4/30 - 5/8 前半は曇りがち、最後は晴れ
2016年、年が明けて半月ほど経ったある日、ゴールデンウィークは沖縄に行こうと決めた。旅への衝動は突然やってくる。
行き先は日本で人の住む最南端の島、波照間だ。石垣行きのチケットを取ってから、良さそうな宿に電話をかけていったが、ゴールデンウィークと言うことで、どこも満室で、やっと2泊だけ予約することができた。
あとの6泊をどうしよう。以前訪れていい思い出となった西表島にしようかとも思ったが、石垣の間を伸びる白い道に惹かれて竹富島を選んだ。
竹富島の民宿に電話をかけると、やはりゴールデンウィーク、どこもいっぱいのようで、何軒目かに電話した宿でやっと予約が取れた。
まだ暗い中、早朝バスで羽田空港に向かう。朝の6:10に出発する羽田発石垣行きのANA89便に乗るのだ。
飛行機が離陸するとすぐに寝てしまい、3時間後に目をさますともう石垣空港であった。空港の建物を一歩出ると南国の熱い空気に体が包まれた。陽射しも目に痛い。
空港からバスに揺られて40分、離島ターミナルに着いた。ここから船で竹富島に渡るのだ。
青い海、青い空に白い雲、昂揚感が半端ない天気だ。船に乗ること10分、あっという間に竹富島に着いた。
いきなり街から島に来たという感じで、港に小さな土産コーナーのある待合所があるだけだ。時間があるので、宿のお迎えを遠慮して歩いて宿に向かった。
気がつけば、道に迷っていた。宿までは15分ぐらいの道のりのはずであった。
炎天下、大きなノートPCを入れた思いザックを背負って歩く。同じような景色と道、2度目に同じ場所に来てしまった。
だれかに聞こう。と思ったときに丁度民家からでてきたおばあちゃんがいた。聞けば、まったく違う集落を彷徨っていた。
ある、御嶽(うたき)前の道。御嶽は沖縄に見られる信仰の聖地で自然と共にある場所だ。我々のようなよそ者は入ってはいけない。
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宿のある集落に着いてすぐに宿、新田荘を見つけることができた。
入り口でシーサーが迎えてくれた。
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宿でシークワーサーのジュースをふるまってくれた。1時間以上も歩き回って汗が吹き出ていたので、一気に飲み干した。
宿泊の手続きを済ませて昼ごはんに向かった。隣の宿はブーゲンビリアが真っ盛りだ。
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お昼は近くのそば処竹の子でソーキそばを食べると決めていた。店は休日の昼どきでかなり混んでいた。
店の前の木陰で待っていると、家の基礎として使われている珊瑚が転がっているのに気がついた。
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待つこと30分、迷わず生ビール、オリオンよ、久しぶり!
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ソーキそばをつまみにビールを飲み干した。ソーキは骨つき豚バラ肉のことだ。
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宿に戻ると猫がダラダラとしていた。他にも怠惰な猫が辺りで寝そべっていた。
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日が暮れる頃なごみの塔に登って家並みを眺めた。なごみの塔は昼間は混んでいるが、宿泊者は朝晩訪れることができるのだ。
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朝ごはんの前には散歩をした。綺麗な珊瑚の道は毎朝島の人々が箒で整え、花の手入れをすることでできあがるのだ。
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夕焼けが有名な西桟橋が近かったので、毎日通ったが夕日は見ることができなかった。
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西桟橋は昔、米作りのために西表島に水田を造り通っていた当時の港であった。
ある日の夕暮れ、浜で三線を弾く女性がいた。桟橋に座って三線の音色を聴いた。
ある日の夜、宿のお客さんと桟橋に寝転んで夜空を眺めた。
またある夜、海の近くにホタルとヤシガニを見に行った。
ある日の夕食。
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沖縄が初めてだという連泊していたおじさんとよく飲んだ。
最終日には飲み過ぎて二日酔いになってしまうほどだった。
沖縄に来たらこれを忘れてはいけない。ぜんざい、金時豆のかき氷だ。黒糖のぼくとつとした甘さがいい。
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竹富島の海岸を3度に分けて半周ぐらい歩いた。竹富島は歩いてその規模を知ることができる島なのだ。
海岸でよく見られるアダンの木、食べられないと思うが、美味しそうな実が付く木だ。
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中島みゆきの歌に「阿檀の木の下で」がある。南の島の悲劇を淡々とうたう。やばい、涙腺が緩んでしまう。
興味のある方は歌詞を検索してもらえれば幸いだ。
それから海岸にはモンパの木も多い。好きな作家、椎名誠のエッセイ集に「モンパの木の下で」がある。
モンパの木の下で海と空を眺める椎名誠の真似をした。
ある日、宿の人と宿泊客でモズク採りに出かけた。お兄さん(50代)の運転する軽トラの荷台に乗って海を目指した。
ヘルパーさんが見送ってくれた。
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海岸に着いていざ出陣、採れるだろうか。
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水の引いた浅瀬でモズクを採る、採る、採る。
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1時間ちょっとでみんな数キロから10キロぐらい採れた。お兄さんは曳舟を使い40キロぐらい採っていた。
宿にもどってモズクの処理を行う。
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まず、ゴミを取る。ゴミを取り終わったら塩でよく揉む。粘りが出るまで揉んだら完成だ。
これで1年保存できるようになるのだ。持って帰るつもりはなかったのだが、せっかくだから持って帰りなさいとお母さんに言われて半分持って帰ることにした。
半分でも5キロあった。天然モズクは買えばけっこうな値段がするのだ。
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この縁側で本を読んでビールを飲むのが至福の時間であった。歌うユンタクも3回体験できた。
逗留することで得られる経験と話、竹富島で暮らしていくことの厳しさも教えてもらった。
新田荘は帰って来たくなる落ち着ける場所だ。