銀座ケントスに行った。
聴きに行ったのでなく演奏しに行ったのでもなく、人を迎えに行ってきた。
10階建てビルの9階へは苦手なスケルトンのエレベーターで上がる。
入り口の厚手のドアを開けるとステージを囲むようにテーブルとイス席が並ぶ。
ライブスポットの構造はどこも似たようなものだが、「ちょうどいい大きさ」というものがある。
おそらく150席くらいを超えてしまうとそれはコンサートホールに近くなってしまうのではないだろうか。
ステージには見慣れたベテランボーカリストをサポートメンバーたちが取り囲む。
今回はエレクトリックベースとドラムス、ピアノ系担当の男性とストリングス系担当の女性のキーボード、バックコーラスの方、、
立っているのが大変なくらい食いしん坊を自認するボーカリストから出る声は大きい。
ちょうどいい音圧のドラムスや楽器による手慣れた演奏でステージが進行する。
さて70年代に一世を風靡した「スリー・ディグリーズ」の映像を眺めていたら「MFSB」が出てきた。
TV番組「ソウル・トレイン」のテーマソングを演奏する「MFSB」とは投資商品の名前ではなく「Mother、 Father、 Sister & Brother」の略。
このスタジオ・ミュージシャンたちを取りまとめアレンジしてコンダクトしていたのが「ヴィンス・モンタナ」
小気味好いアドリブを展開するヴァイブ奏者だ。
黒人女性グループの強烈なボーカルを前面にストリングスやベース、ラテンパーカッションを散りばめた演奏はスリリング。
その仕掛け人がヴィブラフォン奏者だったと知って妙に感慨深かったものだ。
「TSOP」「ザ・サウンド・オブ・フィラデルフィア」と称されたサウンドはウキウキするようなリズムの上でブラスやボーカルが華やかに舞う。
恋人とデートする前のときめきを感じさせるような音楽は若者の心を捉えた。
アレンジの力とセンスの良さ、スタジオミュージシャンたちの軽妙洒脱な演奏、、、
「ウン、あれは良かったね、」と彼らの会話が聞こえてきそうだ。
ソウルミュージックとビブラフォン、意外な組み合わせと思ったが、パーカッショニストだからこそできたアレンジだったのかもしれない。
ストリングスやホーンを一つのリズム楽器単体として捉えてグルーヴに参加させる。
おしゃれなサウンドは洗練され大人の音楽として昇華する一方、その後ロック色を強めた新たなジャンルが注目されて行ったのだろう。
「スリー・ディグリーズ」の爽やかなお色気とコーラス、青春の一コマを見るようなサウンド、懐かしい。
-The Three Degrees- -When I will see you again-
"You Know How Good It Is - One More Time V.M.J." - Vincent Montana, Jr. (1990)
The Three Degrees - Dirty Old Man
TSOP (The Sound Of Philadelphia) [Original 12" Version] - MFSB featuring The Three Degrees (1974)
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