茶トラの猫は概して性格がいい。
ある日我が家にやってきた大きな猫、エサが欲しいらしく首輪は付いていない。
野良猫にしてはガツガツしないでおっとりしている。
オスで目つきこそ険しいが、去勢しているせいか性格が穏やかで素直だ。
我が家の先輩猫たちと争う気配はなく、「我関せず」を貫いて我が家では彼を「銀ちゃん」と名付けた。
日中と夜半まで我が家にいるが、明け方近く寝ている私の頭を前足でガンと一撃して戸を開けさせ外へ出て行く。
首輪を買ってきてつけてあげると、なくして帰ってくるので別に飼い主がいるのかもしれない。
猫には、複数の家を渡り歩くパターンがあるらしい。
どういうわけかミニチュアシュナウザーのメス犬と仲良くしたいらしく、すり寄ってくる。
犬の方は関心がないが、彼女の散歩に銀ちゃんは嬉しそうについてくる。
犬の散歩に猫がついてくる絵は、相当珍しいらしく散歩仲間の近隣の方が近づいて来て犬と一緒にいる相方が「ネコ」と知ってびっくりする。
銀ちゃん本人は、犬の「チョコ」に擦り寄りながら外界を歩くのが楽しくて仕方ないらしい。
路上は危ないので公園に行くと銀ちゃんはまるで犬気取りで戯れる。
もっとも最初に飼った犬「チョコ」には、ネコのだれもがなついていてそれは可笑しかった。
ネコのほとんどが同性のメスなのに犬に寄り添って寝ているのだ。
彼女たちのママ猫は、いち早くこのハンサムで男気のあるでかい猫に惚れてしまった。
そういえば他界した彼女の前の老いた彼によく似ている。
美人の彼女を狙う野良猫は次から次へと後を絶たない。
そんな性的目的だけのストーカーが現れると我らが「銀ちゃん」は彼女を守るため傷を負いながら果敢に戦うのだ。
そして彼女は年下の彼を愛して少女のように従う。
庭石の上にちょこんと座った二人を見ると「愛に言葉は要らない」ことがよくわかる。
避妊手術を施した二人に愛の瞬間が訪れることはなくとも、同じ空気を吸って生きているだけで幸せなのだ。
そしてある日突然、銀ちゃんがいなくなった。
飼い主の引越しで一緒に連れて行かれたと思いたい。
近隣の方に聞いてみてもだれもが答えられず、むしろ可愛がられていた彼を心配する声が返ってきた。
しばらくしたある日、遠く離れた中野に彼にそっくりな茶トラの猫がいた。
銀ちゃんより小柄だが、外見はそっくりでやはり性格が良さそうだ。
手を差し伸べるとやってきた。
いや、ネコに学ぶ、
「好きにならずにいられない」ってことを、
銀ちゃんに逢いたい、、、
LT Smooth-Can't Help Falling in Love
Danny LT Smooth Boy
LT Smooth in Kailua Village doing a Slack Key Original 9-2014
"Waimanalo Blues" By LT Smooth With Kawika Kahiapo, Bobby Moderow, Stephen Inglis and Chris Lau
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