39歳男を拘束：中国 湖南省の「暴走車」事件

中国 湖南省 小学校前で車が人をはね けが人 39歳男を拘束 2024年11月19日 19時46分

中国内陸部・湖南省にある小学校の前で19日朝、車が人をはね、けが人が出ました。警察は39歳の男を拘束し、捜査していますが、中国では人の集まる場所での殺傷事件などが相次いでいて、当局は対応に苦慮しているものとみられます。

湖南省常徳にある警察によりますと、現地時間の19日午前7時40分ごろ、常徳市内の路上付近で車が人をはね、けが人が出ました。

けが人は病院に運ばれて治療を受け、今のところ、命に別状はないということです。

また、中国国営の新華社通信などは、現場は小学校の前でけが人の中には子どもも含まれているとしていますが、けが人の人数は伝えていません。

ロイター通信が配信した事件現場とみられる映像では、小学校の前で複数の人が横たわっている様子や子どもたちが大人に手をひかれて急いで学校のほうに向かう様子が確認できるほか、車の運転手とみられる男が群衆に囲まれ、取り押さえられる様子もうつっています。

警察は39歳の男を拘束し、捜査しています。

中国では、人の集まる場所や公共の場所での殺傷事件などがあとを絶たず、今月に入ってからも、南部の広東省で暴走した車にはねられ、35人が死亡する事件や、東部・江蘇省の学校で刃物を持った男に襲われ、8人が死亡する事件が起きています。

習近平国家主席は広東省の事件のあと、凶悪な事件が起きるのを厳重に防止するよう各地の関係機関に指示を出しています。

そうした中で起きた今回の事件は高い関心を集めていて、インターネットの記事の中には当局者に直接、取材を行い報じたものもありましたが、削除されるなどして今は見られなくなっています。

相次ぐ事件で中国社会に動揺が広がっていて、当局は対応に苦慮しているものとみられます。

岩屋外相「日本人の安全確保に全力」
岩屋外務大臣は、記者会見で「中国当局に確認したところ、現時点で被害者に日本人はいないと報告を受けている。今回の事件を受けて、現地の日本人に対し、『領事メール』で注意喚起を行ったところで、引き続き日本人の安全確保に全力を尽くしていきたい」と述べました。

林官房長官「中国での治安状況を注視」
林官房長官は午後の記者会見で「被害に遭われた方々の一日も早い回復をお祈り申し上げる。邦人の生命・身体に被害が生じたとの情報には接していないが、今回の事件を受け、中国の在留邦人に対し領事メールなどを通じて注意喚起を行った。引き続き中国での治安状況を注視し、邦人の安全確保に全力を尽くしていく」と述べました。