中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

「半幅連作プロジェクト――上質をコンパクトに」お披露目&作品解説の会お知らせ

2021年06月12日 | 紬の上質半幅帯
「半幅連作プロジェクト――上質をコンパクトに」織りあがりました!

変奏曲5本、連歌5本、無事6月上旬に織りあがりました。
昨年10月の説明会から8ヶ月、この仕事に打ち込んできました。
みなさんのご協力の下、やり終えることができました。
ありがとうございました!

今まで染めためてきた糸と新たに染めた糸で織りましたが、各帯に20~40色は使っています。合わせ糸(2本取り、3本取り)も何度も試し織りをして、決めていきました。

今までの染糸の多種、多様性が無かったらこの帯たちは生まれてこなかったでしょう。糸選びに手間がかかりますが、均質な機械的なものとは違う帯になりました。

現在は仕立てに出しております。全部上がってくるのは6月末になります。

つきましては、7月4日に小田急線の鶴川駅近くのポプリホールにて、お披露目&作品解説の会を下記の通り行います。

プロジェクトに参加の方以外も、上質の半巾帯や、私の紬の仕事、草木の染にご関心を持って下さる方には是非ご覧頂き今後の参考にしていただければと思います。

また、少しですが草木染帯揚げも販売いたしますのでご覧ください。

時節柄、会場には定員を設けてあります。ご予約の上ご来場ください。
定員になり次第締め切らせて頂きます。

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【日時】 7月4日(日) 午後1時40分開場  定員18名(要予約)
【会場】 ポプリホール鶴川 小田急線鶴川駅近く (ご予約の際に詳細ご案内いたします)

午後2時より列品解説を始めます。
解説の後には、プロジェクト参加者に半巾帯を締めて頂き、完成の姿もご覧頂きます。
また、草木染めの帯揚と帯締も夏から秋向けをセレクトし販売いたします。

【ご予約】
お名前、お電話番号、メールアドレス、ご住所を明記の上、メールにてお申込み下さい。ふ

HPからお申し込みください。→

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この半巾帯は一応手先と垂れの設定はあるのですが、逆から巻いても大丈夫なように設計されています。
同じ感じにならないように柄のないところも効果的に使えるよう考えました。
無地のところもとてもきれいなのです。
赤城の座繰り糸を中心とした風合いは帯にはかなり勿体ない感じですが、それがこの半巾帯の格を上げてくれています。

ただ、逆から巻くと結びの皺が出てきますので、使ったら必ずスチームアイロンを当てて頂きたいと思います。
風合いや仕立ての立体感をつぶしてしまわないようアイロンのかけ方も当日お話しします。

仕上げの後に、反物の状態で撮った作品の部分写真を一部アップしておきます。

「連歌Ⅰ」


「連歌Ⅲ」

トップは「連歌Ⅴ」


「変奏曲Ⅰ」



「変奏曲Ⅱ」



「変奏曲Ⅳ」

それぞれには銘もありますが、4日に公開いたします。

お披露目会では、結びも何か一種類だけでもみなさんそれぞれにやってもらおうと思っています。
結び方によっても柄の出方が違います。
ワンパターンではないので、使い手の創意工夫もかなり要求される、ある意味で難しい帯かもしれません。

このプロジェクトは、オーダーでもなく、私の単なる創作でもなく、使い手と作り手のやり取りから生まれてきました。私も頭に描いたデザインが思いがけない展開になっていき、まさに連歌の展開のようでもありました。

バックボーンには私の創作姿勢の“侘び”の考え方があり、自然の美しさ、自然のありのままを受け入れながら、前向きに自由に生きていく私たち市井の人々の姿を反映させたものかもしれません。
疫病の最中でありますが、自然の美しさや足るを知るということを改めて大切にしていきたいと思います。

また会場でゆっくりお話したいと思います。









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