風になれたら

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山を歩いて風になる

残雪の聖岳 2日目

2019-06-09 | 徒歩の旅

5/3 (金)

昨夜は3シーズンのシュラフだったので寒さで起きてしまう事があった。小屋の中の温度は5℃ぐらいだったようだ。

今日は足が痛かったら聖岳には登らず小屋で過ごそうと思っていた。目覚めると左足の付け根の痛みはそのままであった。今日は休養日としよう。

友人に今日は小屋にいる事を伝えた。その後ノロノロと朝ごはんを食べながら今日は何しようかなと考えていた。

そんな時に一日ここで過ごすよりも行けるとこまで行ってみようかという思いが突然湧いて出た。そうと決まれば行こうという事で素早く準備して友人と同じく5:30に小屋を出た。

小屋前のテント場にはテントがひとつ、素晴らしい快晴だ。やっぱり行くことにしてよかった。

小屋を出て上りになる場所から友人に先に行ってもらった。友人はあっという間に見えなくなった。小屋から薊畑まで歩いてみたが小股で歩けば痛みは少ない。

薊畑からの樹林帯には先日降った雪が残っていた。斜面のトラバースが楽しく好きなルートをズボズボと歩いて行く。

樹林帯を抜けると富士山が見えた。西から見る富士山の整ったシルエットに感動を覚える。

稜線はほとんど雪がない。小聖岳の山頂から聖岳を望む、いい感じの佇まいだ。

少しだけ怖い尾根を通過して振り返る。左手に見えるのは上河内岳か。

その後尾根道をショートカットして斜面を歩いたり頂上直下の雪渓を小気味よく登ったり今シーズン最後と思われる雪道を楽しんだ。

頂上直下の雪渓で登頂した友人が下りてきた。風が強かったので奥聖には行かなかったそうだ。その後すれ違った方も凄い風だと言った。

頂上に着くとどうですか言わんばかりの大きな赤石岳が眼前に現れた。風はそれほど強く感じなかったので奥聖まで行こうかと言う考えが過ぎったが欲は捨てようと天使の声が聞こえた。

帰り道、小聖をすぎて樹林帯に入った。登山道から最後の鞍部とピークを見て登りたくないなと思った。左手を見ると聖平小屋が見えた。地形図でも難所はなさそうなので下りてしまおう。

そうと決まれば好きなルートを時折り踏み抜くのを楽しみながらズボズボと歩いて行く。谷筋なので沢のだけは歩かないようにした。沢は雪融けが進んで雪の下に大きな空洞ができているに違いない。

上り3時間半、下り2時間半、小屋にはお昼前に着く事ができた。小屋に着くと友人がシュラフを干してくれていた。そこにアイゼン、ピッケル、ゲイターなども干した。ゲイター以外はドイツ語、山道具はドイツ語由来が多いな、他にもザック、ザイル、ストック、コッヘル、英語で言った方が今っぽいと思うのは思い過ごしだろうか。スリーピングバック、クランポン、アイスアックス、バックパック、ロープ、トレッキングポール、クッカーなどなど。

聖平小屋には立派なトイレがあるので利用しよう。昨日沢の水を汲みに行ったらこっちに来ないでと声がした。数メートル先に人が腰を降ろしていた、しばらく待ってそこを通ると大便と紙があったのでびっくりぽん!するなら小屋から離れた場所、人の通り道から離れた場所、水場から離れた場所でしなければいけない。もちろん紙は持ち帰りだ。

お昼ご飯はボロネーゼのパスタを食べた。その前にはサッポロ黒ラベル、ビールを持ってきて本当によかった。

その後「黒部の山賊」を読みながら過ごした。友人はラジオを聴きながら横になっている。

パスタが消化されたのを見計らい、セブンイレブンで買ったサラダチキンでミネストローネを作る、それにサラダビーンズを投入した。持ってきたワインも飲み切った。

あとは暗くなるまで本を読んで眠りについた。友人には明日1時間早く出ると伝えた。

コメント
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