私服警備員の一言が重い。

会社のBYに行くと小さな女の子が泣いていた。警備員室では罵声が響いている。誰が捕まったのかは判らないが一刻も早く、その場から女の子を遠ざけたかった。

休憩室に女の子を連れていき、ジュースを買おうとしていると私服の警備員が顔を出し、

「００さん、ちょっとその子、見ててもらえますか」

売り場は私一人だが、たかが数分の事と笑顔で返事を返した。数分後、もう一人、小さな女の子がお父さんに抱かれて休憩室にやって来て

「００、００と此処に座っておじいさんが来るのを待ってて。」

と休憩室を出て行った。丁度、お昼前、昼食を食べに来た従業員たちが可愛い姉妹を見てお菓子やアイスを差し出してくる。

「まあ、可愛いこと、００さんの孫」

「家の孫なんかもっと大きいわよ～　でも可愛いでしょ」

お菓子を食べ、ジュースを飲みながら


「私の家、００にあるの。」

えっ、娘の嫁ぎ先も同じだ。出社した遅番の社員は女の子たちと顔見知りだった。迎えに来ない警備と親、そうこうしていると売り場で呼び出しがかかり、お昼休みの従業員に後を任せて売り場に走った

接客を終え、休憩室に戻ると女の子たちは迎えに来たおじいさんたと帰った後だった。私服警備員が浮かない顔で話しかけてきた。

「今日はもう、仕事したくない気分だわ。。。。」

殴る蹴るの暴行とはいかないまでも親の態度も凄まじかった。

「親があの態度ではね、自分が怪我をするより嫌だわ。」

車で逃げようとした万引き犯をそれでも構えようとして車にしがみつき怪我をしたことのある私服警備員の一言が重かった。