。
さらに、フランスのマクロン大統領がロシアの脅威がヨーロッパに差し迫っているとして、フランスの核兵器による抑止力をヨーロッパに広げることを検討すると表明したことについて「この危険な時代にイギリスとフランスが核兵器を使うのではなく、抑止のために協力するという義務を負うことが、ヨーロッパの安全を保証するうえで重要だ。イギリスの核兵器の能力はイギリスだけのものではなく、ヨーロッパを安全にするためのものだ」と述べ、フランスと取り組む用意があるという考えを示しました。
トランプ大統領 “停戦は双方望んでいる”
トランプ大統領は7日、ホワイトハウスで記者団の取材に応じ、ウクライナでの戦況について「ロシアは今、ウクライナを激しく爆撃している」と述べて、ロシア側が攻勢を強めているという認識を示しました。
そして、アメリカがウクライナへの軍事支援を一時停止したことをロシアのプーチン大統領が利用していると思うかと問われたのに対し、「彼はほかの誰でもするであろうことをしている。これまで以上に激しく攻撃している」と述べる一方、「彼はそれを終わらせたいし、ウクライナも終わらせたいと思っている」と述べて、停戦は双方が望んでいると強調して、実現を目指す考えを改めて示しました。
一方、トランプ大統領は「最終的な停戦という点ではロシアと交渉するほうが簡単かもしれない。ウクライナは行動を起こし、仕事を成し遂げなければならない」と述べ、みずからが主導する停戦に向けた取り組みに歩み寄るよう、ウクライナに重ねて求めました。
さらにトランプ大統領は、停戦が実現した場合のウクライナの安全の保証について「そのことを考える前に戦争を終わらせたい」と述べ、ウクライナ側が求める安全の保証より先に、停戦を目指す考えを示しました。
ウクライナ世論調査 ゼレンスキー大統領「信頼」 先月より上昇
ウクライナの調査機関「キーウ国際社会学研究所」は7日、3月1日から4日にかけて行った世論調査で、ゼレンスキー大統領を「信頼する」と答えた人が68%だったと発表しました。
2月初旬に行われた調査に比べて11ポイント上昇したとしています。
調査は、2月28日に行われた会談でゼレンスキー大統領とアメリカのトランプ大統領が口論となるなど、アメリカとの関係が悪化する中で行われており、調査機関は「ウクライナは、アメリカの新政権の発言を自分たちへの攻撃と受け止めている」として、ゼレンスキー氏のもとで国民が結束しようという動きがみられると指摘しています。
ウクライナ空軍 仏供与の戦闘機が初参加 ロシアの攻撃迎撃
ウクライナ空軍は7日、ロシア軍によるインフラ施設を標的にした攻撃があり、ミサイル34発、無人機100機の迎撃に成功したとSNSで発表しました。
その上で、今回の迎撃任務にはフランスから供与され、先月第一陣がウクライナに到着した戦闘機「ミラージュ2000」が初めて参加したと明らかにしました。
これについて、ウクライナ外務省のティーヒー報道官は首都キーウでの記者会見で、「ウクライナの航空戦力を強化してくれたフランスの友人たちに感謝したい」と述べ、アメリカのトランプ政権がウクライナへの軍事支援を一時停止する中、各国に対し支援の継続を呼びかけました。
一方、ロシア国防省は7日、この1週間で、ウクライナ東部ドネツク州の4つの集落を新たに掌握したと発表し、攻勢を強めています。
ウクライナ 鉱物資源の米との合意文書 “来週の会談で合意も”
ウクライナ外務省のティーヒー報道官は7日、首都キーウで記者会見を開き、ウクライナ国内の鉱物資源の権益をめぐるアメリカとの合意文書について、「先日のワシントンでの会談でも、ウクライナは本当に署名する準備ができていた。われわれは署名する準備が今でもできている」と述べました。
そのうえで、「サウジアラビアでの会談も1つの機会だ」と述べ、ウクライナとアメリカが来週、サウジアラビアで調整している高官による会談が、合意の場となる可能性もあるという見方を示しました。
米 ウォルツ大統領補佐官「軌道に戻すつもり」
ホワイトハウスで安全保障政策を担当するウォルツ大統領補佐官は7日、記者団に対し、ウクライナとの間で合意文書への署名が見送られた鉱物資源の権益をめぐる協議について、「ウクライナは鉱物をめぐる合意を通じて、われわれの経済を結び付けるすばらしい機会を得ていた。残念ながらうまくいかなかったが、われわれは軌道に戻すつもりだ」と述べました。
そして来週、ルビオ国務長官とともに、サウジアラビアでウクライナ側の代表との間で会合を開くと明らかにしました。
またウォルツ補佐官は来週、NATO=北大西洋条約機構のルッテ事務総長がアメリカを訪れると明らかにしました。
トランプ大統領 “ロシアへの経済制裁の強化 検討” SNSに投稿
トランプ大統領は7日、SNSに「停戦と平和をめぐって最終的な合意が実現するまで、ロシアに対して大規模な銀行への制裁や関税を課すことを検討している」と投稿し、ロシアに対する経済制裁の強化を検討していると強調しました。
そして、「ロシアとウクライナ、手遅れになる前に今すぐテーブルにつけ」として、ロシアとウクライナの双方に停戦交渉のテーブルに着くよう呼びかけました。
トランプ大統領は6日、記者団に対して「ウクライナとも、ロシアとも多くの進展があった。ウクライナは取り引きを望んでいる。私はウクライナには選択肢がないと思う」と述べ、ウクライナに対し、歩み寄るよう改めて求めました。
来週には、中東のサウジアラビアでアメリカとウクライナの高官による会談が行われる見通しで、早期の停戦の実現に向け、ロシア側にも圧力を強める姿勢を示した形です。
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米 ルビオ国務長官がウクライナ外相と電話会談
アメリカ国務省は7日、ルビオ国務長官がウクライナのシビハ外相と電話で会談したと発表しました。
ルビオ長官は、会談で、トランプ大統領は戦争をできるだけ早く終結させる決意だと伝えた上で「すべての当事者が持続可能な平和を確保するための行動をとらなければならない」と強調したということです。
一方、ウクライナのシビハ外相はSNSでサウジアラビアで予定されているウクライナとアメリカの会合についてルビオ長官と協議したと明らかにした上で「ウクライナは戦争の終結を望んでおり、永続的な平和のためにはアメリカのリーダーシップが不可欠だ」としています。