パーントゥ祭祀は、宮古島上野地区野原と
平良地区島尻とで行われている、奇祭と呼ばれる祭祀である
パーントゥ・プナハと言い
両スマ(集落)の伝統行事として毎年行われている
パーントゥ・プナハとは
パーン=食べる・トゥ=人(ビトゥ)が訛化した言葉で
プナハは祈願と言う意味で、両スマでは内容は異なっている
邪気を払い無病息災を祈願する、百数十年、続く伝統祭祀である
島尻では祈願祭は、年三回
旧暦の三月末から四月初旬と五月末から六月初旬
そして九月の吉日に行われる、
この三回目の九月の祭にパーントゥは出現する
1993年に重要無形民俗文化財として国の指定を受けている
現在の島尻の、北側のムトゥズマ(元島)海岸に
クバの葉で包まれた奇異な仮面が流れついた
その日、島尻では神を招き、祭を行う日であった
海の異界から来訪した、神
わがスマ(集落)に雨と、五穀豊穣をもたらす神と考え
仮面を大切に保管するようにと神人は
人々に伝え祀ったのが始まりとされている
この祭り以来、ンマ(親)・ンカ(中)・ファ(子)・三つの
仮面を選ばれたスマの若者三人が着け
体中にシイノキカズラと言う蔓草をまとい
泥を全身に塗って、神に化身し来訪神、パーントゥ神に成る