百姓通信

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認知症薬

2021-06-09 20:31:56 | Weblog


昨日、アメリカ食品医薬品局(FDA)はエーザイと米バイオジェンが共同で開発するアルツハイマー型認知症治療薬候補(アデュカヌマブ)ついて、承認申請を認めると発表した。
従来の認知症薬とは異なり、認知機能の低下を長期的に抑制する機能を持つとして世界で初めて承認された。
しかしその有効性に関しては賛否がわかれ、FDAが設置した外部の専門家による諮問委員会からは昨年11月にその有効性に対して否定的な見解が出ていたことは周知の事実であり、今回何故当局は承認に踏み切ったのか、疑問の声もあるようだ。
現在、患者数ではアルツハイマー病が認知症全体の6~7割を占めるという。その数は全世界で推定約4900万人(うち今回承認された新薬・アデュカヌマブなどが治療対象とする早期段階の患者数は約3800万人)、日本でも560万人(同430万人)いるといわれる。世界人口の高齢化もあって、このままいくと患者数は2050年に1億人を上回るとの予測もある。
日本の認知症人口は2012年の462万人から25年には730万人に増加し、このうち3人に2人はアルツハイマー病との推計もある。エーザイなどの試算では、アルツハイマー病にかかる費用は18年時点で12兆円を超え、半分以上が家族介護による負担になっているという現況がある一方、この新薬を用いることで年間治療費は5万6000ドル(約610万円)になると公表されており、高額過ぎるのではないかとの批判もある。医療費で考えるのか、社会的なインフラとして介護費で考えるのか、考え社会保険のあり方も問われることになりそうだ。

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