寒来光一の日替わり笑話

お笑い作家・寒来光一(さむらいこういち)が、毎日(たぶん?)、笑いのネタをお送りします。

電話のかけ方(笑ートエッセイ)

2010-12-24 00:11:01 | 笑ートエッセイ
 妻が毎日、ラジオで中国語講座を勉強している。
 それを聞くともなしに聞いていると、中国では、電話に出るとき
に、名乗らないのが習慣なのだそうである(企業では、最近、名乗
るところも増えてきたとか)。

 日本では、「○○ですが」と名乗るのが当然だと思っていたが、
最近では、事情が変わってきているようだ。
 2年ほど前の調査では、自宅への電話で、「名乗らない派」が何
と73%もいたとのこと。てっきり自分が普通だと思っていた常識
が、見事に打ち破られてしまった。

 その理由はと言えば、ほとんどが「防犯上の理由」だそうである。
確かに、これだけ「振り込め詐欺」が横行する現状では、無理もな
いことなのかもしれない。
「名乗った方が気持ちがいい」と思いながらも、やはり「名乗らな
い」という人も、随分いるようだ。マナーを取るか、安全を取るか
で、揺れ動いているのだろう。

 やがて、親が子どもにこんなことを言うような時代がやって来る
かもしれない。
「この子は、何べん言ったら分かるの! 電話に出る時に、自分の
名前をしゃべったらいけないって言ったでしょ!」
 何とも、世知辛い世の中になりそうである。

 ちなみに、我が家の電話番号は、ある郵便局と最初の番号が1字
違い(惜しい!……って、そういう話じゃないけれども)。
 よく、間違い電話がかかってくるのだ。
「はい、寒来です(注:実際には、本名を名乗る)」
「あのう、留守の間に、郵便物を配達してもらったんですけど」
「あ、こちらは、郵便局ではありませんよ。おかけ間違いだと思う
んですが」
「いえ、ちゃんと不在番号に書かれている番号に電話しましたよ」
「でも、こちらは郵便局じゃないんです」
「とにかくこっちは急いでるんだ。早く、担当者を出しなさい!」
「だから、こちらは郵便局じゃないんですって」
「もういい! ガチャッ!」
 とまあ、こんなにひどい例は、今のところないが、「すみません」
の一言もなく、切られることはよくある。
 電話のかけ方を、マナーモードに切り換えてほしいものである。


   今日はポカポカ陽気でしたが、明日からぐっと寒くなりそう
   です。
   今年は、ホワイトクリスマス? 
コメント
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