寒来光一の日替わり笑話

お笑い作家・寒来光一(さむらいこういち)が、毎日(たぶん?)、笑いのネタをお送りします。

ユニット家具(笑ートエッセイ)

2010-08-24 00:56:56 | 笑ートエッセイ
 家具が必要な場合、家具店に向かう。目当ての品を見つけ、お金を
払う。
 しかし、ここで安心してはいけない。それは、ユニット家具という
やつなのだ。持って帰って寝かせておいても、そのままでは単なる板
切れにすぎない。ほうっておいても邪魔になるだけで、何の役にも立
たず、買ったことを後悔してしまうに違いない。
 そんなことにならないためにも、勇気を出して、組み立てと格闘を
始めなければならないのである。

 ここまで書くと、さすがに鈍感な読者でも、私が器用な人間でない
ことは分かってもらえるだろう。
 そう。自慢ではないが、全くもって不器用そのものなのだ。スリッ
パ立ては板が表裏反対。本棚は背の薄い板がきちんとはまっておらず、
カラーボックスはきしむ音がするものもある。パソコン机に至っては、
パソコンを置ける状態にするまでに、1時間以上もかかってしまった。
 いったい私が、家具に何をしたというのだろう。こんな苦役を受け
るぐらいなら、家具なんかない方がましだ。というわけにもいかず、
いつも四苦八苦しているありさまである。

 世の中には、私と同じ悲惨な境遇に陥っている人も、案外多いので
はないだろうか。
 とは言え、家具店に抗議しても徒労に終わる可能性が高い。「それ
を承知で、購入されたんでしょう」と軽く一蹴されるに違いない(私
が家具店の店員でも、そう言うだろう)。

 そんな家具業界に期待しても、全く無駄である。ここはひとつ、ロ
ボット業界に、ユニット家具組み立てロボットを開発してほしいもの
だ。
 もしそんなロボットが誕生すれば、もうこちらのものである。どん
な複雑なユニット家具でも、このロボットさえいれば、ちょちょいの
ちょいなのだ。

 ただし、問題が二つある。このロボットを買うぐらいなら、ユニッ
トでない高級家具を買った方がかえって安くつくかもしれないこと。
 そしてもう一つは、そのロボットそのものが組み立てになっている
ことである。
 もしそうならば、いさぎよくその道はあきらめることにしたい。や
はり、どう考えても、家具よりはロボットの組み立ての方が大変そう
だからである。


  北島選手、相変わらず抜群の強さですね。
  次のオリンピックもいけそうです。 
コメント (1)
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