第2回 5月9日(土) 真綿から糸を紡ぐ
テーマ:糸つむぎの実習を通して、紬織の風合いの元となる蚕が吐き出した糸の形や真綿の感触を知り、布を見る力を養います。
久米島式の紡ぎ台を使って角真綿から糸を引き出します。 1時間正座をして、無心になって糸を紡ぎました。
台にかけられた真綿の状態を見ながら、
水か唾を指先につけて
手元に引き出した真綿をまとめます。
綛揚げの作業です。糸の入ったボールにはおはじきを入れます。 あみそをとる作業です(綛の乱れを抑えるため)。
自分がつむいだ糸の形がよく見える時です。
着尺よりちょっと太目のふっくらとした糸。
多少太かったり細すぎたりはあるけれど…。
参加された6人の方全員、糸つむぎの経験はほとんどありません。
一人約1時間ほど紡いでいただきましたが、
この日つむいだ糸の総量は約11グラムでした(平均で一人1.8グラム)。
着物1反分の緯糸約400グラム紡ぐためには、
1日4時間やっても55日ぐらいかかる計算です。
もちろん慣れればこの半分ぐらいに短縮できると思いますが…。
みなさんもっとつむぎたい様子で、糸にあたたかさやいとおしさを感じるとの発言も
ありました。
【中野の発言から】
このやり方で着物一反分をつむぐということを一度体験すると、
布というものがどんなに大変な思いで作られていたのかということが分かると思うんです。
だけど今はそういうことがないものですから、
新しい布をどんどん切り刻んでパッチワークしたり裂織にしたりするけれども、
本来は使い古されてからやったことなんです。
機械織りのものはまだしも、すごくいい糸で織られた古い大島なんかを骨董市で探して、
安く買ってきて裂いてしまうなんてことをやってますが、
そういうのはちょっと首をかしげざるをえませんね。
中野みどりのHPにもどうぞ