弦をバーでスライドして音を出す奏法は、どのようにして開発されたのだろうか?
ギターの上に落ちたナイフを、スライドしたら面白い音がしたのが始まりだとか、諸説ある。
ハワイのジョセフ・ケククが開発(発見)したという説が定説になっている。
ハワイのスラックキー・ギターがオープン・チューニングであることから、例えば「Gチューニングのスラックキー」に調弦されたギターがそこにあって、たまたまグラスなりバー状の何かで「ビヨーン」とやれば「オッ、いいねえ!南国らしい!」となったかもしれない。
またアメリカ本土のブルースマンたちが更なるディストーションを求めて、ウィスキー瓶の一部を切ってボトルネック奏法を開発したのも自然の成り行きみたいな気もする。
スライドで「キューン、キューン」やるのは、魂の叫びを表現するのに非常に効果的だ。
時系列で見れば、普通のギターを寝かせて弾いたハワイアン・ギター、それをスクウェア・ネックにしたモノ、さらにネックまで空洞化したワイゼンボーン型、アコースティック・ギターの表板部分にリゾネーターを配して音量を稼いだいわゆる「ドブロ・ギター」
そしてピックアップを搭載した「ラップ・スティール」、「ハワイアン・スティール」と「ペダル・スティール」の開発へと続く
一般的にはギターを抱えたまま左手の指にボトルネックを装着して弦上をスライドさせるのが「スライド・ギター」、膝の上に置いたギターの弦上に金属のバーを置いてスライドさせるのが「ハワイアン・ギター」と区分しているようだ。
スライド・ギターが高音部分の撥弦に特徴するなら、ハワイアン・ギターでは低音から高音まで万遍なく弾けるところに、両者の棲み分けがありそうだ。
「ペダル・スティール」を開発した人は素晴らしい、結構な張力で調弦されている10本位のスティール弦を、ワイヤーないしは金属のメカニックで、瞬時に半音上げたり下げたりする。
ペダルを踏んで音が「ギューンッ!」と変わるのが実に心地よい、まさにアナログでメカニカルの極致だ。
本物のペダルスティール・ギターが簡単に入手できなかった頃、ハワイアンスティールギターを改造することが行われた。
ちょっとした木工や金属加工ができる人なら、自転車のブレーキ用のワイヤーを使ってペダルとブリッジ側に弦長を可変できる仕掛けを作ればいい。
高校の頃、2年上級のS先輩がこれを実践していて感動した。
鉄工所の経営者のご子息で、卒業後理系に進み、エレクトロニクスを使った音楽関係の開発企業を立ち上げられた。
高校生なのにおじさんみたいな雰囲気、同級に寿司屋さんの子息N先輩がいてお互いの自宅で練習していたようだ。
尊敬する憧れの先輩たち、懐かしい、、
そして大学に入ったら高校の軽音楽部の大先輩がプロフェショナル・ミュージシャンとして銀座タクトに出演していた。
面識もないのに「高校の後輩です」と挨拶して、生意気にも「Kewalo Chimes」をリクエストした。
全編ハーモニクスで綴る佳曲で結構コード進行が厄介だ。
あの頃のタクトは450円くらいの珈琲一杯で、小さな紙切れに書かれたリクエスト曲を見ながらミュージシャンが順次演奏してくれるいい空間だった。
さてレッドワード・カアパナが演奏する「Sand」
スティール・ギタリストが好んで演奏する古い佳曲、この人はリズム感、音感が素晴らしい。
「フイ・オハナ」の頃から聴き続けて40年近くなる、
ネッドワードと双子だってことを知っている人も少なくなってきたのではないかしら
同じように齢をとってきているはずのミュージシャンが、いつまでも活躍するのを見るのは嬉しい。
そろそろスティール・ギターも勉強しなくては、、、
"I Kona" Live featuring Ledward on slide guitar 1986
Ledward Kaapana - "E Ku'u Morning Dew" on Ukulele
"Nani" @LedKaapana Slack Key Master Ledward Kaapana with Hula by Wainani Kealoha
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