中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

紬のショール

2013年12月14日 | 紬のショール

初冬を向かえ本格的に寒くなってきました。工房のサザンカも美しいです。

「紬の会」以降もひき続き紬のショールの制作にあたってきました。
その紬のショールを少し画像でご紹介します。

私が作る着物もそうですが、ショールも似た感じのものはありますが、1点もので、毎回違うものを作ります。

使う糸は全て手紡ぎ、座繰りの糸を使います。染は植物染料です。
着尺用の糸を合わせることもありますし、元々太い糸も、艶のある糸、ない糸、
太細のある糸、ない糸、本当に様々に組み合わせて作ります。
単調な糸と違い、手間はかかるのですが、布の表情が生き生きと感じられるように工夫し、制作にあたっています。残念ながらもう手に入らない特別味わいのある糸を使っているものもあります。

それと、何よりの特徴は真冬以外の時期にも真価を発揮してお使いいただけることです。
立体感のある絹ですので、上質ウールのジャケット1着分にも相当する暖かさがあり、首周りもチクチクしたり、汗ばんだりせず、春先、秋口にも活躍します。
長さは、着物の場合は長すぎると全体のバランスが悪くなり短めなのが普通です。
ただ、洋服にも合わせていただけるようやや長めの170cm(房別)前後です。
この長さですと155~165cmぐらいの身長の方にちょうど良い感じです。

手紡ぎ、手織り、草木染め、と手間のかかるもので、価格もどうしても高価になってしまいますが、私たち制作者にとっては正直、割の合わない仕事でもあります。
ただ、工業製品にはない風合いや、色、使い込むほどに馴染んでくる一生ものとしては決して
無駄なお買い物ではないと思います。
ショールの価格帯は7万6千円~8万8千円(税別)です。

今年も、帯のアトリエ、 「花邑」(銀座店)さんと櫻工房online shopでも販売をします。
花邑さんの銀座の店頭でご覧いただけますし、ウェブショップでもご覧頂けます。
そして、花邑さんの帯も着物や羽織、更紗などの古布から仕立て替えた、1点ものです。
きちっと洗い張りをして、仕立て替えられ生まれ変わる帯たち。
根強いファンの方が毎週の更新を楽しみにされていると思います。私も何点かゲットさせてもらってま~す。^^Y

外出の多い時期ですので、ショールと帯、合わせてお役立ていただきたいと思います。
是非、羽織やコートとも合わせてご覧下さい。

かたち21では、こちらのOnline Shopでご覧いただけます。
他にも用意していますのでお問い合わせいただければ櫻工房内でご覧いただけます。

以下、画像をご覧ください。

たての綾織と平織の組み合わせ。3色の切り替え。
 
七子織と平織の段。 

よこ総綾織。肉厚ですが、綾織は突っ張らず、肩に馴染みます。暖かいです。 

七子織と平織の大きな切り替え。丹殻(マングローブ)染の赤味の色が、地味目のコートやなどのアクセントカラーにもなります。

平織の横縞。やや薄手。房にはトルマリンのビーズがさりげなく付いています。 

七子織と平織を細かく交互に織り立体感があります。丹殻染の、温かみのある色合い。 



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